久しぶりの山岳部ネタ。飯豊連峰!

森の深さが、飯豊の魅力

本当に久しぶり更新の「たまきさん山岳部」ですが、本当は登っていないのではなくって、紹介するほどの山に行っていないというのが本音でした。まぁ〜チョコチョコ登ったその辺の山を『いいでしょ〜』と言いふらすのもナンですね。

ですが今週出かけた山は、東北の中でも群を抜いて難しい山登りで、東北のアルプスと称される飯豊連峰!
飯豊山と福島県の最高峰の大日岳です。
なんと、大日岳までは、逃げ場の全く無いルートで片道1日半かかる計算で、難易度は劔岳に次ぐほどの難しさ!東北人としてはちょっと誇りの山なんです。

では!レポート行ってみよう!



グングン登ります。1500メートル。

この山は、入口から難しい。
喜多方近郊の川入から緑の深いルートを、どんどんと詰めていきます。登山口から急勾配を700メートルも一気に登る。
途中の樹々の美しさも群を抜いています。

写真には撮らなかったけど、昭和58年にいたずら(当時はそんなものだった)に彫られた幹の傷が、未だに残る木が登山道のすぐ脇に残っている。
関東では登山道の崩壊が大問題となっており、北アルプスなんか都市公園を登っているのでは?と勘違いしたくなるほどの惨状なのに、改めて東北の自然の奥行きの深さと、懐の大きさに感謝します。

しか〜し!日本海から東北上空に低気圧が向かっており、しかも梅雨前線が連動して活発化していて大変に判断の難しい日です。
たぶん午後遅くから崩れるだろうから、一気に距離を伸ばすしか無いですね。



吊り尾根が見える!

とにかくいつ、雨が降り出してもおかしくない空模様。だけど、日中は充分持つだろうと踏んでの出発です。
三国岳へ向かう吊り尾根を遠くに望みます。なんとこの目の前にそびえる山も前山のひとつ。僕らが目指すのは、1600メートルの前山を持つ、2100メートルの山なんです。



雲間に雪渓

三国山への取り付きに着いたあたり。10時前後には太陽熱で大気が暖められ、次第に上昇気流が生まれます。
流れゆく雲に巻かれた先に、雪渓が見え始めました。
ここは関東の5月の気候帯です。



雪渓です。

そろそろ標高は2000メートルを越えます。雪渓をいくつも横断します。
写真は大陸系の人の記念写真の真似をする僕。なんでアチラの方はポーズを作るのだろうな〜?



花の山です。

東北の山の魅力のひとつは、何といっても花。道々に多くの野生の花が咲きます。
雪が深く、夏も短い厳しい自然環境の中、なんと美しいのでしょう!



これから登る道

そして雲に霞む、これから登る道。
どんどんと高度を稼ぎ、僕は頭痛を感じ始め、少しだけ高山病の兆候と、たぶん無酸素運動が続いたので、二酸化炭素で脳が腫れてきているのでしょう。だんだんと体に不具合が出てきました。



遠くに大日が望める

あ!遠くに大日岳が見える!
一瞬の雲の合間から、明日までの全行程が見えました。とにかく7月というのに雪が多いなぁ。



霧が迫る

峰に雲が迫ります。昼の上昇気流で、風上側の霞がドンドンとばされていきます。



この切り通しが恐ろしい。

ここは、地図では名無しのポイント。
切合小屋からさらに登ったところにある岩場だけど、左右が200メートルぐらいの奈落へと続いている。。。滑落事故も多く起きている恐ろしいポイントです。クワバラクワバラ。



山小屋
そして宿泊した山小屋です。
今回は標高差が大きく距離が長いので出発を簡単に。テントを使用せずに宿泊には避難小屋を利用しました。

東北の山って、国立公園が多いのでテントを張れる場所は限られていますが、代わりに避難小屋が大変に充実しているんですよね。
食事もとれる小屋があるので、初心者の方は、防寒装備と非常食さえあれば、とても身軽に登ることもできます。ただし安全のためにルートを熟知したリーダーが必要ですけどね。



頂上へ向かう

途中少々省きましたが、山頂へ向かう最終のアプローチです。
梅雨前線も活性化し、ちょっと雨も強くなってきた。



しかし緑が綺麗だ。

風が強く、雨も降りつける。
だけど緑がとんでもなく濃い。
美しい山です。



大日岳山頂です。

もう。。。写真を撮っていられないほど。。雨雨雨。
でも大日岳の山頂着。目的達成です。
僕はけっこう南アルプスも登ってますけど、ここは確実に鳳凰三山より難しい。
難所のグレードも白根三山より上。
標高は2100メートルだけど、ここは寒冷地だから、関東の500メートル増し換算になり、かなりの高度になる訳。
その割にはほとんど荒れていない登山道に整備された施設。(トイレは水洗だよ!)数多くのバリエーションルートで、何よりも雪の量がハンパ無く多い。来春試したいルートはピッケルアイゼンで登る日本有数の巨大雪渓がある。
素晴らしい山を知ってしまったなぁと実感です。



