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落語から環境問題を考える! たまきさんサロンかんきょう寄席 【サロン講座】

たまきさんサロンスタッフです。

6月17日(日)に、東北弁で落語を語る東方落語プロジェクトの今野家がめらさんを講師にお迎えして、【サロン講座】 「落語から環境問題を考える!たまきさんサロンかんきょう寄席」を、東北大学大学院環境科学研究棟の大講義室にて開催しました。

「落語で環境を考える講座」は、今回で三回目となります。毎回、幅広い年代の方々からの参加申込みがあり、当サロンでは恒例の人気講座となっています。

 

 

 

 

 

今回の演目は

・「金明竹(上)」(きんめいちく)

・「真田小僧」(さなだこぞう)

・「老婆の休日」(ろうばのきゅうじつ)

・「ろくろ首」

・「かすがい」

となっております。では、早速開演です。

まくらは、落語で夏の噺が少ないのは暑いからという話題から。「梅雨」という言葉の由来を教えてもらいました。元々は、カビと雨で「黴雨(ばいう)」と書いたそうです。

 

 

・「金明竹(上段)」

 

 

 

 

 

最初の噺は、店番をすることになった骨董屋の小僧の滑稽噺。店主は小僧の与太郎に貸し借りの断り方をあれこれ教え込むのですが・・・お客とのやりとりをする与太郎のズレた言いぐさが爆笑を巻き起こします。今回は、この落語の前半部を聞かせてもらいました。ちなみに後半は上方からやって来た使いの男に、難解な物の名前を業界用語と早口の関西弁でまくしたてられ、小僧とおかみさんはまったく理解できず混乱していくという噺です。題目の「金明竹」は、京都産の孟宗竹の一種で、難解な物の名が語られる時に出てきます。

 

・「真田小僧」

 

 

 

 

 

頭のいい息子が母親と見知らぬ男との不倫を臭わせ、気をもたせながら巧妙に父親から小遣いをせびり取る仕方噺(しかたばなし)ですが、父親の戸惑いと混乱の可笑しさが、「あんまさん」のオチまで聴衆を飽きさせません。題目の「真田小僧」というのは、この噺のつづきで「それにひきかえ、真田幸村の子どもの頃は・・・」というところから付けられています。

 

・「老婆の休日」 作:桂文珍

暇を持て余した元気なおばあちゃんたちの病院でのとぼけたやりとりを、名作映画「ローマの休日」にかけて創作された落語です。

 

 

指で頭を押さえても痛い、腰を押さえても痛い、体中どこもかしこも痛い。先生に診てもらったら、「痛いのは指の骨が折れているから」。元気だからこそ病院まで出かけて来られると平気で言うおばあちゃん。若い先生が「舌、出して」と言うと、先生をからかって下半身(?)を出してしまうおばあちゃん。愛すべき元気なお年寄りたちの病院でのひとこまが、笑いの内に語られます。

 

ここで、中入りです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後半は、おなじみの怪談噺から始まります。

 

・「ろくろ首」

 

 

 

 

 

夏と言えば、怪談。今年25歳になる銀ちゃんは、働きもせず母親と二人暮らし。兄貴は嫁をもらって毎日楽しそう。「俺もお嫁さんが欲しい」とおじさんに泣きつく銀ちゃん。そこでおじさんは婿養子の話しを持ちかけます。器量よしで気立てもよく、その上お屋敷住まいのお嬢さんがいるんだが・・・そんなうまい話は怪しいと銀ちゃんが言うと、おじさんは「このお嬢さん、ちょっと首が長い」という。「夜中になると、首が伸びる」という。しぶる銀ちゃんに、おかみさんは「首が伸びるくらい何でもない。あんたの方こそよっぽど問題だらけだ」と言って説得してしまう。早速、銀ちゃんはお屋敷に出向いて行くのだったが・・・この落語のサゲは「お前の母親も、うまくまとまってくれればと、首を長くして待っているんだから」「えっ! おふくろまで首を長くしている?! それじゃあ、家にも帰れない」

 

 

 

 

 

 

・「かすがい(下段)」

 

 

 

 

 

夏の名物と言われる「鰻」ですが、もともとの旬は冬なのだそうです。有名な平賀源内という人が、夏に売れない鰻のために「土用の丑の日には、滋養強壮のために鰻を食べましょう!」と宣伝したのがはじまりとか。離縁した家族が鰻屋で再会するシーンが出てくる人情噺で最後は締めくくりました。

腕はいいが、酒好き、遊び好きで三年前に妻子と離縁した大工。そんな男が、今ではすっかり心を入れ替えてまじめに働いています。偶然、息子と再会した男が子を不憫に思い、小遣いを与え、鰻をごちそうすると約束するところから始まります。息子は、内緒でもらった小遣いを母親に見とがめられてしまう。母親はお金の出所を何とか白状させようと、「玄翁(げんのう)」まで振り上げて見せる。たまらず、息子は父親からもらったと白状してしまうのでした。翌日、鰻屋で三人は顔を合わせ、夫婦親子のよりを戻すことになるのですが、「つくづく子どもは夫婦の鎹(かすがい)だと思う」と言うと、息子は「どうりで、きのう母ちゃんは玄翁で頭を打とうとした」と一言。こういうサゲで噺は終わります。

ちなみに「玄翁(げんのう)」とは、大工さんが使う金槌のこと。「鎹(かすがい)」とは、家の柱など二本の材木をつなぎとめるための、両端がコの字形に曲がった大きな釘のこと。・・・なのですが、最近ではこれらの名称について説明しないと何だかわからないという人が増えて来たらしく、落語もうまくオチがつかず困っているということでした。

 

落語好きの方にはおなじみの演目でしたが、これらの噺をがめらさんの東北弁の台詞を通して聴いてみると、またひと味違った趣きで楽しめるものだと感じました。

 

 

四季の違いによる衣食住や風物の変化など、我々をとりまく「環境」というのは今も昔も暮らしと密接に結びついています。主に庶民の暮らしのあれこれが語られる落語という日本の伝統話芸を通して、楽しみながら「環境」について考えてみるサロン講座は、いかがだったでしょうか?

