発酵シリーズ第二弾「佐藤麹味噌醤油店」です。

いつのまにか名前が決まった「発酵シリーズ」お酒に続いて本日お邪魔しますのは、佐藤麹味噌醤油店さん。やはりお味噌と言ったらスローフードの原点。特に日本人は大豆を味噌にする、醤油にする、そして豆腐にしますよね。
「冷奴に醤油をつるっとかけて、日本酒のお供にペロッとね」
「あんた、大豆に大豆をかけて呑んでるよ」
確かにです。では、身近な存在だけど最近ではチョット疎遠になってしまったお味噌の話を聞いてみましょう。




お話しをうかがいますのは、代表の佐藤光政さん。
「ウチは、味噌を作ってもう410年。創業したのは1603年で、場所もここではなく、元はあおば通りのNTTさんがありますよね。あの側です」


これがその創業410年を記念して贈られた盾です。
知ってます?世界には創業200年以上の企業が5500社あまりあり、その半分以上の3000社が日本にある。でも〜佐藤麹味噌醤油店さんは創業410年とは。。。。ビックリです。



元は街中にあった味噌屋でしたが、伊達政宗が今の若林区古城に隠居で移る際に、市内にあった麹屋をまとめてここ、荒町に移させたんです。
もともと伊達政宗は美食家だったですからね。青葉城と居城の往復の道すがらに、好みの麹の商家を揃えたかったのでしょう。かつてはこの界隈でも60軒もの麹屋がありました。


政宗は、荒町に麹屋を集めましたが、店同士は競わせなかったんです。店ごとに味噌を売る地区を決めて、他所の地区の人が買いにくると他の店に行くように勧めた。ウチは六郷と七郷が担当だったんです。
ですがやはり、味噌も時代の波に逆らえず、家庭では簡単に作れる料理に軸足が移ってしまい、今ではウチ一軒のみが残っています。


ただ、スーパーで売っている味噌は、やはり原材料から違う。丁寧に材料から選んで作ると、どうしても値段が高くなってしまう。だけど「そこが良い」と、逆に量り売りで買っていってくれる人が今でも界隈にいる。大豆は外国のものでも作りますが、国産のものも当然作ります。味噌は大豆と米と塩から作りますが、本当のうちの麹の文字は「麴」を使います。麦に米なんですね。



ちなみに写真は、昔の量り売りしていた頃の樽です。この樽も、壊れるともう直せないのだとか。
樽を作っている木は直せるけど、箍(タガ)が直せない。たるんでる人の「たがが緩む」は、このタガを差します。


味噌を作り出す麹は、大豆のたんぱく質を酵素(プロテアーゼ)を使って分解してアミノ酸に変えます。このアミノ酸が医学の面からも認められるほど体にいい。
特に仙台味噌は、大豆1に麹0.8の割合で時間をかけて作るから、アミノ酸が豊富なんです。味噌って最初に麹と混ぜた時は白い色をしているんですよ。それが漬け込んで3ヶ月もする頃から、だんだん色がついてくる。麹が生きているからなんですね。
お味噌は元が同じ味噌のはずなのに、買って帰って家に置いておくと、それぞれ味が変わるそうです。その家その家で、家に住んでいる菌が違っているから、麹が生きている味噌はどんどん味が変わっていきます。手前味噌なんて言葉も、今は「自分の話をするとき」なんかに使われますが、もともとは家によって味が変わる味噌から来ているんですね。

ちなみに、美味しくて一番簡単な味噌の味わい方知ってます?
味噌をお椀に入れて、お湯で溶かしてあげる。これが一番味噌の味が解る。
風邪をひいた時なんかも、昔は「ネギと梅干し」を味噌に溶いて、アツアツを呑んだりしましたでしょう。味噌は滋養があって、体を温めるものなんです。
ファーストフードは体を冷やす。スローフードは温かくするから免疫力も強くなるんです。

こんなお話しを聞きながら店の片隅で「発芽玄米味噌なんてある。美味しそうだなぁ〜。」なんて写真を撮ってましたら。
「あ。これって解ります?」


団扇ではないですか。何故に団扇なんだろう?
「味噌屋は暑い夏場は基本的にヒマなんです。なので合間の手仕事で団扇を作った。昔は火をおこすにも涼むにも、なんに付けても団扇は必需品だった。これは柿渋を塗って強くした昔ながらの団扇なんです」


面白い話ですね〜。そういえば夏繋がりで、麹と言えば甘酒は昔は夏の飲物ですよね。
「はい。俳句でも甘酒は季語では夏になる。麹が酵素のアミラーゼを作って米のでんぷんを分解するから、糖とアミノ酸がたっぷり入っています。昔は夏バテ防止用の滋養の飲物だったんです」


え?
アミノ酸に糖分って言ったら、チョット前ならファイト一発!今ならRED BULLですね。
「そちらの看板、読めます?〈名代 阿満さけ〉って書いてあります。麹屋は甘酒も作りますから、お正月の初詣にも提供して喜ばれてますよ」


仙台味噌って、僕はあんまり知らなかったんですが、日本橋浜町生まれの父は知ってましたね。
「仙台って言ったら仙台味噌だろ。信州の白みそに関東の赤みそ。特に東北の仙台味噌はうまい」
ちなみに母は信州人なので、僕んちはどっちも食卓に並んだ。白みそは大豆に対して5〜6倍もの麹を使うので、風味に関しては断然仙台味噌の方が深いのだそうです。


お話しを聞いてると、佐藤さんのお味噌が食べたくなってくる。じゃ、1キロほどお願いします。
「1キロだと外国の大豆で作ったものが660円ぐらい。国産は1000円ぐらい。どうします?」
そうですね〜。お味噌って、毎日食べるものだけど、毎日買うものじゃないじゃないですか?だったら、こういうところにプチ贅沢って気持がいいんですよ。暮らしのグレードアップ。レベルが上がるってことですね。
じゃ、国産の・・・あ。甘味噌を担当さんに先とられちゃった。じゃ、僕は辛味噌下さい。

でも、こうやって桶から掬って詰めてもらうのって良いですね〜。
今の世の中、世知辛い。でも、ちょっと足を止めて知らない世界をゆっくり試してみるのもいいものですね。
発酵シリーズはまだまだ続く。

本日の取材先 ————–
佐藤麹味噌醤油店
仙台市若林区荒町27 連絡先/022-222-4712

地図はこちらからどうぞ>>佐藤麹味噌醤油店

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