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「ヤギに会いに行こう!~人と動物との支えあい~」【サロン講座】

たまきさんサロンスタッフです。
9月14日に「ヤギに会いに行こう!~人と動物との支えあい~」と題して、サロン講座を開催いたしました。今回の会場は、たまきさんサロンではなく、サロンのご近所さんでもある宮城教育大学にお邪魔しての開催となりました。
講師には、宮城教育大学 教授 齊藤千映美先生をお迎えして、ヤギのこと、人とヤギとの関係性についてなど教えていただきました。

まず初めに、ヤギとはどんな動物なのか参加者の子供たちからも意見が出る中、齊藤先生からお話をしていただきました。

それでは早速移動して、ヤギやウサギ、烏骨鶏に会いに行きます!

こちらは最年長ヤギのつよし。ヤギは大体10年近く生きるそうですが、つよしは現在9歳。人間で考えてみると、おじいちゃんヤギなのだそうです。そんなつよしはどんぐりも大好き。秋、大学内に落ちているどんぐりを手のひらにのせてあげるとバリバリと美味しそうに食べるそうです。

学生さんと力比べのようにお相撲をとっている姿も見ることができました。

こちらはゆきみちゃんともきちくん。1年前は子ヤギだったゆきみちゃんともきちくんもぐんぐん成長中。

そして、今年生まれたばかりのかしわちゃんとよもぎくん。まだ固い歯が生えていないため、固い茎などは食べられないそうですが、かしわちゃんはきゅうりも大好きだそうで、水分補給代わりに美味しそうに食べていました。

烏骨鶏やウサギのつくしちゃんともふれあいを楽しみました。ウサギはとてもおとなしく、毛もふわふわとしていました。

そんなヤギたちにも好き嫌いがあるそうで、下の地面に生えている草よりも木などの枝についている葉っぱの方が好きだったり、草によっても食べたり食べなかったりするそうです。おいしい草を見分けているのでしょうか?

ふれあいの最後にヤギ小屋の前で、記念撮影も行いました。

生き物たちと触れ合ったあとは、ヤギたちとお散歩がてら再び教室までもどります。
途中ちょっと寄り道もして、草をむしゃむしゃ食べるつよし。

お散歩の途中にしたフンも学生の皆さんたちがきれいにお掃除してくれました。

教室に戻ってから、ヤギについて気付いたことは?と齊藤先生からの質問に対して、子供たちからは子ヤギの毛はふわふわだけど、大人の毛は堅かった。強いヤギもいれば、やさしいヤギもいた。人の気持ちのようにヤギにも気持ちがあるのだと感じた。などたくさんの意見がありました。

今度は、先ほどふれあった烏骨鶏の卵やヤギのミルクを使って、ホットケーキとチーズ作りですが、その前にヤギのミルクをみんなで試飲しました。今回初めて飲むという方がほとんどのようでしたが、牛乳にも味が似ていて美味しかったです。

チーズ作りにもヤギのミルクを使いたいところなのですが、少し高価なため今回は牛乳を使っています。それでもチーズが簡単に作れることに驚きました。

ホットケーキ作りには、チーズを作る過程で出来たホエーを使います。ホエーと烏骨鶏の卵を使うとより膨らむそうです。手際よく美味しそうなホットケーキが出来あがっていました。

最後に齊藤先生から、まとめのお話をしていただきました。

1991年にアルプスで発見された約6000年前の「アイスマン」のミイラ。その「アイスマン」が着ていた衣服にもヤギの皮が使われていることが分かり、はるか昔から人々の役に立ってきたようです。ヤギはミルクや食肉を提供してくれ、皮は衣服以外にも手袋やお財布などの皮製品に、毛は高級なブラシやカシミアセーターなどにもなります。また、草を食べて草刈りをしてくれ、そのフンは肥料にもなります。まさにエコな生き物。そして穏やかで、好奇心の強い動物なので、ふれあい動物園では人気者として活躍しているそうです。

ヤギと比べて一度にたくさんのミルクを提供してくれる牛のおかげで、今の日本ではそれ以前に比べると、ヤギを飼っている人はとても少なくなったそうです。しかし、ヤギのミルクはアレルギーになることが少ないことから、近年増加傾向にあるとのことでした。