 

今野家がめらさん、参加者の皆さん、ありがとうございました。

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せんだい環境学習館 たまきさんサロン

平 日 10:00~20:30

土日祝 10:00~17:00

休館日 月曜(月曜が休日の場合は、その翌日)祝日の翌日・年末年始

※8月26日(日)は設備点検のため臨時休館いたします。

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この音、知ってる?生きものの音をつかまえよう【サロン講座】

たまきさんサロンスタッフです。

6月9日(土)のたまきさんサロン講座は、「この音、知ってる?生きものの音をつかまえよう」と題し、福島大学 共生システム理工学類 永幡幸司准教授、わぉ!わぉ!生物多様性プロジェクトの勝田淳二さん(ソニーグローバルマニュファクチャリング&オペレーションズ(株))、大野正人さん((公財)日本自然保護協会)を講師にお迎えし開催しました。

本講座は、毎日の暮らしの中に彩りを与えてくれる、多様な生きものを身近に感じながら暮らしていく楽しみを伝える仙台市環境局の取り組み「生物多様性保全推進事業~せんだい生きもの交響曲~」と、生物多様性を守るには多くの人が自然を好きになることが大切、その思いからソニー株式会社と日本自然保護協会が共同で立ち上げた「わぉ!わぉ!生物多様性プロジェクト」との共催です。

まずは、ソニーの勝田さんより生きものの音をつかまえるICレコーダーの使い方を教わりました。

音はどうやって伝わるか知っていますか?

空気の振動で音の波ができ耳の鼓膜が揺れることで音を聞いています。

ICレコーダーは、音の波によってふれた空気を振動板が受けることで発生した電気が音の信号になり録音できるのです。

ICレコーダーのマイクの角度を変えると録音できる音の範囲が変わることや、録音レベルの調節の仕方や後でお気に入りの音を探しやすくするためのトラックマークの付け方を教わりました。

さぁ!いよいよ!たまきさんサロンを飛び出して生きものの音を聞く練習をします!

日本自然保護協会の大野さんから耳を澄まして自然の音を感じるコツを教わりました。

 

ペットボトルと壊れたビニール傘のビニールで手作りした集音器を耳に当てると遠くの音も聞こえました。

何の音が聞こえる?と聞くと「風の声」と答える参加者もいました!

 

 

徐々にいろんな音が聞こえるようになってきたので、画用紙の真ん中に自分が立っているとしたらどの方向からどんな音が聞こえたかを図形や文字で描くネイチャーゲームをしました。

 

 

 

キジやウグイスの鳥の声のほかにもヘリコプターやバイクが通り過ぎる音も聞こえました。

今日だけの音風景です。

 

 

 

それぞれが聞こえた音のイラストを参加者同士で見せ合いっこしました!

 

 

 

 

だんだん耳も慣れてきたので、それぞれ音を探しに出発です!

80個以上の音をつかまえた方もいらっしゃいました!

 

 

 

マイクの位置を変えたり、生きものに近づけてみたりICレコーダーを上手に使っていましたよ。

 

 

 

 

つかまえた音を聞きなおして、他の参加者のみなさんに聞いてほしい音を一つ選びます。

どんな音をつかまえたのかな?

 

 

 

4つの班に分かれて、それぞれの音を聞きながら班の中で、わぉ!と驚くような生きものの音を一つ選びました。

 

 

班の代表の音をみんなで共有しましたよ!

 

「クマバチの羽音」や「マメ科ソラマメ属のカラスノエンドウのさやがはじける音」、「帽子に止まったチョウのようなトンボのような虫の羽音」「ミツバチの羽音」が紹介されました。

同じ蜂でも聞き比べてみるとクマバチは低音、ミツバチは高音でした。

 

カラスノエンドウのさやがはじける音は、車の往来の道路では気が付かない音だったかもしれません。

植物も生きものなんだということを再認識できました。

 

 

後半は、永幡先生に「いきものと 人が織りなす 初夏の音」と題し、仙台市の鳥“カッコウ”に着目した、生きものと音に関するレクチャーを受けました。

 

 

 

47年前(1971年)、健康都市宣言10周年の記念に市民投票で仙台市の花は「ハギ」、木は「ケヤキ」、虫は「スズムシ」、鳥は「カッコウ」が選ばれました。

渡り鳥である“カッコウ”は、夏の間しか仙台にいないにもかかわらず、当時、仙台駅前の待ち合わせ場所として使われていた時計にカッコウを用いたり、初夏を告げる鳴き声がよく聞こえていたことから身近な鳥だったことが分かります。

では最近、日常の生活の中でカッコウの鳴き声を聞いたことはありますか?

1990年から2014年までの青葉山のカッコウに関する文献6冊を読み解くと、2001年の調査までは鳴き声が聞こえていましたが、2005年以降からは記録されていませんでした。

 

世界的にもカッコウの数が減ってきているので原因は解明されていませんが、都市開発によりカッコウが好む環境の減少や、托卵するオオヨシキリが巣を作る葦原が減少したことにより、カッコウの減少につながっているのではないかという見解もあります。

カッコウが青葉山に戻ってくるような環境になってほしいと、永幡先生は願っています。

仙台市内では、泉ヶ岳、名取川周辺、井土地区でカッコウの鳴き声が録音されています。

カッコウのいる音風景を聞き比べてみると住む環境によって鳴き声が変わることが分かります。

泉ヶ岳のカッコウは、低い声(周波数)、車の往来が多い名取川周辺や工事やトラックの往来の多い井戸地区で録音されたカッコウは、高い声(周波数)で鳴いています。

高い声で鳴くのは、雑音にかき消されないようにするためと考えられています。

 

実際に井土地区で録音された音風景には海の波音も聞こえますが、工事の重機の音も入っていました。

「目開ければ海 目つむれば 閑古鳥(カッコウ)」 飯田龍太

波音を背景にカッコウの鳴き声を聞いているという情景が目に浮かぶ俳句です。

先生は東日本大震災の津波で防風林がほとんど流された仙台市荒浜にお住まいだった方々から、震災前は田植えの頃になるとオオヨシキリやカッコウの鳴き声が聞こえてきたと教えていただいたそうです。

俳句に詠まれているということは、その時代のその時期にその生きものが生息していた証拠となります。

仙台市内で生きものの声を伝える素敵な句が生まれる場所をどれだけ増やせるのだろうか、と永幡先生は問います。

音を録音し、残すということは写真では残せない、姿を現さない生きものやたくさんの種類の生きものが同じ場所にいることを記録できるのです。

レクチャーのタイトルの「いきものと 人が織りなす 初夏の音」には、カッコウに彩られた初夏の音風景一つをとっても、カッコウさえいれば成り立つのではなく、カッコウとほかの生きものたちと人々との関係があって初めて持続可能なものになる。という意味が込められていました。

