夏の音~カッコウを呼び戻せ!ヨシ原活用大作戦~『ヨシ原をめぐる生きもの達とあなたの物語』レポート

仙台市 平成30年2月
生物多様性保全推進事業
夏の音~カッコウを呼び戻せ!ヨシ原活用大作戦~『ヨシ原をめぐる生きもの達とあなたの物語』レポート
平成30年2月3日(土曜日)、寒い日が続きますが、春の訪れを感じさせるポカポカ陽気の中、若林区のせんだい農業園芸センターで、多くの生きものが生息するヨシ原を維持するため、みんなでヨシの刈り取り作業とものづくり体験を行いました。
ハクチョウやカモの鳴き声を聞きながら、体を動かして心も身体もリフレッシュ!
そんな「ヨシ原をめぐる生きもの達とあなたの物語」の様子を、少しだけご紹介します。

おはようございまーす。今日は夏と冬に生きもの観察をした農業園芸センターのヨシ原で、わたしたち人間が深く関わっていきますよ~~~


まず東北工業大学の山田先生からヨシのお話。ヨシ原は生物の生息環境として重要であると同時に、水質浄化をしてくれたり、よしずの材料になったりと人間にとっても大事な資源!でも、ヨシ原を維持するためには定期的な刈り取りが必要なんですよ。


ヨシ原の重要性を勉強した後で、早速ヨシ原に移動です。それにしても、いいお天気で、ポカポカ陽気♪


ところで、みなさんヨシ刈りってしたことありますか?昔は、茅葺屋根やよしずの材料として需要が沢山あったので、集落総出で刈り取りをして、集落の貴重な収入源になっていたんですよ。ここで、スペシャルゲストの紹介です。


井土浜地区(名取川河口付近)ご出身の加藤新一さんです!加藤さんは、実際にヨシ刈り経験があり、そのノウハウを知り尽くした貴重なお方!ヨシ刈り経験のないあなたも、加藤さんに教えを乞えばバッチリです。


それではみなさん、ご準備を!硬~いヨシを刈るためには、鋭利な鎌を使うので、十分に気を付けて!体を動かすと暖かくなるから、もこもこコートも置いていっても大丈夫かも?


せんだい農業園芸センターには、大沼に面して、約2,500㎡のヨシが生育しています。そのうち、今日は約100mの範囲を刈ります。生きものが生息しやすいように、刈るところと残すところを10mごとに繰り返し、櫛の歯状に刈り取っていきますよ~。


まずはプロ(加藤さん)のお手本。左手でぐっと、ヨシを抱きかかえて、左から右に向かって円を描くように鎌の刃先を使って刈る!
でもこればっかりは、やりながらじゃないとわかんないかな~


そして、忘れちゃいけないのが、束ねた後に、こうして立てて、ドスッドスッと地面に落として端をそろえておくこと。しっかりした音が出るようになったらOK!
ほら、きれいに整った。


さぁ、あとは実践あるのみ!背の高いヨシを刈っていくと、視界がだんだん開けていって、隣の大沼が見えるようになってきました!大変だけど、楽しい~~~!


作業中に見つかったのは…夏の間、「ギョギョシギョギョシ…」と元気に鳴くオオヨシキリが使っていた可愛い巣!手の平にすっぽり収まるサイズ。ビニール紐も使ってしまうので、ごみはちゃんと片付けてあげないとね


1時間後。だんだん、コツがつかめてきて、みんなの刈り取り作業のスピードも上がってきました。束にそろえる姿も様になってきましたね~


録音している方もいます♪「残したい日本の音風景100選(環境省)」の一つに「北上川河口のヨシ原(宮城県/石巻市)」があり、風でヨシのすれ合う音が指定されています。今日は和気あいあいとしたヨシ刈り作業の音が録れますね!


作業中は、大沼のカモやハクチョウ達ののどかな鳴き声や、羽ばたきの音も聞こえてきて、癒し効果抜群!


丘の上からみんなの作業の様子を眺めてみました。おぉ~みんな頑張ってるなぁ。刈り取りが進んだところからは隣の大沼のカモ達の姿もよく見える!


今回刈り取ったヨシは、薪ストーブ等で使えるヨシ燃料に加工するため、工場へ搬出しやすいように、一か所に集めます。加藤さん、ヨシを運ぶ姿もプロフェッショナルです!


みんなも加藤さんに負けていません!


今日の成果!!
1時間ちょっとの作業だったけれど、みんなのおかげで沢山のヨシを刈り取ることができました♪


スッキリきれいに刈りました!
みなさん、作業お疲れ様でしたっ!!


