川には魅力がたくさん!~川に棲む生きものを通して川の環境を知ろう~【サロン講座】

たまきさんサロンスタッフです。
8月9日(休・月)は宮城教育大学 棟方 有宗准教授を講師にお迎えして、「川には魅力がたくさん!~川に棲む生きものを通して川の環境を知ろう~」と題したサロン講座を開催しました。

東京都多摩地域出身の棟方先生は8歳の頃、父親に連れられ多摩川にオイカワを釣りに行ったことをきっかけに釣り好きとなり、その後中学生・高校生と成長するにつれ川だけでは飽き足らず、休日には釣りのために遠出をするほど、ひたすら釣りにのめりこむ生活を送っていたそうです。

そんな中、17歳の時に「回遊魚の生物学」という本に図書館で出会います。 釣りのことばかりを考え生活していたために、周囲からも心配をされていたそうですが、学問として勉強することで心置きなく釣りもできるようになるのでは、との思いから18歳の時に魚の研究者を志したとのことでした。

その後大学院へと進み、日光にある研究所で大型のマスの研究を始められ、先生ご自身の釣る魚も巨大化していきます。アメリカのオレゴン州立大学へと留学されていた際、初めてキングサーモンを釣りあげた時は、現地の日本人の仲間たちとパーティーを開いてもなお、有り余るほどのいくら三昧の日々を経験されたそうです。

30歳で仙台へと来られてからは宮城教育大学にて、サケ・マスの生態調査や研究をはじめ、それらの魚のすみかでもある河川保全に関する取り組みなどでも、ご活躍され続けています。

今回は、そんな棟方先生に川に棲む生きものや、川釣りなどについて教えていただきました。

仙台を流れる広瀬川は全長45km。途中で名取川と合流し、閖上から海へと流れ出ています。通常、川が海に流れ出るまでは、いくつもの市町村を跨いでいることが多いそうですが、広瀬川のように川の水源から河口までがほぼ同じ市内で完結するといったような川はあまりないそうです。 そんな広瀬川ですが、数え方や季節によって違いはあるものの、少なくとも50種類の魚が生息し、上流・中流・下流と場所によって棲む魚の種類も異なります。

上流域ではイワナが生息しています。小魚などを食べる肉食で神経質な性格、サケの仲間だそうです。
霊屋橋付近を流れる中流域ではアユ、アブラハヤやウグイが生息しています。

アユは背びれの他にアブラヒレを一つ持っています。これはサケの仲間の特徴で、サケの仲間であると同時に、イワナの仲間でもあるということにもなります。また、アユは唇で川底の藻をガリガリと食べるので、藻の匂いが身体へとうつり、実際に手に取ってみるとスイカやキュウリの匂いがするそうです。
その一方で、アブラハヤやウグイは雑食で背びれのみなので、こちらはコイの仲間になるそうです。

名取川と合流する下流域にはナマズやフナ、オイカワなどが生息しています。

オイカワについては、元々仙台に生息していたわけではなく、仙台以外の地域から入ってきたため、国内外来種と言われているそうです。考えられる要因の一つとしては、過去、琵琶湖からアユが仙台にやってきた際、その中にオイカワもまぎれて一緒にやってきたのでは・・というお話でした。

後半は実際の釣りの仕方や釣り竿のお話、仕掛けの作り方などについてです。
仙台で出来る釣りには「餌釣り」「擬餌針釣り」「おとり釣り」などがありますが、それぞれ使う道具も異なります。

今回は、その中でも比較的簡単にはじめることの出来る「のべ竿釣り」の仕掛けの作り方について教わりました。 
竿に針を繋ぐための基本的な結び方を二つ、実際の釣り糸を使って練習してみました。どちらも少々難しそうではありましたが、一度覚えてしまえば簡単に出来るようになるそうです。

棟方先生の研究室では、魚を守るための取り組みについても活動しておられ、植松 康成さんと伊藤 峻さんからもそれぞれお話をしていただきました。

植松さんからは「減った魚を増やすには」というお話で、魚を増やすためには、①環境をよくする(魚道を作る)②魚を捕る量を減らす(ルールを作る)③魚を放すなどがあり、サケの放流自体は100年前から行われているにも関わらず、実はほとんど増えていないのだそうです。

なぜ放流しているにも関わらず、増えていないのか?その原因としては様々考えられるものの、餌や棲みかの問題、交配によって泳ぐ力が弱まってしまうことがあるということでした。
放流は魚の数を増やすために必要なことである一方、むやみに行ってしまうと魚に悪い影響を与えてしまう。放流をするときは、棟方先生のような専門家に相談してほしいということでした。

伊藤さんからは「サケにやさしい川づくりについて」というお話で、今の広瀬川はサケにとってやさしい川とも、そうでないとも言えない環境にあるといいます。その要因としては、サケのような通し回遊魚は河川横断工作物と言われるダムや堰があることによって、川と海との行き来がしづらくなってしまうからとのことでした。

人々の生活には恩恵のあるものですが、魚たちにとっては障害物以外の何物でもありません。
魚道があれば、河川横断工作物があっても、乗り越えていきやすくなるため、サケなどの魚に限らず、ヤマメの稚魚や成魚にとっても海と川の行き来がしやすくなり、大きな魚も来やすくなります。広瀬川にもいくつか設置されてはいるものの、その設置には様々な課題があり、まだまだ難しいということでした。

最後に、棟方先生から「釣り人は川の環境の番人である」というお話もありましたが、豊かな川があってこそ「釣り」を楽しむことができる。その豊かな川や魚たちを守るためには、放流や魚道の必要性、魚たちにとっても良い環境になるように人も努力しなければいけないなと改めて感じました。

今回の講座を通して、広瀬川に限らず、身近な川について知るきっかけとなれば、嬉しい限りです。
棟方先生、植松さん、伊藤さん、参加してくださった皆さんありがとうございました。

紹介しきれなかった講座の様子です。※クリックすると拡大されます。


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