今回ヤギやウサギ、烏骨鶏とのふれあいを通して、人々の生活にいかに役立っているのかを学べたのではないかと思います。また、ヤギにかかわらず生き物も人間と同じように幸せな生活ができるよう、考えてあげなければいけないなと感じました。

齊藤千映美先生、宮城教育大学の学生の皆さん、参加者の皆さんありがとうございました。

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せんだい環境学習館 たまきさんサロン
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“生ごみ”って本当にごみなの?~生ごみからエネルギーを作ろう~!【サロン講座】


たまきさんサロンスタッフです。8/10に「“生ごみ”って本当にごみなの?~生ごみからエネルギーを作ろう~!」と題したサロン講座を開催しました。

今回は東北大学大学院農学研究科准教授の 多田 千佳 先生を講師にお迎えして、生ごみからエネルギーを作る方法や、実際に生ごみから作られたエネルギーを使った実験などたくさんのことを教えて頂きました。

まず初めにエネルギーについてのお話から。

エネルギーって何があるかな?という問いに対して、参加してくれた子どもたちからは水素、化石燃料、石油などが挙げられました。

今回生ごみから作るエネルギーはメタンガス。

メタンガスは都市ガスとしても使われているものですが、自然界で普通に発生するガスでもあります。

その例としては、牛が出すゲップや田んぼなどで見られるぷくぷくとした泡。
メタンガスを作っているのは小さな微生物たちですが、微生物とは1000分の1mm~10分の1mmという大きさの目には見えない生物です。

牛でいえば、牛の胃の中に暮らしている微生物たちがメタンガスを作っています。
この目では見ることのできない小さな微生物たちが食べ物を消化する過程で、それぞれの役割を分担し、チームワークによってエネルギーとなるメタンができているのだそうです。

ちなみに人間の胃の中にある胃酸はすっぱくて数値でいうと㏗1~1.5。
それに比べて牛の胃の中は酸っぱくも苦くもない中性で㏗6.9くらい。
微生物たちはやや苦い㏗7.5くらいが一番元気に活動できるそうです。

じゃあどうすれば、生ごみからメタンガスを作ることができるのか、ガスができる牛の胃の中はどうなっているのか、それぞれのテーブルごとにみんなで考えてみました。


その結果、いくつかの条件が見えてきました。


ここからはペットボトルを牛の胃の中に見立てて、実際に生ごみからエネルギーを作る実験です。

まず、参加者それぞれに持って来てもらった生ごみ200gに水を加えます。


水を加えた生ごみがドロドロになるまでミキサーにかけます。


ドロドロになったらボウルに移し、マルチミネラル・ビタミン剤がとけた黄色い液を加えてかき混ぜます。


㏗試験紙を使って㏗を測ります。目標数値は7.5。数値の調整には重炭酸ナトリウムという白い粉を使います。


数値の調整ができたらそれぞれのペットボトルに200㎖ずつ移します。


次は微生物が入っている消化液を200㎖ずつペットボトルへ入れるのですが、微生物は空気に触れると元気がなくなってしまうため、ここは素早く行います。


ペットボトルにすべて入れたら、ペットボトルの中身を39度に保ちながら3週間ほど置く
と、メタンガスができるそうです。

今回は時間の都合上、多田先生が事前に用意したメタンガスを使って、実際にお湯が沸くのか実験です!

まず、空き缶に水を200㎖入れます。次に空き缶にアルミ箔でふたをして、温度計をセット。

台に取り付けたら1人1つずつメタンガスの袋を持って、一列に並び順番に火をつけてもらいます。缶の底に当てる火が消えないように軍手をした両手で優しく袋を押しながらガスを出していきます。

火が消えてしまったら次の人と交代です。お湯の温度が70度になるまで、みんなで順番に火をつけ続けます。


いち早く70度を達成したグループから、自分たちで沸かしたお湯を使って束の間のお茶の時間となりました。

水の温度を70度まで沸かすのに、3袋や3.5袋使ったというグループが多かったようですが、中でも2.5袋と効率よく少ないガスの量で沸かせたグループには、みんなから拍手が送られていました!