ところで、実は「ヨシ原」には2種類の植物が混じって生えています。穂先が茶色っぽくてフサフサしているのが「ヨシ」、そして金色でヒョロヒョロっとしているのが、「オギ」です。午後はこの「ヨシ」と「オギ」を使ったものづくり♪


まずは「ヨシ入り和紙のカードづくり」。講師は「手すき和紙工房 潮紙」の塚原さんです!和紙に、こんなに奥深~い話があるとは!塚原さんの話術にみんな惹きこまれる!工房では見学・体験もできるそうです。


きんとんのような物体が和紙の原料です!今日は、せんだい農業園芸センターのヨシの繊維を混ぜ込んだ特別製だよ~~!


そして、和紙作りに大事なもう一つの材料がこちら。このトロトロの糊状のもの。実はトロロアオイという植物からとれるんです。植物の繊維とこの糊液を水の中で混ぜて、準備が整います。


すくってゆすって~…


模様をのせて~…


最後に、もう一度うっすらと液をかけてできあがり!!
春も近いしことだし、ここ農業園芸センターにある梅園にちなんで、梅模様をあしらいました。なお、梅園には約60種類の梅があり、3月に見頃を迎えます♪


この素敵なランプシェードは、東北工業大学の森田くんが作ってくれた、ヨシ紙を使ったランプシェード!ヨシを混ぜ込んだことによって生まれた独特の風合いをうまくいかした素敵な作品!うちに欲しいな…。


和紙づくりの隣では、「オギ」を使ったものづくり!!講師は市民の図工室、FabLab SENDAIの小野寺志乃さんです。穂先を生かして、オギのホウキ作りをしますよ~♪


20本くらいで、デスク周りを掃除するホウキサイズ。みんな、使いたい用途にあわせて、自由なサイズ・形で作ってみてね~


外側は少し土ぼこりで汚れているので、皮を一枚ペロッと剥いてきれいに☆皮をぺろんと剥くのも、だんだん楽しくなってくるよ


みんなもくもくとホウキ作り。

より丈夫に、そしておしゃれにするために、編み込みをしている方もいました!
こうやって自然のものを上手に使って、暮らしに役立てていくのって素敵なことだと思いませんか?


最後に穂先をきれいに整えて~


じゃじゃ~~ん、完成!!
同じ材料を使っているのに、みんな全然違う!個性あふれるホウキが沢山できました♪


午前のヨシ刈り作業も、午後のものづくりも、あちらこちらで小さな輪ができて、新しい交流もたくさん生まれたみたい!


午前も午後も、盛り沢山な一日でしたが、いかがでしたか?
生きもの達が安心して暮らしていける環境を守り育み、そして自然の恵みを取り入れた豊かな暮らしはとても素敵だと思います。こうした体験ができる活動に、是非
みんなも参加してみて下さいね♪♪♪



参加者のみなさんの声を、少しだけご紹介

刈り取ったヨシなどを使ってやってみたいことは?

✿夏に向けてよしずを作りたい
✿すのこや、ござっぽいものを作ってみたい
✿ふね(ボート)を作ってみたい
✿すだれのコースター作り
✿小さい茅葺きの小屋を、ここに作ってみたい
✿今日作ったものより、もっと大きなほうき作り
✿パーティション(小型)を作って使う
✿草木染め
✿玄関にヨシのマットを敷きたいな
✿ストーブなどで使えるペレット作り

ヨシ刈りをしている時に気づいたり心に残った生きものについて教えて!

✿タヌキのためふん
✿ヨシ刈りにはコツがいることが分かった!
✿ヨシだけだと思ったら、似た別の植物やつる性の植物を見つけた
✿水面のカモはどうして同じ方向をむいているのかな
✿水鳥がたくさん!!
✿鳥の巣を発見して、巣に混ざっているビニールひもの存在が気になった
✿ヨシを刈る前は「どこに鳥がいるの?」と思ったけれど、刈ってみると、カモの群れが見えた!!
✿オオヨシキリの巣。思っていたより小さくて頑丈でびっくりした
✿ミサゴがかなり低くまで下りてきて驚いた
✿沼にいる鳥達が空に飛び立っていく姿がきれいでとても心に残った!
✿モグラ?の痕跡
✿ヨシが想像以上に硬くて大変だった
✿ヨシを刈るときの感触
✿身近なところにたくさんの自然があった
✿人が関わり続けて守っていく自然も大事

心に残ったことは?

✿ヨシ刈りはみんなでやれば楽しい
✿和紙すき体験が職人になった気がして楽しかった
✿単に「日本の古い文化」としてしか今までとらえてなかった紙すきがとても奥深く「現在、将来(1200年後にも)通用するすばらしい文化」だと実感
✿ヨシ刈りの重要性/資源利用と環境保全の両立をうまく効果的に説明してくれて分かりやすかった
✿ヨシ刈りの文化を残すため経験者の方に来ていただいたのが良かった
✿昔使われていた貴重な萱場が今は使われていないこと。何か利用できるのでは?

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