ヨシ原をめぐる生きもの達の夏物語

生物多様性保全推進事業~せんだい生きもの交響曲~
夏の音~カッコウを呼び戻せ!ヨシ原活用大作戦~
『ヨシ原をめぐる生きもの達の夏物語』 レポート


令和元年6月29日(土曜日)、雨の心配される中、若林区にあるせんだい農業園芸センターのヨシ原で暮らす生きもの達の姿を観察するために、夏の生きもの観察会を行いました!
生きもののことを教えてくれるのは、昨年に引きつづき、宮城県森林インストラクターの太田先生と西谷先生です。
市民の皆さまとヨシ原の観察会やヨシ刈りを始めて2年。
ヨシ原にすむ生きもの達に変化はあるのでしょうか?
ここでは、3年目を迎えた「ヨシ原をめぐる生きもの達の夏物語」の様子を少しだけご紹介します。


午前10時、3年目となった「ヨシ原をめぐる生きもの達の夏物語」が始まりました!みなさん、仙台市の鳥は何か知っていますか?そう、カッコウなんです。ヨシ原にはカッコウを始め、様々な生きものが暮らしているんですよ。


宮城県森林インストラクターの太田吉厚さんと西谷理恵さんを先生に迎え、農業園芸センターにいるたくさんの生きもの達を紹介してもらいます。まずは、一番数の多い植物たち。「生態系ピラミッド」の一番下に位置しています。


そして昆虫、鳥、猛禽類…ピラミッドの上に行くほど少数になりますが、みんな影響を与え合って生きているそうです。どれも大切な生きものなんですね。


早速、外に出て生きもの観察!まずは生きものをしっかり見られるように、西谷先生から双眼鏡の使い方を教えてもらいます。右目、左目、それぞれの見え方を調整すると、自分仕様の双眼鏡に!


一点を見つめて、はっきり見えるか確認します。大人も子供も、みんな集中して調整しています。


調整が終わったら、次は先生が隠したかっこうのぬいぐるみを探す練習。ポイントは、双眼鏡をのぞく前に目で確認してから双眼鏡で見ること。みんな、見つけられたかな?


双眼鏡の使い方を覚えたら、ヨシ原へ移動する途中に、農業園芸センター敷地内のビオトープで生きもの観察。何がいるのかな?


ここには、仙台市の沿岸部、井戸地区に住むメダカがいるそうです。みんなで観察するために、西谷先生が水面に網を近づけてメダカを上流の網へ追い込みます。メダカは、鳥が水面に来ていると勘違いして逃げるんだって!


上流にしかけていた網にメダカたちが到達!みんな、どれくらい捕まったのか気になっています。


網を広げてみると・・・大人のメダカはうまく逃げてしまったようで、捕まったメダカは赤ちゃん数匹。生きものたちを観察しやすいように、水槽へ移します。


どんな生きもの達がいたかな?


他にも色々な魚がいました。小さなビオトープですが、こんなに色々な生きものが住んでいるんですね。


ビオトープには、アマガエルの赤ちゃんも泳いでいました!


「赤ちゃんガエル、捕まえたよ!」手のひらを広げると、元気いっぱいな赤ちゃんガエルはすぐに飛び出していきました。


さらに敷地内を移動します。敷地内には様々な樹木も植えられていました。太田先生から、ヒマラヤスギにたくさん付いているケムシを教えてもらいます。5センチくらいの立派なケムシもいました!


ようやくヨシ原に到着!ヨシは青々と、子供たちの背よりも高く成長していました。ここにいる生きもの達を知るために、太田先生がワナを仕掛けていたので、早速子供たちに回収してもらいます。


ワナはプラスチック製コップに餌を入れたもの。小さな虫たち、結構おびき寄せられていますね。コップの中にずいぶん入っていました。


全てのワナに入った生きものを、トレイに広げます。ダンゴムシ、ゾウリムシ、クモ、ゴミムシ、ハサミムシ…子供たちは興味津々で太田先生の説明を聞いています。


そして、この虫たちを食べているのがオオヨシキリ。ヨシ原に巣を作って暮らしています。


今日はあまり聞こえませんが、大きな声で「ギョギョシギョギョシ」と鳴く鳥です。そういえば、最初に「市の鳥がカッコウ」という話があったのに、さっぱりカッコウが出てきませんね…実はオオヨシキリとカッコウ、関係があるんですよ。


わかる人、いますか?・・・なんと、この小学生が「托卵」と教えてくれました!カッコウは自分の卵をオオヨシキリの巣に産み、代わりに卵を温めてもらいます。カッコウを増やしたいなら、オオヨシキリを増やさないといけないんですね。


最後に、ヨシ原の裏側に広がる大沼で双眼鏡を使って生きものを観察します。
どんな生きものが見えるかな?