講座終了間際に、参加者が外で捕まえてきた謎のチョウのようなトンボのような虫の正体がわかりました。

草原性の昆虫キバネツノトンボです。

 

 

耳を澄ませることで感じる生きものの音を再確認し、お子さんも大人も発見と感動がたくさんの講座となりました。

永幡先生、勝田さん、大野さん、参加者のみなさま、ありがとうございました。

 

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秋保の風土とワイン~地域を活かすものづくりの方法~【サロン講座】

たまきさんサロンスタッフです。

5月16日(水)のサロン講座は、株式会社仙台秋保醸造所 代表取締役の毛利親房さんをお迎えして、「秋保の風土とワイン~地域を活かすものづくりの方法~」を開催しました。

お酒が弱く、 「グラス2杯で具合が悪くなる」とおっしゃる毛利さんがワイナリーを始めるきっかけとは何だったのでしょうか。

 

 

2011年の東日本大震災当時、毛利さんは仙台市内の設計事務所に勤めていました。

震災前に 自らが設計を手掛けた温泉施設の被害状況を確認するために女川町を訪れた際、地元の生産者の方々や自治体職員と接し、風評被害の大きさを実感したそうです。そこで「宮城の食」を通じて復興支援をできないかと考えるようになり、そのひとつが宮城県内で一からワインを造ることでした。

県内産のワインを造ることで地元の担い手を増やし、宮城の食材を使用した料理とワインの組み合わせを提供することで、多くの人に県外から足を運んでもらう取り組みを自治体に提案しましたが、当時はどこの自治体も新産業を興すまでの余裕がありませんでした。そこで、自治体には頼らずに事業を実現化するため、毛利さんは2014年に設計事務所を退職し、ワイナリーを建設する道を選びました。

良質なブドウを栽培するには、土・水はけ・風通し・日当たりが必要です。この条件を満たした土地が、雑木林だった「秋保」でした。

のべ200名にも上るボランティアの協力のもと、開墾作業を行い、2015年12月に秋保ワイナリーがオープンしました。

ブドウは、一般的な農作物とは違い、栄養が多い土では枝ばかりが伸びてしまうため、適度にストレスをかけることが必要だそうです。

収穫の時期の9月は、秋雨前線が東北地方を南下するため雨が多く、イタリアのヴェローナ地区のブドウを陰干しする技術を取り入れて、メルローやマルヴァジーアなど16品種を栽培しているそうです。

また、環境に負担をかけない取組みとして、ワインを作る過程に出る“搾りかす”を食材への風味付けのほか、たい肥やバイオマス発電に使用したり、ブドウを育てる過程で出る“剪定した木の枝”を薪やたい肥としてリサイクルしています。

近年、日本で栽培されたブドウを用いて製造する国内ワインのブームにより、苗木が手に入りづらくなってきていることから、秋保ワイナリーでは苗を研究しながら生育などに関する情報を提供し、高品質のブドウ栽培とワインの生産、担い手育成を目指しています。

昨年は、秋保ワイナリーで醸造したリンゴのお酒“シードル”が世界5か国から50点以上が出品される品評会「第一回フジ・シードル・チャレンジ2017」の甘口部門で銀賞、辛口部門で銅賞を受賞しました。

 

 

宮城県のリンゴ生産量は全国9位でほとんど流通に出回りませんが、宮城のリンゴは木の上で熟してから収穫するため、シードルにとても適しているそうです。

震災直後の「食」を通した復興支援を提案した毛利さんは、ワインを通じて人と人、人と地域、地域と地域をつないできましたが、今後は秋保にとどまらず、宮城県内の生産者や工芸・芸術などの文化、商業・観光などの産業との新たな試みを始められようとしています。

震災を経験した東北だからこそ連携の意識が生まれてできたのが「テロワージュ東北」です。これは国内外から東北に訪れる人の趣味趣向に合わせた食、場所、方法などをAIシステムが提案するもので、東北6県から世界に発信するプロジェクトです。

フランス語で気候風土と人の営みの意味を持つ「テロワール」と、食とお酒のペアリングの意味を持つ「マリアージュ」を組み合わせて名付けられました。

毛利さんの取り組みはまだまだ続きます。

宮城県のワイン造り技術の底上げや担い手育成のための仕組みづくり、宮城県ワイン協会の設立、宮城県の自然を感じながらその土地の食材を味わうツアーやサイクルステーションの構想もあるそうです。

 

土地にあった製法、手法を取り入れながら、魅力を発掘し組み合わせていく多くの実践例を教えていただきました。

参加者からは「醸造だけではなく他産業とのつながりなど興味深い話が聞けて良かった」「柔軟な発想で新しい価値を見出し取り組んでいる姿が素晴らしい」といった感想をいただきました。

毛利さん、ご参加いただいた皆さまありがとうございました。

 

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乗り物を通してエネルギー問題を考える【サロン講座】

たまきさんサロンスタッフです。

4月21日(土)東北工業大学の齋藤輝文教授をお迎えして、「乗り物を通してエネルギー問題を考える」と題したサロン講座を開催し、パーソナル・トランスポータの試乗体験を通し、エネルギー問題について学びました。

 

再生可能エネルギーとは、絶えず資源が補充されて枯渇することのないエネルギーのことを言います。

 

 

 

地球上で化石燃料(石炭・石油等)を燃焼し作り出されるエネルギーは、全エネルギーのわずか0.007%にすぎないのに対し、太陽から地球に向けて放射されている光エネルギーは99.97%(約174PW)にも及びます。

つまり、太陽から放射される光エネルギーを利用しないことはとてももったいないことなのです。

 

ソーラーパネルは太陽から地球に放射される光エネルギーを電気エネルギーに変換します。

 

 

日本では、2012年7月の固定価格買取制度開始後、再生可能エネルギーの中でも太陽光発電が急速に伸びて、主力となっていますが、夜や曇り・雨のときは発電しない問題、部分影による大きな影響(現物を用いた実験も体験できました)などの課題もあります。したがって、他国のように風力や地熱などの割合を今後高めていくことが求められています。

