第10回気象サイエンスカフェ東北~わが町の気候変動 どうやって予測する?~【オープンサロン講座】

たまきさんサロンスタッフです。

11月16日(土)にオープンサロン講座として、「第10回気象サイエンスカフェ東北~わが町の気候変動 どうやって予測する?~」を開催しました。
講師に東北大学大学院理学研究科の 山崎 剛 教授を迎え、ファシリテータを日本気象予報士会東北支部の 杉山 公利 支部長に担当いただいての開催となりました。

気象サイエンスカフェは、参加者と気象の専門家が同じテーブルを囲み、1つのテーマについてお茶やお菓子をつまみながら語り合い、楽しく理解を深めることができるイベントで、10回目となる今回は、「地球温暖化」をテーマに開催しました。

グループごとのディスカッションに入る前に、山崎先生から気候変動や温暖化についてのお話をしていただきました。

21世紀末に向けて温暖化への対策が必要だと言われていますが、極地に近いほど気温が上がりやすく、上がり方も場所によって違いがあるそうです。

また、気温測定の多くは都市部で行われていることから、地球規模での温暖化以外にも都市化したことによる温暖化の影響もあるのだとか・・・。

気温だけでなく、降水量の観点からも温暖化の影響を知ることが出来ると先生は言います。

雨が降った日数自体は徐々に減りつつあるのに対し、1日に100mm以上降った大雨の日は徐々に増えつつあります。東北を含む北日本では、これまで豪雨が少なかったために大雨に対して弱いところがありますが、滝のように降る雨(1時間に50mm以上)の年間発生率は今後、高くなるという将来予測もあるそうです。

温暖化を悪化させないために今できること、やっていかなければならないこととして、二酸化炭素の排出削減や、省エネや再生可能エネルギーを使うようにするなどの緩和策、それでも起きてしまった・起こりつつある場合の対策、対処療法としての洪水や台風に対する水害対策、農作物の適地適作化などがあります。

2018年12月に「気候変動適応法」が施行されたことで、信頼できる予測をもとにそれぞれの地域でも計画を立てて強化を図ることがより大切になってきました。

そんな温暖化の予測、実は現在の天気予報と同じように、地球を縦と横のサイコロ上にし、それぞれの場所の温度や風、温室効果ガスの値などをコンピュータで計算して行われています。

しかし、地球全体を扱うには膨大な計算をしなければならず、また、地域で考えるにはまだまだ粗いためにダウンスケーリングという手法が用いられています。

ダウンスケーリングを用いることによって、よりたくさんの予測データを扱うことや、原理的には元データに含まれないさらに小さなスケールを表現することができるようになる一方、解像度を上げることで計算時間が急増してしまうために限られたものにしか適用できないのだそうです。

文部科学省の事業である、気候変動適応技術社会実装プログラムのモデル自治体7つのうち、長野県と岐阜県を対象に農業や防災、生態系、人口減少などの分野でダウンスケーリングを用いながら、東北大、気象庁気象研究所、防災科学技術研究所が共同の取り組みを行っています。

山崎先生のお話を聞いた後は、それぞれのテーブルにて山崎先生や専門家の方々を交えながら、ディスカッションを行いました。

活発な意見交換が行われ、ディスカッションの最後には、それぞれのテーブルで出た意見や質問に答える形で、山崎先生から再びお話をいただきました。

気候変動や温暖化に限らず、将来予測の精度向上に向けては、専門家の方々も日夜努力中なのだとか。そんな日々のご尽力のおかげで、天気予報や防災の危険度マップといった私たちの生活になくてはならない情報が発信されているのです。

気候変動も温暖化も地球規模の大きな問題ではありますが、まずは自分の住んでいる地域や身近な場所の気候がどう変化し、今後どんな変化が予想されるのかということに関心を持って、できることから始めていくことも大事なのではないかと思いました。

山崎先生、杉山さん、日本気象学会東北支部の皆さん、日本気象予報士会東北支部の皆さん、そしてご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。

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