日別アーカイブ: 2013年2月7日

『フォーラム 広瀬川の魅力づくりと市民活動』せんだいメディアテークにて、参加してきました。

メディアテークのシアター

今日は少々あらたまりまして、せんだいメディアテークの7階シアターに『フォーラム 広瀬川の魅力づくりと市民活動』の様子を取材させてもらいにきました。
広瀬川と言えば、たまきさんサイトではサケの育成と放流に関して度々取り上げてきましたが、実際には川に関わるさらに多くの方が活動されているということで、この機会にと参加です。


フォーラムのタイトル

フォーラムと名前がつくとおり、この企画はスタジオシアターを利用した、プレゼンテーションと、シアターでの発表の後、一階のカフェにて交流会もあったのですが。。。ちょっと今回はそちらはパス。
ということで、シアターでのプレゼンテーションの紹介をしますね。


広瀬川市民会議 工藤会長

まずは広瀬川市民会議 会長の工藤さんから、開会のご挨拶です。
お話しの中にあった言葉から〜震災後に、テレビで見かけた映像から心にのこったものを二編紹介されています。
小学生の言葉から 「人間って、自然に生かされている。」
そして、被災した漁師の言葉 「やっぱ海が好きだ。自分が生きるのは海だ。」
「これらは心の原点である。便利で自然を顧みない暮らしをえてして選んでしまう私たちは、このフォーラムを通して、自然の大切さと活動状況を共有できたらと思う。」とのことでした。



では、フォーラムのレポートスタートです。
パネラーも5名もいるので、少々駆け足になりますがご容赦を。



山形県 鮭川村村長 元木

それでは第一部。「サケをいかした取組み」のタイトルでお二方の登場です。

最初のプレゼンターは山形県鮭川村 村長の元木洋介氏「資源を活用した村づくり」です。


鮭川村の位置

鮭川村は山形県の北部に位置しており、よく山形県は人の顔に例えられるのですが、ちょうど眉のあたりにあります。
面積は県内では小さいほうに属しており、48キロにも及ぶ1級河川の鮭川が流れています。
こちらの川は清流度では東北でベスト3に入るほどだとか。人口は4880名(23年末)ですが、かつては冬期の産業がなく、村民の多くは出稼ぎに頼った暮らしをおくっていたそうです。


きのこ栽培も特産

そこで、地域で産業を興そうと、きのこの栽培から始めバラや生花の栽培、徐々に生産する品目を増やした結果、地域の主要産業のひとつへと成長したそうです。
そこでキーワード。「ナンバーワンよりオンリーワンを目標に」
地域の資源を活かして、他の地域では真似できない特産を作ることが、地域を活性化させる秘訣とのことです。


広瀬川サケプロジェクト 菅原さん

続いて広瀬川サケプロジェクトの菅原正徳さんのプレゼンテーション「広瀬川におけるサケの現状と課題」です。
菅原さんは広瀬川1万人プロジェクトの事務局をされており、稚サケの育成と放流をとおして環境教育を行うプロジェクトを担当しており、昨年は32の学校で講座を開催したそうです。


各所で育てられるサケ

サケの育成水槽は市役所ロビーや荒町市民センターにもありますね。他にも企業や団体、個人の家庭にも置いてもらっているそうです。
特に企業からはこのプロジェクトに協賛金も出してもらっているそうで、自立した活動を目指しています。


サケの産卵の映像も

こちらは菅原さんが川で撮影してきたサケの産卵の準備をしている様子です。川底にヒレを使って穴を掘っているところです。産卵間近のサケは縄張り意識が大変に強く、近づいてきたサケを激しく噛み付いて追い払う様子なども記録されていました。


こちら、確認できた産卵場所

スクリーンに映るマップは、実際に広瀬川でサケの産卵が確認できた場所をプロットしたものです。
名取川との分岐から牛越橋のあたりまで、5〜6キロの範囲に点々とマークが付いています。
これらサケの産卵場所も、去年の夏からの渇水と、冬の雨のために大変に荒れているのだとか。。。特に冬の雨は雪を溶かし、流れ出た泥によって卵が埋まって酸欠となる事態が発生しているので、今年は要注意のようです。


広瀬川の清流を守る会 日下さん

ここからは第二部「広瀬川の魅力づくり」の始まりです。
NPO広瀬川の清流を守る会から、代表理事の日下均さんのお話しです。
広瀬川の清流を守る会の皆さんは、主に広瀬橋の上流域を活動拠点にされ、LOVEリバーを合い言葉に毎年10回程度の川の清掃活動を行っているそうです。