切り合から望む山々

天候は悪化の一途です。急いで下山。う〜ん。雨に追われて急いでいたから、ちょっと残念。
切合の小屋まで一気に下りてきました。

このまま川入まで下山してもいいのだけれど、なんだか通りがかりの「オリャ〜この山に、502回も登った」なんて言ってる変なおじさんが面白く、さらに翌日に晴れるという情報があり、ついついもう一泊延泊〜決定。食料は充分に持っているし、今日はもう7時間も雨の中を歩いた。ちょうどいいかな?
天候は急速に回復している。ひょっとして梅雨前線が日本から離れるのかもしれない。



小屋の中

これが山小屋の中。
暗いし、雨のせいで湿気っぽいし、薪でお湯をたいているから、少し煙の臭いがする。



朝日が昇る

ここからは最終日。
雲間から朝日が昇ります。



朝焼けだ!

ご来光です。
みんな小屋から出来て、久しぶりの好天に感謝します。


色づくね〜。

飯豊山。太陽の光を受けて、山頂の方から徐々に色づきます。


モルゲンロート
モルゲンロートになるかな〜と思ったら、大日岳の横っちょの雲が邪魔して大日のみ赤くならず。
モルゲンロートはドイツ語で、モルゲン(朝)ロト(赤)です。



美しい大地

ぼーっと小屋の前でコーヒー飲んでたら現れた光景。
なんと美しい光線だろう。天孫降臨を信じた人々は、こんな光景を見たのかなぁなどと太古に思いを馳せつつ、雲間から山が見えるたんびに、僕らは中川翔子のように「大日様光臨、キタ〜!」と騒いでいた。叙情も吹き飛びますね。



雪渓を上から見る。

さぁ帰りの雪渓です。
美しいしか言葉の出ないV字渓谷。ここでカメラを落とすと、ここを滑ってアソコで曲がって、あっちの方に消えて行く訳だ。



雪渓を渡る。

昨日は60人近く登ったので、踏みあとがしっかりついている。
一昨日の登りは踏みあとが全く無く、GPSが無いと前進すら難しかった。道を見失った親子を正規ルートへ先導したこともあった。GPSは頼ってはダメだけど、あれば命拾いもします。先端機器を使いこなすのも、現代登山の面白さです。



緑が濃い

見事な斜面。
良く見ると、上昇気流に乗って里から飛んできたトンボが写っているよ。
トンボは里で生まれ、風に乗って山の尾根にやってきて夏を過ごし、昆虫をいっぱい食べて、また里に帰ります。



霧に浮かぶ三国小屋

三国小屋が、小島のように雲海に浮かびます。



さて、驚きの事態発生。

さて、三国小屋で緊急事態が進行中。

昨夜にこの先の難所、剣が峰で滑落者が出て、なんとか小屋まで戻してきたけど悪天候で救助要請が出来なかった。
翌朝そこに通りがかった『飯豊の集い』の登山隊。地元の山都町で開催される企画登山隊なのだが、この人達が凄かった。



レスキューが来た
メンバーには現役の救急隊員もいる。
隊長の指示でヘリコプターを呼び、吊り上げ地点の安全を確保して、遭難者を迅速に降ろしてしまった。
とにかく滑落をしたけどツイテいたのは遭難者の方です。
天候回復しなければヘリは飛べなかったし、プロが通りかかったから素早く救助してもらえた。
事前に怪我の処置を消防隊に準備してもらってたから、ヘリコプターなんか10分も上空にいなかったんじゃないかな?

ちなみに隊長は。。。前日に道ばたから僕に声をかけてきた、ちょっと面白いおじさんで、朝方も一緒にコーヒー飲んでいたよ。
旅はこんな出会いがあるから、楽しいのさ。



飯豊の集い

初心者の登山には、こんな地元の登山隊に加わるのもいい方法かもしれませんね。
登山口のビジターセンターに案内が貼ってあったんで、どなたでも事前申し込みさえすれば参加できるようですよ。

山都町観光協会事務局(喜多方市山都総合支所産業課商工観光係)



恐怖の剣ヶ峰

さて、ここが難所の剣が峰。
アルペンの世界ですね。東北は凄いなぁ。
僕は関東在住時代に、こんなに素晴らしい山の存在を知りませんでした。見事な尾根です。



難しいよ〜。

確かに難しい山です。
僕は初心者が連れてってくれって言っても、ここには連れてきませんね。
歩き慣れていない人だと、剣が峰で怖くなって引き返すでしょう。富士山なんか、ここに比べたら公園の砂山に近いです。デッカい砂山。



森が深いな

さてさて、一気に下ってしまったので写真はこれでおしまい。
今回は東北の山の、本当の実力を垣間みました。
東北は、ひとつの大陸だとかつてどこかのCMで見たことがあります。
しみじみ。。。。この地に住んで、良かったと思う山行でした。
たぶんまた、登りにいくだろうなぁ。

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