国外の開発途上国などでは、太陽光を集めて高温にし、食物を加熱・調理するソーラー・クッカーというものも使われており、これは燃料の入手が困難な場所でも使用可能なたき火目的の森林伐採を防止することに役立っています。

 

講座後半に体験したパーソナル・トランスポータは、太陽光発電などの独立電源システムで充電することも出来、災害などが発生した際も使用が可能で、排気ガスを出さないというメリットもあります。

 

実際に試乗してみると、重心の移動で進む方向が決まり、コンピューター制御システムが自動的に倒れないようにしてくれます。

 

 

 

ほどよい速さの安定感のある乗り心地で、お子さんからご年配の方まで、スムーズに走らせることが出来ました。

 

 

 

今回の講座では、太陽光をエネルギーに変換して使用することは、環境にとてもやさしく、有限である資源を守ることに繋がるということを学びました。

 

 

齋藤先生、学生スタッフの皆さま、参加者の皆さま、ありがとうございました。

 

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私たちとつながる島国~地球温暖化最前線国・キリバス共和国から考えること~【サロン講座】

たまきさんサロンスタッフです。

4月7日(土)のサロン講座は、前キリバス共和国名誉領事・大使顧問、一般社団法人日本キリバス協会 代表理事のケンタロ・オノさんをお迎えして、「私たちとつながる島国~地球温暖化最前線国・キリバス共和国から考えること~」を開催しました。

キリバス共和国(以下、キリバス)の“テー・ベー”と呼ばれる布の腰巻姿で登壇したケンタロ・オノさんは、「今日、この場にいる方はラッキーです!」と、言いました。

その理由は…世界の人口72億人のうち、キリバス人はわずか11万人(2018年現在)のみで、キリバス人に会い、キリバス語を聞けること自体が貴重な体験なのです。

太平洋の真ん中にあるキリバスは、首都タラワのあるギルバート諸島のほか、ライン諸島・フェニックス諸島の海抜2mに満たない33のサンゴの島々からなる国です。

そんなキリバスのことをケンタロ・オノさんは、仙台市内の小学校に通う11歳の時にテレビ番組で知ったそうです。

それ以来、南の島が好きになり、中学卒業後の進路も留学の機会を求めて、英語科のある高校へ進学しました。多くの同級生はアメリカやイギリスへ留学に行くことが多かったそうですが、「自分はどこの国に行きたいのか」と考えるなか、キリバスへ留学したい思いが募ってきたそうです。

キリバスへどうやって行けばいいのか、ましてや留学する方法などもわからないなか、親に相談する前にキリバス領事館へ「キリバスへ留学することに決めました!なんとかしてください!!」と、思いを伝える手紙を出したそうです。

高校1年生のケンタロ・オノさんの思いは届き、たくさんの方の協力を受けてタラワの高校へ留学し、青春時代をキリバスで過ごしました。高校卒業後は貿易会社に勤務、2000年には独立し日本国籍者として初めてキリバスに帰化した日系人一世となり、現在はキリバス人としてキリバスの暮らしや現状を伝える活動をしています。

キリバスの人々は、とても環境にやさしい暮らしをしています。
生ごみは家で飼っている豚の餌にするためほとんど出ません。
引っ越しをするときは、屋根をみんなで支えて移動し建て替えます。
世界で2番目にCO2の排出量が低い国なのです。

 

キリバスでは、ココヤシを栽培し、ココナッツが採れますが、サンゴの島には土がなく野菜は育ちません。野菜は、輸入のため価格が高く、キャベツ1玉が日本円で約2,000円もするそうです。そのため、キリバスの食生活は、魚が中心です。

主な産業は漁業で、海の恵みを受け生活しています。

そんな環境にやさしい暮らしをしているキリバスの人々ですが、2050年には海水面の上昇により故郷を失うかもしれないという危機に直面しながら暮らしています。

海水温度の上昇によりサンゴが死に、海の生態系が変わり、今までは捕れていた魚が捕れず、毒をもつ魚も増えてきています。

赤道無台風地帯のため、風がほとんど吹かず、4月から10月は乾季、11月から3月は雨季で、年間の気温差がなく穏やかな赤道気候でしたが、穏やかだった赤道無台風地帯でも台風が発生するようになりました。海抜2mの島に嵐が襲いかかるということは、島全体が水に浸かり逃げ場がない状態になるということです。

半年あった雨季と乾季の期間もだんだん長くなり、1年毎になってきています。雨季に貯めた雨水は乾季に使いつくしてしまい、水不足になってしまうことが増えてきました。また、海水の浸水により、地下水の塩分も上がり、小さな子どもの死亡率も高くなっています。

ケンタロ・オノさんは言います。「温暖化の問題は、世界の国々でも議論がされ、CO2の排出量が多い先進国も調査研究などを行い対応していくことにされている。しかし、キリバスの人々にとっては、調査等の学問でも、ましてや政治的なものでもない、今まさに人の“いのちと故郷”が失われてしまう危機なのだ。」

キリバスと同じ島国の日本で暮らす我々が、キリバスの人々の故郷と私たちの故郷を守るために今すぐ出来ることは、電気やガスの使用を控える、買い物の際にレジ袋をもらわない、ごみを分別し量を減らす、物を長く使うなど…毎日の暮らしの中で自分が出来る小さなことの積み重ねだと感じました。

キリバスの現状を知り、「私にもあなたにも出来ることはもっとあるかもしれない」と、これからの生活を考えるきっかけとなる講座となりました。

ケンタロ・オノさん、ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。

 

 

―――ご案内―――

ケンタロ・オノさんの著書「キリバスという国」の売上の一部はキリバスの環境保全のために寄付されます。

 

 

 

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「狩猟と食~なぜ?鹿の駆除が必要になったのか~【サロン講座】」

たまきさんサロンスタッフです。

1月21日(日)のサロン講座は、「狩猟と食~なぜ?鹿の駆除が必要になったのか~」と題し牡鹿半島で「食」につなげる狩猟をしている、食猟師の小野寺望さんをお迎えし開催しました。

牡鹿半島では昭和40年代は猟師でさえ鹿の姿を見ることはほとんどありませんでしたが、平成10年代は餌となる草を求め住宅地まで姿を現し始め、民家の植木やお墓の花などを食べた跡もありました。

