仙台海岸(深沼)の鳴り砂から環境問題を考える!!【オープンサロン講座】

2月24日(日)は、オープンサロン講座「仙台海岸(深沼)の鳴り砂から環境問題を考える!!」を開催しました。

講師にお迎えした、仙台湾鳴り砂探究会代表の早川紘之さんは、仙台湾における砂浜海岸の鳴り砂調査を約15年前から続け、平成17年には、亘理町のわたり吉田浜海岸で鳴り砂を発見しました。


仙台湾とは、宮城県石巻市の黒崎から福島県相馬市の茶屋ヶ岬までを直線で引いた内側にある海岸を言います。
わたり吉田浜海岸の鳴り砂を発見するまでは仙台湾の南側には鳴り砂が無く、「きっと、あるはずだ」という思いで探されていたそうです。


次は、鳴り砂の鳴る条件を知ることで、環境との深い関わりを教わりました。

鳴り砂は足で踏んだり、手でこすったり、力を加えることで音が鳴る不思議な砂です。
外国にも鳴り砂はあり、ミュージカルサンド(音楽砂)やシンギングサンド(歌う砂)と呼ばれています。
鳴り砂には、透明なガラスの原料にもなるキラキラ輝く石英(せきえい)が多く含まれています。
音が鳴る不思議な鳴り砂は、私たちの身近な「仙台海岸」にもあります。


「仙台海岸」とは、北は七北田川河口から、南は名取川河口までの長さ約9.5mにわたって広がる「長浜」と呼ばれる砂浜海岸のことを言います。
「仙台海岸」のほぼ中央に位置するのが、仙台市唯一の海水浴場「深沼海水浴場」です。


仙台湾内の砂浜海岸は、東日本大震災の津波被害を受けましたが、現在では砂浜が元の姿に戻りつつあります。しかし、鳴り砂の鳴り音は完全には復活していないそうです。

昔は日本の砂浜のほとんどが、鳴り砂の砂浜でしたが、海が汚されたり、高度成長期に埋め立てられたりしたため減少し、現在では全国で約30ヶ所だけなのだそうです。そのうち、宮城県内には7ヶ所の鳴り砂の砂浜があります。

 

福岡県糸島市の姉子の浜から宮城県気仙沼市の十八鳴浜、九九鳴き浜までを一直線で結んだ場所に鳴り砂の浜が多いことから、謎の一直線と呼ばれています。科学的な証明はされていませんが、一直線上の山中でも鳴り砂が発見されているのだそうです。


鳴り砂の砂浜は、川の上流にある「石英(せきえい)」を多く含んだ「花崗岩(かこうがん)」や「安山岩(あんざんがん)」の岩石が長い時間をかけて風化し、河川を下って海に出るまでに、柔らかい長石や雲母が土に還り、固い石英粒だけが残り、波によって打ち上げられ白い砂浜を形成しました。

「仙台海岸」の砂浜は、七北田川と名取川の源流である奥羽山脈の泉ヶ岳と神室山の周辺から運ばれました。


鳴り砂は、外から力を加えると、「石英」の砂粒の層が振動して鳴ると言われています。
砂の音が鳴る仕組みについては、未だに科学的に解明されておらず、様々な説が唱えられているそうです。

 

砂が鳴る条件は5つあります!
1、砂の中に粒のそろった石英粒子が約60%以上含まれていること
2、石英粒子の角がとれて、丸みをもっていること
3、砂の中に泥状の成分(シルトという粉状の粘土)が少ないこと
4、砂が常にきれいな海水で洗われていること
5、ゴミの少ない砂浜であること


実際に、いろいろな砂を鳴らしてもらいました。


広瀬川の砂は、石英が沢山含まれていましたが、丸みが無いため鳴りません。

沖縄県読谷村の万座ビーチの真っ白な砂は、サンゴが砕けた砂なので石英が含まれておらず鳴りません。

鳥取県鳥取市の鳥取砂丘の砂は、汚れていたため、鳴りませんでした。


神奈川県藤沢市の江の島片瀬海岸の砂は黒く、砂鉄が含まれているため、鳴りませんでした。

 

 

 

鳴り砂の砂浜でも「4、砂が常にきれいな海水で洗われていること」、「5、ゴミの少ない砂浜であること」が継続出来なくなると石英粒の表面が汚れ、鳴らなくなってしまいます。
汚れた石英粒は、きれいな海水で何度も洗われることで、再び鳴るようになります。
そのため、鳴り砂は環境汚染の度合いを示すバロメーターとも言われているのです。


鳴り砂の鳴る砂浜を守るためには、砂浜で焚火をしないことやごみを少なくすることが大切になります。

最近、環境問題として取り上げられているマイクロプラスチックは、5mm以下の微細なプラスチック破片のことです。
プラスチック製品のごみは太陽にさらされて劣化し、壊れて細かくなっていきますが、限りなく細かくなるだけで消えることはありません。

 

写真は早川さんが海岸清掃で拾ったプラスチックごみです。
仙台海岸では、カキ養殖用のパイプの漂着ごみが多くみられるそうです。


海鳥や魚など海で生活する生きものにとっては、海面を浮遊する小型生物に見えることからエサと間違え食べてしまい、体内で消化できず胃にたまってしまいます。さらに、その魚をエサとしている生きものもマイクロプラスチックを摂取することになります。

 

マイクロプラスチックのごみは、鳴り砂が鳴らなくなるだけではなく、生態系にも関わる問題でもあるのです。
ごみを捨てないことが1番ですが、捨てられてしまったごみは拾うしかありません。
細かくなってしまう前に拾うことが大切になります。


早川さんの定点調査では、鳴り音を5段階に分けて記録しています。
A(◎)かなり良く鳴る
B(〇)良く鳴る
C(◇)やや鳴る
D(◆)あまり鳴らない
E(▲)全く鳴らない

 

深沼海水浴場付近の調査では北側の砂が平成22年には、「Cやや鳴る」でした。
平成23年から27年までは防潮堤工事のため、調査ができませんでしたが、平成28年から再び調査をはじめ、平成28年は「E全く鳴らない」、平成29年は「Dあまり鳴らない」でした。昨年の平成30年には「Cやや鳴る」に変化が見られたそうです。
海の水や砂浜がきれいになった証です。


また、早川さんは定点調査を続ける中で、砂浜の砂が移動していることに気づいたそうです。
蒲生干潟への車両進入禁止の木柵を基準にした記録写真を見せていただきました。
場所:蒲生干潟
左側撮影日:平成16年4月22日
右側撮影日:平成16年9月16日

台風や高潮などで、高さ約2mほどの変動があることが分かります。


では、実際に砂を鳴らしてみましょう!

全国各地の砂浜の砂をご用意していただきました。


砂を鳴らす道具は、丸みのある“おちょこ”と“単三乾電池”です。
おちょこの半分くらいまで砂を入れ、単三乾電池のマイナス側で砂を押します。


「キュッキュッ」と音が鳴ると、どこの砂なのかを確認しあいながら鳴り砂の歌声を聞く体験をしました。


鳴り砂が環境汚染のバロメーターであることを知り、いつまでも鳴り砂が残る環境が続くように、これからひとりひとりが出来ることを考える講座となりました。

 

 

早川さん、参加者の皆さま、ありがとうございました。


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