大沼のヨシの影に、巣を見つけました!バンという鳥の巣で、見づらいですが、中に親鳥とヒナがいます。ずっと観察していると、親鳥が警戒してしまうため、観察はささっと終わらせます。


岸に近いところには、ハスが生えていました。今年はなぜか大沼の水量が多く、水面に浮いている葉も少ないとのこと。よく見ると、その葉の上に何かいますね。


これは、クロイトトンボ。見える範囲でも、ハスの葉の上にも何匹かいて、まるで休憩しているかのようでした。


双眼鏡よりも遠くがよく見えるスコープも設置。遠くで子育てしているカンムリカイツブリの親子を、みんなで順番に確認しました。


これは昨年の様子です。昨年は3つがいが子育てをしていましたが、今年は1つがいとのこと。遠かったため写真は撮れませんでしたが、スコープではしっかり見れました。


ヨシ原から管理棟へ戻る途中、太田先生から「管理棟外壁についているスピーカーに注目!実はここに、昨年からスズメが住み着いているんです。」との話があり、みんなで静かに見守ります。


今日は、親すずめがさっと出入りするところしか見ることができませんでしたが、去年はこんな写真を撮ることもできました。


部屋に戻ってから、太田先生が農業園芸センターに定点カメラを設置して録画していたビデオを使って、生きもの達について解説していただきました。


これは、カモがヨシ原付近をお散歩している様子。一週間前の朝7時頃の様子です。


これはなんだかわかりますか?日本の国鳥、キジです。農業園芸センターには、よく遊びに来ているそうです。


次は、ヨシ原近くの木の枝の上で、元気に鳴くオオヨシキリ。一昨日の午前中の様子です。会場では、ビデオに収められた元気な鳴き声も聞くことができました。


最後に、太田先生と西谷先生が生きもの観察コーナーを用意してくれました。子供だけでなく大人も気になりますよね。


参加者のみなさんの声を、少しだけご紹介

どの生きものが何しているのがおもしろかった?

  • バンが営巣しているところ
  • バンが巣の上でキョロキョロしていたところ
  • ケムシが食べつくしているところ
  • 小さなサギが1羽で飛んでいるところ
  • オオヨシキリが鳴いているところ
  • オオヨシキリが飛んできたところ
  • メダカが捕まらないように逃げているところ
  • カエルが泳いでいるところ
  • スズメがスピーカーに入っていくところ    

今日の話の中で、印象に残っていること、友達に教えてあげたいことは?

  • 人工の沼なのに意外に水量調節ができていなくてハスなどに影響が出ていること
  • メダカに北と南と種類があること
  • ヨシの刈り取りをしたところとしていないところの差。営巣に差が出ること。
  • 托卵について。オオヨシキリに卵を預けて育ててもらうカッコウは頭がいいなと思いました
  • スズメは人間が無関心に歩いていれば気にしないが、人間が見ていると気にしてくること
  • 人間以外の生きものも安心して住める環境を皆で作ること
  • 特定外来生物がここにも生息していること
  • アメリカザリガニは法律で殺処分するよう決められていること
  • 外来種(ドジョウ)について
  • バンが大きな巣を作っていたこと
  • カイツブリが見られたこと
  • 仙台市の鳥がカッコウだということ
  • ずっと見ていると、子育てしなくなること
  • 枯れたハスの花にたくさん穴が空いていること
  • ヨシ原にたくさんの虫がいること

今日の感想

  • 自然を観察するのは楽しかった
  • 子供達と一緒にゆっくり歩いて説明を聞くことができ、いい時間を過ごせた
  • 大沼の水位が高かったためか生きものがあまりいなかったのが残念
  • 沼の近くでたくさんの動物たちや昆虫などを身近に感じることができ、とても楽しめた
  • ヨシ原が来年どうなっているか楽しみ
  • 普段双眼鏡を使う機会がないので、新鮮で楽しかった
  • 双眼鏡の使い方が難しく、鳥をちゃんと見ることはできなかったが、貴重な経験ができた
  • 色々な生きものたちが子育てしていてすごいと思った
  • 冬のイベントにも参加したい

次回は11月に、冬の生きもの観察会を行います。今回とは違ったいきものの姿を、ぜひ見に来てください!

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