小野寺さんが狩猟を始めた平成10年は1グループで約65頭を駆除しました。当時では驚くほどの多い頭数でしたが、翌年は100頭を超え、その後も増える一方でした。

当時、メスジカ保護施策のためメスジカの捕獲は猟師一人1頭までと規制されていましたが、出生数が増加し駆除しても鹿の頭数が増加し続けたため、平成19年に規制が解除されました。

山に木を植えすぎたことにより、野生動物を雨、風、雪から守る森の環境も出生数の増加の理由になっていると考えられます。

また、鹿は森林を移動して他の地域の鹿と血縁関係をつくり、生息地の範囲を広げているようです。「猟で鹿を追い立てることも移動している理由の一つかもしれません」と、小野寺さんは言います。

参加者の中には狩猟免許を取得された方もおり、県南のイノシシによる農作物の被害の状況を教えていただきました。

「作物を荒らされないように張っている防御ネットは今まで破られたことはなかったが、今年は破って入ってくるようになった。どのように対処していったらいいか経験だけではわからなくなってきている。」

イノシシは鹿よりどう猛で、被害も大きくなってきています。小野寺さんもたまきさんサロンへ来る途中でイノシシの痕跡を見つけ、行動範囲が広がってきていることを実感したそうです。

小野寺さんが所属する 狩猟メンバーの中では、50歳はまだまだ若手だそうです。

狩猟期間は法律で定められており、宮城県は11月15日から2月15日までの3カ月間(平成29年度は、一部地域のニホンジカは3月15日まで、イノシシは3月31日まで)、狩猟期間内でも日没から日の出までの時間帯は銃を使った猟は禁止です。

小野寺さんが狩猟している地域では有害駆除は週3回行っているので会社勤めしていては務まりません。

20代から40代の狩猟家が増えてきていますが、今後はボランティアではなく猟を仕事として暮らしていけるようにならないと若い担い手が続けられず増えていかないのではないかと懸念されます。

小野寺さんは、駆除するだけではなく自然の恵みとして敬意を払って鹿肉を食材として扱うことも視野に入れ平成29年7月に鹿肉処理場をオープンさせました。

鹿肉をはじめて食べた人が「おいしくない」という印象を持つと市場が広がらないので今は料理人の方々に鹿肉の扱い方を教え、鹿肉をおいしく食べる環境を整えているところだそうです。

食猟師の小野寺さんならではの鹿肉のおいしい食べ方を教わりました。

「加熱しないほうが柔らかいが生で食べると寄生虫がいるためおなかをこわすので、火を通した、“たたき”や“しゃぶしゃぶ”、“フライ”にするのが良い。

 

鹿肉には甘酸っぱいソースが合うので、今の時期ならあんぽ柿とバターのソースを合わせるといいですよ。」

現在、鹿の天敵の野犬はいません。

鹿は逃げる途中で威嚇してくることはありますが、基本的には人を見て逃げていきます。

人の暮らしと鹿の共存には猟師の世代交代や森の環境を整えるなど、まだまだ課題が多くこれからも取り組みが必要なことを知ることができました。

本講座では、貴重な鹿の生き角(いきつの)を使ったキーホルダー作りの体験もしました。

生き角は生え変わる角とは違い、血液が通ったままの角なので、下茹でし髄液を取り除いています。

 

昔から魔よけや「落ちない」ということから水難防止のお守りとして海の上で作業する猟師さんへ贈られる習慣があるそうです。

紙やすりで磨き、金具をつける位置を決めて電動ドリルで穴を開けます。

出来上がった後は、ハンドクリームを練り込みツヤを出しました。

毎日、手で触り油分をしみ込ませることでツヤを保てるそうです。

鹿角のいろいろな形を生かしながら、思い思いに磨き、個性あふれるキーホルダーが出来上がりました。

最後に罠の実演をしていただきました。

 

 

小野寺望さん、ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。

 

 

 

 

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せんだい環境学習館 たまきさんサロン

平 日 10:00~20:30

土日祝 10:00~17:00

休館日 月曜(月曜が休日の場合は、その翌日)祝日の翌日・年末年始

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連続講座トレンチャー・グレゴリー先生の「環境科学がよく解かる、ディスカッション!」第一回

こんにちは!たまきさんサロンでは各方面から達人の先生に来てもらって、環境にまつわる講座を開いているのですが。。。なんと今回は先生の方から来てくださいました。
オーストラリアはメルボルン出身で、今は東北大学大学院環境科学研究科 准教授でいらっしゃるトレンチャー・グレゴリー先生がサロンを訪れた際、素敵なサロンがあるなら、是非とも環境のことを学び合う「参加者同士の対話形式による勉強会を開きませんか?」と提案してくださり、とうとう実現の運びとなりました。
はい。トレンチャー先生は、まさにいま書いたようにスラスラと日本語で会話をしてしまう、びっくり超〜天才な先生でして。では!レポート始めます。


さて。開催当日。
月曜日から降り続けた雪が、夕闇とともにキンキンと冷え込んでまして。。。なんか今年、天候が変ですよね。


はい。この寒さも、本日の講座の中で謎が完全に解明されます。でも頭にくる寒さだ!

参加者を待つ、会場です。
このぐるっと回る席の配置だけでも、一方通行の講座ではないとわかりますね。


登場です!トレンチャー・グレゴリー先生。
「寒く、お足元の悪い中をお越しいただきまして、ありがとうございます。
本日の内容は、少し重い内容になりますが、情熱を込めてみなさんにお伝えします。」


「居酒屋さんでの会話と違って専門性もあるので、とても難しいです」とおっしゃってますが、なんのなんの。素晴らしくわかりやすい日本語です。


先生は上智大学大学院と東京大学の大学院で文部科学省の奨学金をもらいながら勉強し、博士となりました。
だけどその後は米国クラーク大学へ。。。。日本の奨学金で博士となったのに。。。ということを気にかけていてくださり、とうとう東北大学大学院の准教授として着任となりました。
ご専門はスマートシティや日本のエネルギー事情など。


研究者の世界では、論文を科学専門誌ネイチャーなどに発表するのが業績となります。また、右のIPCCの報告書などは、トレンチャー先生のような研究者にとっては揺るぎのない、聖書のようなものだそうです。ちなみに見たことのある人?っと聞かれまして。。。見たことないなぁと。でも公開されていました。