清掃活動の様子

川の清掃を行いながら、川の観察もされているとか。活動を始められた頃は広瀬川にも多くのゴミが落ちていましたが、清掃が行き届いた川には市民の愛着もわくせいか、最近ではゴミ掃除よりも、ゴミ探しと表現したほうが良いほどゴミが減っているそうです。
特に仙台は、大きな都市のすぐ側に全国に名の通った清流が流れています。水文化が育まれ「川と街の結節点」となればと、清掃に励んでいるそうです。


政宗さんの川狩り

こちらの写真は、川に親しんでもらおうと開催しているイベント「政宗さんの川狩り」の様子です。
郡山近辺のじゃぶじゃぶ池に鮎を放し、子供達に手づかみでとってもらい、炭火で焼いて美味しくいただくイベントだそうです。
これは政宗さんが鮎が大好物で、県内各地に出向く際にも、出かけた先の鮎を楽しみにしていたことに由来したものです。
そして政宗が作った仙台の街。この街を流れる宝である広瀬川を、将来へ残したいというのが、日下さんの願いです。


水・環境ネット東北 芦野理事

続いてNPO水・環境ネット東北理事 芦野理事「川づくりとCSR」
と、ここまで紹介された写真も込みで記事にしてきましたが、芦野さんはパワーポイントが得意ではないということで。。。ほとんどが口頭によるお話しでした。なので写真は無いですけど、大事なのは中味でしょう。


CSR

CSR Corporate Social Responsibility の頭文字ですね。
お話しの重点となっていたのは、企業活動と社会貢献のあり方についてです。
「大きな会社」には、社会的責任と地域との繋がりから様々な社会貢献活動がありますが、中小の企業には、あまりそのような活動が見られない。特に小さな会社では社会貢献などの活動はボランティアと混同しがちで、人員に余裕のない小さな組織ではそこまで手が廻らないと考えがちである。
ですがCSR=企業の社会的責任とは、企業が地域に存在する限りは、地域の一員として意識しなければいけない地域との繋がりもあるはずだ。それを見出しにくいようであったら、是非ともNPOを活用して欲しい。NPOには何をしたいか?ノウハウと目標を持った人が多くおり、逆に企業には資金があります。寄附による環境講座なども開催できるので、是非とも地域に入って欲しいとのことでした。

そこで面白い話。
合併式浄化槽は、下水整備前には沢山普及しましたが、下水が通ると埋められるケースが多いそうです。
ところが、浄化槽の内部で配管を下水に繋いだあと、本来なら埋められる浄化槽を洗浄すると雨水タンクとして利用することができるとのこと。この掃除などのノウハウも、やはり企業には技術があり、雨水タンクを推し進める団体もある。これらが結びつくのも社会貢献のひとつになるのではないでしょうか?


NPO法人広瀬川ボートくらぶ 鈴木さん

そして一番最後はNPO法人広瀬川ボートくらぶ 鈴木徹郎さん「貸しボート再開の経緯と運営状況」です。
このお話しには、僕の長いこと持っていた疑問の答えがありました。
宮沢橋の横、河川敷にキャンピングカーが停まってボートを貸し出していますよね。僕には「なんなのだろう?」って不思議に思っていたんです。


広瀬川に浮かぶボート

もともと広瀬川には昭和の頃からボートを貸して生計を立てていた人がいたそうです。ただ。。。それは河川の占有になるので、商売をされていた方の一代だけの許可だったそうで、その方が廃業されてからは貸しボートは無くなってしまったそうです。ちょうど平成になったかその頃の話だそうです。
ところが河川法が改正され、水面の利用にも可能性がでてきた。そして昔の光景を懐かしむ人達も、ボートの復活を願い、知人友人が集い、河原町商店街も腰を上げて関係各所に相談に行き、とうとう平成21年に貸しボート事業が復活したとのことです。

当初は河原にボートを置いておいて、いたづらなどが起きないものかと心配の声もあったそうですが、いままで4年間の間に一度もなかったとか。
震災の2011年も気持の沈んでいる仙台に、明るい話題が提供できればと、少し遅めのスタートでしたが貸しボートは継続したそうです。地域の活性化に役に立てばと始めた事業も、運営はなかなか苦しいらしいのですが、無事に事故もなく継続できたとのことでした。


なんだか忙しかった今回のレポートでしたが、一番最後に貸しボートなんてノスタルジックな話題でシンミリしましたね。
僕は仙台にやってきた当初に名取川から澱橋の先まで川の中を写真を撮って歩くなんて仕事をしまして「巨大な都市の脇に、なんて豊かで綺麗な自然があるんだ!」と、心底驚いたことがありました。あれから15年以上が経つ訳です。この街の住人になって、街のことを知る度に、どんどんと仙台が身近になってきています。
普段はなかなか踏み入れない広瀬川も、フォーラムを切っ掛けに、またもう少し良く見て、歩いてみようかなと。。。思わせる一日でした。

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