日本人は1日平均1人当たり200gの生ごみを出しているといわれているそうです。
生ごみ200gではスープを3杯温められるのに対して、牛の糞2㎏ではなんと12.5杯も温められるエネルギーが作れるそうです。

今回行ったような仕組みでつくられたバイオガスは、実際に電気を発電するときや、灯りを灯すことに使うことも出来るそうです。聖火の火も作れるということで、今回はさらに最後にミニ実験。
ミニトーチとミニ聖火台を使って実際に点灯式を行いました!

トーチを持つ人、トーチにつながるガスを押す人、聖火台のガスを押す人、それぞれ配置についたら、いざ本番です。

見事成功!子どもたちからも歓声があがっていました。

ガスの仕組みが分かって良かった。
牛の胃の中を簡単に再現するだけで、ガスが作れることが分かって楽しかった。
など、子どもたちも大満足の講座になったようでした。

エネルギーにも様々な種類がありますが、身近なものを使って自然界でも普通に発生するガスが作れるということは、とても勉強になりました。
ただ捨てるだけの生ごみも、資源として利用することによって新たなエネルギーへと生まれ変わり、リサイクルへとつながっていくのではないかと思います。

多田先生、サポートスタッフの皆さん、参加者の皆さんありがとうございました。


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夏休みの自由研究にいいかも?キリバスのこと、地球温暖化のこと、SDGsのこと。【サロン講座】


8月4日(日)のサロン講座は、一般社団法人日本キリバス協会代表理事であり、日系キリバス人1世の第1号者ケンタロ・オノさんをお迎えして「夏休みの自由研究にいいかも?キリバスのこと、地球温暖化のこと、SDGsのこと。」を開催しました。

仙台市出身のケンタロ・オノさんは、小さいころから南の島が好きだったそうですが、小学校5年生の時にテレビ番組で初めてキリバスを知り、自分が持っていた南の島のイメージそのままのキリバスにとても衝撃を受けたそうです。


キリバスへのあこがれが強くなり、どうしてもキリバスへ行きたいという思いを遂げるため、高校の時にキリバス領事館へ「キリバスへ留学することに決めました!なんとかしてください!!」と、思いを伝える手紙を出したそうです。
強く願えば、周りの大人は理解してくれます。1993年1月16日、パスポートと片道チケットを持ってキリバスへ旅立ちました。
たくさんの大人の方の協力を受けてキリバスの高校で3年間勉強して卒業後もキリバスに残り、23歳の時にキリバス人になりました。開発コンサルティング会社の設立や国の業務もこなし、2011年の東日本大震災の後に仙台に戻りました。現在はキリバス人としてキリバスの暮らしや現状を伝える活動をしています。

みんなは植物の種と一緒です。大きく育って実をつけるには 土、太陽の光、栄養が必要です。
学校は土、水は先生方、お家の人は太陽、栄養となる肥料は好奇心だと考えています。
故郷やすべてにつながっている海、そしてこの地球を愛する人として育つことを期待してやみません。


太平洋の真ん中にあるキリバスは、首都タラワのあるギルバート諸島のほか、ライン諸島、クリスマス島など海抜2mに満たない33のサンゴの島々からなる国です。
飛行機で3~4日かかります。

「はい、コロボキタイム~~~」…キリバス語で「書く」という意味です。
今日の話はどこの国の話でしょう~~か?

キリバス共和国(以下、キリバス)の“テー・ベー”と呼ばれる布の腰巻姿で登壇したケンタロさんは、「今日、この場にいる方はラッキーです!」と言います。

その理由は…世界の人口70億人のうち、日本には1億2000万人、キリバスにはわずか11万人程で、若林区の人口より少ないのです。キリバス人に会い、キリバス語を聞けること自体が貴重なスーパースペシャルな体験なのです。
ミクロネシア系の人たちの島で、普段はキリバス語で会話していますが、学校の教科書はキリバス語のものはないので英語で勉強しています。