IPCC第5次評価報告書 第1作業部会報告書 政策決定者向け要約


先生の理想の人は、池上彰さん。池上さんは専門ではない分野を、解りやすく人に伝える橋渡しをすることができます。
トレンチャー先生は、科学と環境の世界の池上彰さんになりたいとのことでした。


では、これからの4回の講座の予告をまずお話ししましょう。
今日が「気候変動の長期的な予測と不可逆性」果たして地球の気象は今後どうなってゆくのか?
「肉食生活と気候変動と人間の健康の関係」この会場にベジタリアンの方は?環境講座ではベジタリアンの方がいくらか見受けられますが、食肉は気象と大きな関係があります。
「日本のエネルギー問題と原発:どう向き合えば良いのだろうか」原発は震災以降は危険であると閉鎖されています。ですが二酸化炭素を排出しないという一面もあります。そこを深く考えます。
「海洋プラスチック廃棄物の問題」プラスチックは環境中に放出されると、ながく分解されず残ってしまいます。そのことを考えます。


これらのタイトルで、みなさんでディスカッションをしていただきます。
もちろん話の最中でも、どんどん質問をしてください。
では、長い講座ですので、お互いの自己紹介から始めましょう。


こちらの人は気候変動が解決しないと皆死んでしまうのではないかと。そのことを人に説明できないのだろうかと。


環境へ良いことをと考え、車をハイブリットに変え、太陽光発電施設も設置しました。ただ、一般人のできることは微々たるものではないかと思いまして。


山が好きで。地球のために何ができるのだろうか?を、お酒を飲むと仲間と話している。


今日はどうやら、トレンチャー先生の山登りのお友達も参加しているようです。
なかなか多様な方が集まっています。環境というキーワードで素敵な人が集ってますね。


では、少し重い内容ですが、気候変動と長期的な予測を見てみましょう。
これから発表する内容は、個人の発信したものなどではなく、研究者の論文から抜粋した内容です。


こちらのグラフは1880年からの地球の平均気温の変化を表しています。
この平均値とは、海水の温度や極地の温度など、すべての温度の平均値です。そして1880年からは、1度温度が上がっていることが解っています。


ただ、グラフにはいくらか下がっているところもあります。これらの原因は、火山の噴火です。
巨大な噴火が起きると大気の高層に硫黄などの成分が放出されて、一時的に気温が下がります。
〜右端の噴火は、ピナツボ火山の噴火じゃないかなぁ。。。ぼくあの時、シドニーの空港で飛行機が飛ばなくなって何が起きたのやら?って2時間ばかり待ったなぁ。


1980年より前は比較的変化が少ない時期があったのですが、先生が生まれたあたりからは上がる一方。
小さな変動はあっても、なべてみると、右に上がっている。。。地球温暖化はないといっている人は、この小さな下がったところだけを抜き出して来て議論しようとしますが、長期的には上がっています。


そして1950年からの気温上昇の分布です。
主に3つのキーワードで上昇しているところが分かれています。
・北半球
・海ではなく陸地
・内陸
海水は循環することで、気温を平均化しますので影響は出にくいのです。
ただし、暖まった海水は多量の水蒸気を発生させるので気象に影響を及ぼします。その目印となるのがエルニーニョとラニーニャ。ペルー沖の海水温が上昇するのがエルニーニョで、下がるとラニーニャ。今年はラニーニャが発生しているので、日本は気温が低いのです。。。


では、気温の変化についてみなさんの暮らしの中で気がついたことを話しあってみましょう。


今日、雪が降ったって大騒ぎしているけど、せいぜい20センチでしょ。仙台はちょっと昔は膝ぐらいの雪が降ったねぇ。


栗原の方では、眠っていると息が凍って、口の周りに霜がいっぱいついてましたよ。


ぼくが驚いたのは国際センターの、向かいの池のところに「日本フィギアスケート発祥の地」って碑が立っているでしょう。池の水が凍るには十分に寒い気温が短時間じゃなく、しばらく続かないとダメなんですよ。ということは、昔の仙台はそれぐらい寒かったってことなんです。


こうやって事実を語り合っていても、地球温暖化に懐疑的な人たちは「いま暑いのは自然の変動幅のうちでは?」って意見をあげたりします。
特に日本は科学者の発表は耳を傾けてくれますが、欧米だと最初から嘘と信じ込んでいて、個人のブログとかで発信されている何の根拠もないことを信じたりします。


そこでこちらの資料をご覧ください。
過去80万年の大気中の二酸化炭素の濃度を調べたものです。
そんな過去の記録なんか?って思われるかもしれませんが、南極の氷の泡とか、科学者は証拠をいろいろな方法で調べています。


現在の濃度の400ppmというのは、含まれている量はごくごくわずかなのですが、過去80万年にこれだけの数値を記録したことはないのです。

こちらの証拠は、ネイチャーに発表された論文より。


私たちが暮らしを変えて、二酸化炭素の排出を減らして、最終的に排出をなくすまでのパターンをいくつか用意して計算した結果です。


いくつかの削減量のモデルがありましたが、どれでも、最初の2〜30年で二酸化炭素の量は減るのですが、その後はあまり減ることがありません。


これは人間の活動によって地下から化石燃料を掘り出して使用してしまったから、植物や環境が頑張るだけでは無理なんですね。
その後、5000年たっても1万年たっても、なかなか大気中の二酸化炭素は減りません。
これを気候変動の不可逆性といいます。


そして、気温が上がると海面も上昇します。
今後5000年とか1万年のあいだ、海水面がどのように変化をしていくかをグラフにしたものです。
現状で、世界で海水面は20センチほど高くなっています。


これが計算の通りに海水面が高くなってしまうと。一番困っているのはツバルのような地面の平均高が2メートルぐらいの島国です。すでに移住の計画が決まっています。


ですが、世界の大都市はおおむね海沿いに発達していますので、いずれ困ったことになるのは次のような都市です。


日本も例外ではありません。仙台も。


そして、かなり深刻なのはバングラデッシュです。
この国は、国土の大半が低地にあるので、国の大半が水面下になってしまいます。


パリ協定では、今後の気温の上昇を2度に抑えると決議しましたが、科学者は「それでいいの?」って気持ちでいます。


特に次の点。
気温の上昇をどうやって、国民や政治家に伝えるか?
そして化石燃料依存社会の恩恵を受けてきた我々の暮らしが、遠い世界や遠い将来の世代に与える影響を知ろうということです。


