私たちとつながる島国~地球温暖化最前線国・キリバス共和国から考えること~【サロン講座】

たまきさんサロンスタッフです。

4月7日(土)のサロン講座は、前キリバス共和国名誉領事・大使顧問、一般社団法人日本キリバス協会 代表理事のケンタロ・オノさんをお迎えして、「私たちとつながる島国~地球温暖化最前線国・キリバス共和国から考えること~」を開催しました。

キリバス共和国(以下、キリバス)の“テー・ベー”と呼ばれる布の腰巻姿で登壇したケンタロ・オノさんは、「今日、この場にいる方はラッキーです!」と、言いました。

その理由は…世界の人口72億人のうち、キリバス人はわずか11万人(2018年現在)のみで、キリバス人に会い、キリバス語を聞けること自体が貴重な体験なのです。

太平洋の真ん中にあるキリバスは、首都タラワのあるギルバート諸島のほか、ライン諸島・フェニックス諸島の海抜2mに満たない33のサンゴの島々からなる国です。

そんなキリバスのことをケンタロ・オノさんは、仙台市内の小学校に通う11歳の時にテレビ番組で知ったそうです。

それ以来、南の島が好きになり、中学卒業後の進路も留学の機会を求めて、英語科のある高校へ進学しました。多くの同級生はアメリカやイギリスへ留学に行くことが多かったそうですが、「自分はどこの国に行きたいのか」と考えるなか、キリバスへ留学したい思いが募ってきたそうです。

キリバスへどうやって行けばいいのか、ましてや留学する方法などもわからないなか、親に相談する前にキリバス領事館へ「キリバスへ留学することに決めました!なんとかしてください!!」と、思いを伝える手紙を出したそうです。

高校1年生のケンタロ・オノさんの思いは届き、たくさんの方の協力を受けてタラワの高校へ留学し、青春時代をキリバスで過ごしました。高校卒業後は貿易会社に勤務、2000年には独立し日本国籍者として初めてキリバスに帰化した日系人一世となり、現在はキリバス人としてキリバスの暮らしや現状を伝える活動をしています。

キリバスの人々は、とても環境にやさしい暮らしをしています。
生ごみは家で飼っている豚の餌にするためほとんど出ません。
引っ越しをするときは、屋根をみんなで支えて移動し建て替えます。
世界で2番目にCO2の排出量が低い国なのです。

 

キリバスでは、ココヤシを栽培し、ココナッツが採れますが、サンゴの島には土がなく野菜は育ちません。野菜は、輸入のため価格が高く、キャベツ1玉が日本円で約2,000円もするそうです。そのため、キリバスの食生活は、魚が中心です。

主な産業は漁業で、海の恵みを受け生活しています。

そんな環境にやさしい暮らしをしているキリバスの人々ですが、2050年には海水面の上昇により故郷を失うかもしれないという危機に直面しながら暮らしています。

海水温度の上昇によりサンゴが死に、海の生態系が変わり、今までは捕れていた魚が捕れず、毒をもつ魚も増えてきています。

赤道無台風地帯のため、風がほとんど吹かず、4月から10月は乾季、11月から3月は雨季で、年間の気温差がなく穏やかな赤道気候でしたが、穏やかだった赤道無台風地帯でも台風が発生するようになりました。海抜2mの島に嵐が襲いかかるということは、島全体が水に浸かり逃げ場がない状態になるということです。

半年あった雨季と乾季の期間もだんだん長くなり、1年毎になってきています。雨季に貯めた雨水は乾季に使いつくしてしまい、水不足になってしまうことが増えてきました。また、海水の浸水により、地下水の塩分も上がり、小さな子どもの死亡率も高くなっています。

ケンタロ・オノさんは言います。「温暖化の問題は、世界の国々でも議論がされ、CO2の排出量が多い先進国も調査研究などを行い対応していくことにされている。しかし、キリバスの人々にとっては、調査等の学問でも、ましてや政治的なものでもない、今まさに人の“いのちと故郷”が失われてしまう危機なのだ。」

キリバスと同じ島国の日本で暮らす我々が、キリバスの人々の故郷と私たちの故郷を守るために今すぐ出来ることは、電気やガスの使用を控える、買い物の際にレジ袋をもらわない、ごみを分別し量を減らす、物を長く使うなど…毎日の暮らしの中で自分が出来る小さなことの積み重ねだと感じました。

キリバスの現状を知り、「私にもあなたにも出来ることはもっとあるかもしれない」と、これからの生活を考えるきっかけとなる講座となりました。

ケンタロ・オノさん、ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。

 

 

―――ご案内―――

ケンタロ・オノさんの著書「キリバスという国」の売上の一部はキリバスの環境保全のために寄付されます。

 

 

 

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せんだい環境学習館 たまきさんサロン

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