仙台の地層と化石から読み解く大地の歴史 【サロン講座】

たまきさんサロンスタッフです。

12月9日(日)に東北大学総合学術博物館の高嶋礼詩(たかしま れいし)先生をお迎えして、 「仙台の地層と化石から読み解く大地の歴史」と題したサロン講座を開催しました。仙台の歴史を地質学の観点から学習してみようという内容です。高嶋先生は地質学の分野、特に白亜紀の環境変動や白亜紀~新第三紀の火砕流・火山灰層の対比について専門に研究されています。

異なる種類の岩石が積み重なることでできている地層を調べることによって、「いつできたのか」と「どんな場所でできたのか」という大地の歴史を読み解くことが出来ます。

地球表層の岩石は堆積岩と火山岩に大きく分けることができます。

堆積岩の中に閉じ込められている動植物の化石の種類を調べることによって、いつの時代に生息していた生物かがわかり、有孔虫のように大量に海中に生息し、さらに水深によって種類別に棲み分けている生物の場合だと、当時の海の深さまで推定することができるわけです。

一方、火山岩の場合は化石は存在しませんが、マグマの種類によって「玄武岩」「安山岩」「流紋岩」というように種類が分けられます。SiO2含有量が少ない粘性の低い玄武岩質マグマは、地表に噴出すると溶岩流となって流れ下ります。SiO2含有量が多く粘性が高い流紋岩質のマグマは火砕流となって噴出し、火砕流堆積物として白く軟らかい軽石状の岩石となるのです。

つまり、地層に含まれる火成岩や火山灰を調べることによって、その時代その場所でどのような火山活動があり、どのような噴火が起きていたのかを推定することができます。

では、古い時代(2000万年前~1600万年前)から新しい時代(250万年前~現在)の仙台周辺は、どのように変化してきたのでしょうか?
仙台の大地の歴史を大きく5つの地層に分けて探っていきます。

【日本海拡大と海底・陸上噴火の時代の地層】(2000万年前~1600万年前)

ユーラシアプレートと太平洋プレートの移動によって、ユーラシア大陸から引きはがされるような形で日本列島が誕生し、日本海が拡大します。この時代は、仙台どころか東北日本全体が火だるまの状態でした。地層的には「高舘層」が形成された時代です。細倉鉱山、秋保鉱山、川崎鉱山などは、この時代の熱水鉱床がもとになっているそうです。

【東北日本沈没の時代の地層】(1600万年前~800万年前)

この時代の日本列島の地下は、引っ張りや圧縮が弱まり、大地が冷えることによって沈降が起きます。海水が入り東北地方は水没しました。地層的には「茂庭層・旗立層」「綱木層」が形成された時代です。
青葉山周辺も数10m~200mの深さの海で覆われた時代で、地層からは、この時代の海の生物の化石が見つかります。なお、この時期では奥羽山脈付近の方が海は深く、作並の辺りは1000mの深さの海だったそうです。

【カルデラ噴火の時代の地層】(800万年前~650万年前)

この時代になると、東北地方の大地は東西から弱い力で圧縮されるようになります。東北地方はどんどん隆起し、それに伴い火山活動が活発化していきます。地底には、巨大なマグマだまりができ、カルデラ噴火という通常の火山噴火の数千倍以上の大規模噴火が頻発します。火砕流の噴出により大地が広範囲に陥没し、巨大なカルデラができます。東北日地層的には「湯元層・梨野層」「白沢層・三滝層」が形成された時代です。本は、巨大な穴だらけで火山灰に厚く覆われた状態だったことでしょう。

地層的には「湯元層・梨野層」「白沢層・三滝層」が形成された時代です。

仙台の中心部(青葉山の西側一帯)には「白沢カルデラ」」という巨大カルデラができ、その陥没部分には湖ができて、その湖底に堆積した堆積物が「白沢層」です。この地層からは、植物化石が多く産出します。噴出した火砕流の堆積物が「秋保大滝」や「磊々峡」を形成している岩石です。また「権現森」「蕃山」「太白山」は、このカルデラの縁に出来た火山体のなれの果てなのだそうです。

【海水準変動の影響による地層】(600万年前~250万年前)

この時代には、「亀岡層」「竜の口層」「向山層」「大年寺層」が形成されました。陸地だった地層と海中に没した地層が交互に入れ替わります。陸地だった「亀岡層」「向山層」は沖積平野で形成された地層です。仙台の亜炭は、この時期にできた化石です。

水没し内湾で形成された地層が「竜の口層」と「大年寺層」です。「竜の口層」は福島県沿岸部から北上川沿いに岩手県の花巻周辺まで分布しています。ここ青葉山も海中にありました。この地層からは、二枚貝の化石が多く産出します。

「向山層」には、この時代再び多くのカルデラが形成され、「広瀬川火砕流」と呼ばれる大規模な火砕流が噴出した形跡が残されています。火山灰は8mの厚さに達したとみられ、「広瀬川凝灰岩」として地層に痕跡を残しています。

【奥羽山脈隆起と成層火山の形成】(250万年前~現在まで)

比較的新しい時代になると、大地が東西から強い圧縮を受けて、奥羽山脈が大きく隆起します。作並断層がその名残りです。同時に火山活動が活発化し、奥羽山脈では多くの火山が形成されます。泉ヶ岳や船形山が出来た時代です。現在でも多くの火山が活発に活動し、奥羽山脈沿いには多くの温泉が見られます。

私たちが普段暮らしている仙台の大地には、このように劇的な変動を繰り返して来た大地の歴史が隠されていたのですね。地層に残された化石や岩石を調べることによって、数千万年前の太古の環境を推測することができるということがわかりました。

講座の後半は、「東北大学理学部自然史標本館」に移動し、館内の展示物を高嶋先生の解説付きで見学しました。

初めて入館された参加者も多く、時代別に展示されている化石や鉱物、貴重な地学資料などが一般公開されていることに驚かれていました。

今回のサロン講座では、2000万年前にさかのぼって、どのようにして仙台の大地が形成されたのかをわかりやすく教えていただきました。
竜の口渓谷のような山の中で、なぜ海の生物の化石が見つかるのかという大きな謎が解けました。

二ヶ所の会場を使っての講座となりましたが、高嶋先生、参加者の皆さん、ありがとうございました。

 

 

 

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