続いて、宇宙から見た地球の北極地域の合成写真です。
黄色い線で囲まれているのは1790年ごろの氷海の面積です。
いまは写真の通り。さらに、海氷はとても薄くてザクザクの状態です。


ニュース記事は2018年1月の米国の記録的寒波です。アメリカ中西部のミネソタ州では、氷点下43度を記録したとか。


何でこんなことになってしまうのでしょう?
そこで、アメリカでも寒い場所といえばアラスカ州のアンカレッジ。それと、私のいたボストンのそばのウスターの気温を見比べてみると。


アンカレッジははるかに高緯度にあるのに気温が8度。
たぶん皆、Tシャツで過ごしているでしょうね。


このような現象には偏西風(ジェット気流)が大きく影響していると発表したのがジェニファーフランシス先生です。


ジェット気流は、地表から7000〜12000メートル付近で吹いている、時には風速400km/hを超える風のことです。
飛行機は東に向かう際はこのジェット気流を使うと燃料の節約になるので、飛行機乗りの大好きな風です。
また、この風は南北にうねっており、周期的に移動するのが特徴です。(まるでシャンプーハットをぐるぐる回しているようですね。)
この周期があるから、温度が上がったり下がったりの変化が起きます。


この北半球のジェット気流の南北のうねりですが、これがだんだん大きくなってきているそうです。


これは、赤道付近と北極圏の温度の差が、2000年以降になって以前(産業革命以前)より小さくなってきていることに原因があるそうです。


南北で気温の差が大きいと、ジェット気流は風速が速くなり、蛇行の波長も小さくなるそうです。
それが気温差が減ってしまうと蛇行が大きくなってしまい、暖かい空気が北に上昇したり(干魃)、北極園の寒気が南下してしまったり(例外)するそうです。


ここで先生はNHKのドキュメンタリー映像を紹介。日本のドキュメンタリーはとても出来が良くて、海外で講座を持っていた頃にも、日本語を翻訳して学生さんに伝えていたそうです。
ただ、さすがにテレビの内容を勝手には紹介できないので、便利なサイトを紹介。



オススメのサイトは、Windy.comといいまして。ヨーロッパの大気局やアメリカのNOAからの情報で風の強さを視覚化してくれるサイトでして、何がすごいって、標高別でも表示ができる。すると。。。。この大雪の日本の周りの高度9000mの風は、蛇行している。北から北極圏の寒気が入っていますね!

https://www.windy.com/


ちなみにスマホアプリもあります。しかも無料。
こういうの使うと、山登りに行くとき便利なんですよね。

つまり、今年の仙台の異常な寒波は、ジェット気流の蛇行で、周期的な移動が固定化されて、巾着みたいに凹んだところに北極の冷たい空気が入ってきたのが原因だったのですね。



では、本日の講座の感想です。
現状では、経済を推進させる側の勢力と、環境を考える勢力では意見が拮抗しているので、どうしても今より一気に減らすことが出来ないでいます。


たとえば、レジ袋を断るとか、暖房の温度設定を少し下げるとか、小さな努力を続けているのですが、事態の解決につながっているのかな?って思うときがありますね。


最後に僕の感想。。。今日の講座は考えさせられることがたくさんありました。
市民ができる環境活動って何なんだろう?確かに暮らしの上での整頓という意味では省エネはすごく大切なんだけど、とあるアウトドアメーカーは「環境のことを考える政党に投票すべきだ」って言ってましたね。石油石炭への依存というシステムを変えるには、国から動かなきゃいけないんですよね。そのためには、環境に一票投票しましょう。
もちろん小さなことの積み重ねも大切だよ。


ちなみの余談。先生はエルニーニョを「アルニーニャ」って言ってて「あれ?」って思ったけど、オーストラリア英語はeやyは「ア」に近く発音するからだって、今気がついた。じゃぁね。

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ネイチャーテクノロジー&木育ワークショップ 第3回 【オープンサロン講座】

たまきさんサロンスタッフです。

12月26日(火)に東北大学大学院環境科学研究科の古川柳蔵准教授をお迎えして、「ネイチャーテクノロジー&木育ワークショップ」と題したオープンサロン講座を開催しました。「作る」「修繕する」「作り替える」という過程を通して、実際に木と触れ合いながら、最後まで長く使い続けることの大切さを学んでいます。

7月に作ったまな板を10月に修繕しました。第3回目である今回は違う形に作り替えます。

第1回目の様子はこちら

第2回目の様子はこちら

今回は昔からの知恵を使って物を作り替えていきます。

 

先生からは、「まな板を材料として全て使い切るように」とのお話しがありました。

 

 

 

どんな形に作り替えるか、紙に下絵を描きだしながら、考えます。

 

 


形が決まったらまな板に鉛筆で下絵を描き、のこぎりで切っていきます。

 

 


手を切らないように慎重に…

 

 

 

 

上手に切れました!

 

 

 


切り口を紙やすりで削って整えます。

 

 

 


こちらの女の子は、接着剤でくっつけて小物入れを作りました。

 

 

 


他には、

上:ミニまな板

下:物掛け

 


ハンガー

 

 

 

 

他にもコースターや鍋敷きなどに生まれ変わりました。

3回連続の講座で、まな板を作り、使って傷がついたまな板を修繕し、新しい物に作り替えるという作業をしました。

この講座を通して物を繰り返し長く使うことの大切さを学びました。


 

 

 

 


 

 

 

 

 

古川先生、講師補助の三橋さん、参加者の皆さんありがとうございました。

 

 

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たまきさんサロンかんきょう寄席~昔の暮らしから環境問題を考えてみよう~【サロン講座】

たまきさんサロンスタッフです。

12月16日(土)に、東北弁で落語を語る東方落語プロジェクトの今野家がめらさんを講師に迎え、【サロン講座】「たまきさんサロンかんきょう寄席~昔の暮らしから環境問題を考えてみよう~」を東北大学大学院環境科学研究科棟の大講義室で開催しました。

2回目となる「落語×環境」の講座は、たまきさんサロンを飛び出し、ど!どーん!と大きな会場で行いました。

前回の様子はこちら

会場は、小学生から喜寿を迎えた方まで幅広い年代の方の大きな笑い声に包まれましたよ。

今回の演目は…

・「ちりとてちん」

・「風呂敷」

・「さる」

・「芝浜」

落語がお好きな方は演目を見ただけで、「なぜ?環境につながるの?」と、思うかも知れません。なぞかけのような繋がりがあるのです!

