今日のFacebookの話題から。その他の本と。

時々書評も載せては?なんて書きましたが、今日はいきなり2本分ありますので、手っ取り早く進めましょう。だけどいつもの写真が全然なくてご免なさい。

——–生物多様性について
今日のYahoo!Newsにありました話題をFacebookで掘り下げた件ですが、毎日新聞のヘッドラインから
シカ食害:阿部知事「オオカミ導入困難」 /長野

参考書籍/捕食者なき世界 ウィリアム ソウルゼンバーグ

オオカミが絶滅して、残された環境に何が起きたか?
これは食物連鎖の最上位にいる生物を、意図的に排除したらどうなるだろうという興味深い実験が紹介されています。
磯にある潮溜まりから、海藻を食べるフジツボに似た貝の捕食者であるヒトデだけを人為的に潮溜まりの外にポイポイ捨てた実験です。
するとフジツボは、食べ物に恵まれた安泰した暮らしを送ったかというと、食環境が完全に崩れるまで異常増殖し、海藻が食べ尽くされると飢餓のために死滅し、後には何も生えない死の池が残ったのです。

では、これが陸地での最上位捕食者であったオオカミを取り除いたイエローストーン国立公園ではどうなったか?オオカミは家畜を襲う害獣として20世紀中頃までに完全に駆逐されたのですが、直後からヒトデの例と同じようにシカによる食害が始まった。(ここは日本と同じ)のみならず、シカは補食される危険性が無いと安心し、オオカミに襲われる危険性から今まで立ち入りを控えていたハイリスクな地域「水源地」に常在するようになった。するとシカの群れは川辺や水源地の植生を完全に破壊し尽くすまで食べ、結果的に地表の植物を失った大地は降雨に耐えきれずに表土の大量流出へと繋がり、石の剥き出しになった川辺には保水力がなくなったため、川も簡単に氾濫するようになり、地形すらも変わってしまった。

つまり、オオカミが生息することで得られるもっとも大きなメリットは、大型の草食動物を恐怖でコントロールすることにあるのです。
同じように人間がシカをハンティングすればいいという考えもありますが、人間の場合はシカが現れるまで何日でも水辺で待ち続けることはしません。捕獲した頭数を合わせるために、牙よりは遥かに効率の良い武器を持って山に向かうでしょう。これではまったく意味がありません。

上記の本にはダム建設で孤立した島で、食物連鎖の最上位に立ってしまった「猿」の運命など、今日のニュースを理解するために必要なキーワードにあふれています。とても読みやすいので、おススメですよ。

——–これはほとんどサバイバル。そして、どちらかというと小説に近い一冊

吉村昭/漂流

江戸時代、天明年間に土佐の船乗りが大シケにあい、船が破壊されたまま黒潮に乗って鳥島まで流れ着く。
鳥島は火山島なので水はなく、食料もほとんど無い中で滞留最長の主人公は、実に12年も生き延びて、その間に後から流れ着いた15名の船員と季節ごとに打ちあげられる廃船の部品を使って。辛くも八丈島まで戻ってくる物語です。
といっても一般人には文字が普及して無い時代なので、元になったのは奉行所などに残されていた資料だけ。それを吉村昭が繋いでひとつ物語に仕上げています。
漂流ものでは南極探検で海氷に閉ざされ船を失っても全員が生還したシャクルトンの伝記もかなり面白いですが、いやいや日本にもこんな物語があったか!といった感じです。
そして、千石船がなぜに嵐に弱かったのか?など、歴史もひも解くところがありますので、船の構造も理解できていると2倍楽しい本ですね。
この本は図書館の閉架書架にあるので、端末でオーダーすると倉庫から出してもらえます。

ということで、環境に関係のある本と、ちょっとお関係なさそうな本の2冊でした。
明日はたまきさんサイトの応援してくださる方を新たに見つけた(ようなので)、挨拶に行ってきます。たぶん報告もできると思いますので、お楽しみに!

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