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「手製本を学ぶ−絵葉書を継いで折り本に仕立ててみよう!−」を開催しました。

投稿日:2022/12/17

このイベントは終了しました。

たまきさんサロンスタッフです。
 12月4日(日)のサロン講座は、和綴じ製本作家の永澤裕子(ながさわゆうこ)さんをお迎えして、捨てられずに引き出しの中で眠っている想い出深い絵葉書を継いで、「折り本」に仕立てて美しく飾る技を学びました。
 永澤先生は、仙台市内をはじめとした近隣の文化施設において、本の修理や和綴じの技術を多くの方に知ってもらうための講座や講習会を数多く開催しています。先生の講座では、毎回参加者自身が実際に製本の実習を行いながら和製本の技術を学んでいます。


 今回の講座では、「絵葉書」を「足継ぎ(あしつぎ)」という技法を用いて、一枚続きの屏風のような折り本にします。
 「足継ぎ」という技法は、綴じしろにするために「足(あし)」と呼ばれる紙や布を使って、本文に図版などを綴じ足していく方法です。今回は、足の材料として「五匁楮和紙(ごもんめ こうぞ わし)」を使います。

[1]編集する
絵葉書を継ぐ順番を決め、裏面に番号を記入して2枚1組にする。
・屏風のように立てた時の山側と谷側の順番や景色を考える。
・谷をはさむ2枚を1組にする。山側を揃えるためには、組ごとに同じ幅の絵葉書が望ましい。

[2]足を用意する
楮和紙を15mm幅で必要な長さに切り出す。
・和紙の天地を合わせて、目打ちを使って天・地に点を刻むように15mmごとに印を付ける。
・平面に戻して、天・地の2点を結んでカッターで切り込みを入れる。
・これを一本ずつちぎって、「足」として使用する。




[3]足継ぎをする

・不織布の上に「足」をのせ、まず手前半分に糊を引き、定規を乗せて重石にする。不織布の下には前もって不要な紙を敷いておくと、「足」からはみ出した糊が不織布を通り抜けて机をよごすことが防げる。
・向こう半分にも糊を引く。
・定規ごとワックスペーパーの上に移動させる。
・表を向けた絵葉書を2枚並べて、「足」の上に貼る。この時、折りたたむことを考えて、葉書の間隔を1mm確保しておくことが必要。
また、葉書の地の辺が2枚きちんと揃うように足にのせること。そのためには、定規をうまく使う。
・定規を外し、ワックスペーパーごと裏返し、ワックスペーパーの上から「足」を葉書の裏面にしっかりと圧着する。
・葉書を表に返して、押し板と重石をのせて養生する。






[4]同様に、用意したすべての葉書を2枚ずつの組にしていく

・組がすべて揃ったら、重しをはずし順番に並べて糊を乾かす。
・はみ出た余分な「足」を切る。




 乾き待ちの
休憩時間中に、先生がご持参された「仕掛け絵本」の展示を鑑賞しました。いろいろな種類の折り本や立体絵本は、見ているだけでも楽しい作品ばかりでした。



[5]次に2枚組を貼り合わせ4枚一組にする
・編集どおりに全体をつなぐ。このように短い組を順番につないでいった方が、ズレが生じにくく、きれいに仕上がる。






[6]全体を折りたたみ、天・地と幅の寸法を合わせる


[7]ケースを作って入れるか、カバーを作って貼ると完成!

 以上が、絵葉書を継ぐ簡単な工程です。2時間ほどで作れますが、今回はケース作りについては、先生からケース用の型紙とカバー用の厚紙をいただき、各自帰宅後の作業としました。
 和製本の技術を初めて体験された参加者の皆さんがほとんどでしたが、紙の切り方や糊の扱い方、紙の性質なども知ることが出来ました。
 ※製本の場合、ハサミではなくカッターを使います。きれいに紙を断つコツは、体を半身に構えて、刃を立てずに寝かせて自分の手前に向かって引くことと、カッターの刃先を折って、常に切れる刃を使うことです。
 ※貼り合わせる時には糊を使います。木工ボンドとでんぷん糊を混ぜたものに水を適量加えたものを、糊刷毛で一方向に薄く引いて広げるようにします。こうすることで、余分な糊や糊のついていない部分が出ず、美しさと強度が得られます。塗るのではなく「糊を引く」という表現をします。

 引き出しの中で眠っているなかなか捨てがたい想い出深い絵葉書を、どなたでも少なからずお持ちのことでしょう。

 今回の講座では、それらにひと手間加えて仕立て直すことによって、見栄えが良く長く大切に保管できる技術を教えていただきました。大切な絵葉書が一冊の折り本として生まれ変わった驚きと、それを自分の手で作り上げた喜びに、参加者の皆さんもとても満足されていました。
 また、12/3に開催されたサロン講座「親子で手漉き和紙を学ぶ」で講師をしていただいた『手すき和紙工房 潮紙』代表の塚原英男さんが漉いた楮和紙を、今回の講座では足継ぎの「足」として使用させていただきました。手仕事で作られた地元の物が、何かの素材として利用されたり、形を変えてまた別の物に生まれ変わったりしているという工芸の世界のつながりも学びました。
 まだまだ奥の深い和製本の世界ですが、たまきさんサロンではこれからも永澤先生に素敵な技術のご教授をお願いしたいと考えています。永澤先生、ありがとうございました。ご参加いただいた皆さん、長い時間お疲れさまでした。   



★参加者の皆さんの作品集★

  

   

 



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