主な産業は漁業で、海の恵みを受け生活しています。

キリバスの食生活は、魚が中心です。キリバスはどこに行っても、青い海と青い空、白い砂浜が広がっています。サンゴの島には土がなく野菜は育ちません。そのため野菜は輸入するしかなく、価格が高くなります。なんと!キャベツ1玉が日本円で約2,000円もするそうです。
キリバスと仲が良い台湾から、砂を改良し家庭菜園を作ることを教えてもらい、現在では簡単な野菜を作って食べることができるようになりました。これこそ地産地消です。


それぞれ考え方、当たり前と思うことが違います。
この写真を見たらどう思う?
会場からは「きれい~」と声が上がります。
でも、キリバスの人は「おいしそう」と思います。


キリバスでは生ごみは家で飼っている豚の餌にするため、ほとんど出ません。
豚も大切に育てみんなで食べます。
ご飯を食べるときには何と言いますか~?
「いたたきます」
食べ終わったら~?
「ごちそうさま」
日本人は「食べ物はいのちで大切なものだ」ということをよく知っています。
でも、残念なことに日本は世界でいちばん食べ物を「ゴミ」にしている国です。「フードロス」とは「命をゴミにしている」ということです。
「もう、やめよう」とケンタロさんは訴えました。


日本とキリバス関係についても教えていただきました。

戦争の時に日本の兵隊さんがジャンケンを子どもたちに教えてくれました。
「サーン ケー ボイ」大会~
最後まで勝ち残った子にはキリバスが真ん中に載っている世界地図をプレゼントでーす。
キリバスには、学校や発電所などの大切な建物が日本の協力で作られており、青年海外協力隊の方々も来てくれています。また、種子島で打ち上げられたロケットを監視するJAXA(宇宙航空研究開発機構)や300人ほどのカツオの1本釣り漁師さんもいます。
世界中のマングローブを研究し、マングローブを植える活動をしている国際マングローブ生態協会の協力もあり、マングローブもたくさん植えられています。

キリバスの人々は、とても環境にやさしい暮らしをしています。
学校には机やいすの他、給食やトイレもありません。教科書もなく、先生が黒板に書いたものを見て子どもたちは勉強します。


引っ越しをするときは、屋根をみんなで支えて移動し、建て替えます。
世界で2番目にCO2の排出量が少ないキリバスは今、地球温暖化で世界中が暖かくなりすぎて海面が高くなってしまって困ったことになっています。


なぜ、地球温暖化が起こっているのでしょう?
石油を使いすぎている、車の乗りすぎでガソリンを多く使っている、プラスチックやペットボトルを使いすぎている、森を壊しすぎてしまった、海を埋め立てすぎてしまった、食べ物をムダにしすぎてしまった…すべて、私たち人間が引き起こしたことです。


日本にいると「地球が暖かくなっても、気温が高くなってもそんなに困ることはないかな~」と思うかもしれません…。

でも、キリバスの島の高さは2m程しかありません。山もありません。島の幅も350m程しかありません。
赤道無台風地帯のため、風がほとんど吹かず、4月から10月は乾季、11月から3月は雨季で、年間の気温差がなく穏やかな赤道気候でしたが、日照りの日が続いたり、大雨が続いたり、海岸が削られたりということが頻繁に起こるようになってきました。


キリバスは台風の赤ちゃんが発生するところに位置しており、今まではあまり影響を受けていませんでしたが、海水温度の上昇により台風の赤ちゃんでも勢いが強くなってしまい、島に波がかぶるようになりました。


2050年には海水面の上昇によりキリバスの首都タワラの8割が海に沈んでしまうだろうといわれており、故郷を失うかもしれないという危機に直面しながら暮らしています。
すでに、住めなくなってしまった場所もあります。


スーパームーンの時、地球と月の距離が近いので月の引力で海水面が引き上げられてしまい、この2~3年は、島中がこんな状況に…


島が小さくなって住めなくなってしまうほかにも、心配なことがあります。

半年あった雨季と乾季の期間もだんだん長くなり、雨季に貯めた雨水は乾季に使い尽くしてしまい、水不足になってしまうことが増えてきました。また、海水の浸水により、地下水の塩分も上がり、小さな子どもの死亡率も高くなっています。