落語が始まる前のまくら(前置き)で、食べ物を残さず無駄なく食べようね…とお話があった後に最初の演目「ちりとてちん」が始まりました。

「ちりとてちん」は、知ったかぶりをする気取り屋の男に、珍しい食べ物「ちりとてちん」があると言って、腐った豆腐にトウガラシなどを入れたものを食べさせようとし、気取り屋の男は知らないとは言えず、食べてしまう話です。

次は、風呂敷を持ち歩くと一升瓶や丸いものなど様々な形の物が包め、レジ袋を使い捨てしないことからごみの減量にも役立ちます!とお話しがあった後…落語「風呂敷」が始まりました。

奥さんを訪ねてきた男を酔って帰ってきた旦那さんに見つからないように押し入れに隠してまったから、さあ大変!

男を隠した押し入れの前に旦那さんがドカンと座ってお酒を飲んでしまい、奥さんのお兄さんが風呂敷で旦那さんの目を覆った隙に押し入れに隠した男を逃がそうとするお話しです。

演目が終わって、「風呂敷は便利でいろんな使い方があるのですね。」と、がめらさん。

続いての「さる」は、八木山動物公園のサル山の子ザルが、「人間になりたい!」と駄々をこねるところから始まりました。

その子ザルに対し、大人のサルが「昔話の桃太郎では、サルが桃太郎のお供をしたことになっているけど、本当は臆病者の桃太郎に『きび団子をあげるから、僕も連れて行って』とサルたちが言われて一緒に鬼退治に連れて行ったのが真相で、桃太郎が鬼退治をしたわけではないんだよ。だから人間よりサルの方が偉いんだよ。」と諭すお話でした。

視点を変えると昔話の内容も変わります。

人間と動物が共生していくためには、それぞれの視点で同じ物事を考えることも大切かも知れませんね。

落語には昔の暮らしの風習や年中行事など四季を感じる作品がたくさんありますが、締めは年末にしか披露されない人情話の「芝浜」を披露していただきました。

がめらさんの落語に引き込まれ、目を潤ませる方も多くいらっしゃいました。

 

一見関係がなさそうな落語と環境ですが、環境は暮らしの中に密接にあるものです。

暮らしを題材にした落語を楽しみながら、環境を考えるきっかけとなった講座となりました。

今野家がめらさん、参加者の皆さん、ありがとうございました。

 

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携帯電話をとことん分解~電気電子機器に眠る金属資源~【サロン講座】

たまきさんサロンスタッフです。

12月2日(土)のサロン講座は、「携帯電話をとことん分解~電気電子機器に眠る金属資源~」と題し、講師に東北大学大学院環境科学研究科 白鳥寿一教授をお迎えして開催しました。この講座は、今年度二回目の開催となります。

 

 

 

 

 

 

まず私たちの暮らしの中で使われている金属はどこからやって来るのかについて考えてみましょう。

金属は世界各地の鉱山で巨大な鉱山用の重機を使って掘削し製錬加工されていますが、金の場合だと、世界最高と言われる鉱山でも1トン(100万g)の鉱石から僅か40gの金しか取れないそうです。「エコリュックサック*」という考え方では、石油なら0.1kg 金ならならば約500,000kgになるそうです。(* エコリュックサック=ある製品や素材に関して、その生産のために移動された資源量を重さで表した指標)

地球上では、限られた資源しか採掘できません。やがては掘れる場所から採掘し尽くしてしまい、私たちは資源不足に陥ってしまうことでしょう。

その一方で、例えば日本人が1年間にごみとして捨てる電化製品の量は、平均すると1人20kgにもなると言われています。では、このごみの中から金属を回収して再利用できないかという考え方が、今回の講座のメインテーマなのです。

一番身近な携帯電話には、どのくらい金属が使われているのか、実際に分解して見てみましょう! 今回は廃棄された携帯電話を分解してみます。

 

 

まず、先生から分解する時の注意点を教えてもらいます。

 

 

 

 

手袋とゴーグルをつけて、ネジ山を潰さないように専用のドライバーでネジを外していきます。

 

 

 


 

外枠を外して・・・あれっ!? またネジが出て来た!

 

 

 


 

かなり、細かい作業です・・・

 

 

 


 

だいぶバラバラになってきました! ここまでやると、何だか楽しい!

 

 

 


 

よしっ! 徹底的に分解するぞ!

 

 

 

 


 

先生の解説よりも分解に夢中・・・

 

 

 


 

 

 

 

 

小さな携帯電話には、プラスチック、ガラス、それに金や銀や銅などの金属がたくさん使われていることがわかりました。

実は、携帯電話の中に使用されている30数種類の金属は少量ではありますが、それでも台数が多くなると膨大な資源になります。約8億台の携帯電話で計算すると、金の使用量は22t、銀の使用量は80t、銅の使用量は12,093t、パラジウムの使用量は80tにもなるそうです。

新しい鉱山や金属に代わる物質や新素材をみつけるには時間や手間がかかりますが、家庭で使わなくなった小さな家電をごみにせずに、回収して金属資源をリサイクルすることは、誰にでも簡単に出来ることです。大型の家電からは、1998年の「家電リサイクル法」によって、金属やプラスチックを回収しています。小型家電の多くは、今までごみになっていましたが、2013年に「小型家電リサイクル法」が出来たことによって回収が行われています。

 仙台市でも携帯電話などの小型家電を回収するボックスを設置しています。回収された小型家電は、金属などを回収する工場に送られリサイクルされています。

(詳しくはこちらをご覧くださいhttp://www.gomi100.com/3r/recovery/000559.php

「たまきさんサロン」にも小型家電回収ボックスを設置しています。

貴重な金属のリサイクルにぜひご協力ください。

 

 

 

 

 

 

 

この講座を通して、実際に携帯電話を分解し、金属資源のリサイクルの大切さを学ぶことができました。

白鳥先生をはじめスタッフの先生方、参加者の皆さんありがとうございました。

 

 

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土日祝 10:00~17:00

休館日 月曜(月曜が休日の場合は、その翌日)祝日の翌日

年末年始(平成29年12月29日~平成30年1月3日)

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