海の温度が上昇するとサンゴが死に、海の生態系が変わります。今まで捕れていた魚が捕れなくなり、毒をもつ魚も増え、食べるものもなくなってしまうのではないかと不安になっています。
大切なヤシの実の収穫もヤシの樹が海水の浸水により枯れてしまい、減ってきています。
このヤシの木は根が枯れてこの翌日に倒れてしまいました。


この問題はキリバスにだけ起こっているわけではありません。
ネパールでも沖縄でも宮城でも、この仙台でも異常気象などの地球温暖化の影響は増えていくだろうといわれています。

緩和策(地球温暖化が起こることを減らすこと)ってなんだろう?
石油(ガソリンやペットボトル)の代わりのものってなんだろう、どうすれば減らすことができるかな…
どうしたら森を大切にできるかな…
どう海を大切にしたら良いのかな…
どう食べ物を大切にしたら良いのかな…

もうひとつの2050年問題として、海のプラスチックごみが海のすべての魚の重さよりも重くなってしまうといわれています。 プラスチックを作るために多くの石油が使われており、すべての魚の重さよりも多くの石油を人間は海に捨てているということになるのです。


日本の東側とアメリカの西側の海にプラスチックごみの「太平洋ごみベルト」というものができています。 そこからキリバスに流れ着くプラスチックごみもあります。


ケンタロさんは言います。 「私たち人間が引き起こした問題は、わたしたち人間が解決しなければなりません。地球を大切にすれば地球は必ず答えてくれます。

30~40年ほど前、日本周辺の海はとても汚れていました。
今は、飛行機から眺めると日本の海はとても美しく、川にはサケやアユが帰ってくるほどきれいになりました。 人間が正しいことをしたら地球は答えてくれると希望を持っています。 夢は絶対かなう!だから僕は希望を持って信じています。


『グローバルに考えてローカルに活動する。』毎日の生活で世界を変えることは絶対にできるし、みんなは世界につながっています


SDGsとは『2030年にはステキな世界にしましょうね!』ということ、その中でも一番の目標は、『みんなで!だれひとり取り残さないで!』ということだと考えています。」


「たまたまキリバスに生まれたこの子たちに『2050年にあなたたちは難民になってしまう、あなたたちの故郷は無くなってしまう』と伝えることができますか?
そんなことを伝えなければならない世の中になってはいけない!すべての子どもたちだれひとり取り残さないよう、一緒に頑張っていきましょう。」

ケンタロさんに質問タイム~。

たくさんの手が挙がりました。
キリバスでのごみの処理はどのようにしているの?
キリバスの平均寿命は?
キリバスのスポーツって?
キリバスの人たちの就職状況は?
キリバスの税金は?などなど。

「2050年にキリバスが沈んでしまったら島の人たちはどこに住むことができるのですか?」の質問には、息をのんでしまいました。 30年後も40年後もずっと、当たり前のように健やかに故郷で過ごせなければ正しくないと感じました 。

講座の後半は、ストップ温暖化センターみやぎの三浦さんによる「エネルギーのカバン」を使った体験学習も行われました。
日本、アメリカ、中国の一人当たりの一日のエネルギー使用量を石油の重さに換算して詰め込んだバッグを持って比べてみました。



重い!

こんなに使っているのかと、驚きでした。私たちの周りには石油で作られたものがたくさんあるんですね…


キリバスの現状を知り、「人間が正しいことをしたら必ず地球は答えてくれると希望を持っています。夢は絶対かなう!だから僕は希望を持って信じています。」というケンタロさんの言葉が強く心に残り、「今、出来ることはもっとあるかもしれない…今、はじめなければ!」と生活の見直しをしたり、家族や友達と話していきたい、また、夏休みの自由研究のテーマとしてもすばらしい講座となりました。

ケンタロ・オノさん、ストップ温暖化センターみやぎの三浦さん、ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。 

ケンタロ・オノさんの著書「キリバスという国」の売上の一部はキリバスの環境保全のために寄付されます。

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「エナジーカフェ夏休み企画『親子でDIY!直流ベランダ発電!』」 &「エネルギー実験室」

 たまきさんサロンスタッフです。8月2日は、NPO法人環境エネルギー技術研究所の早川昌子さんをお迎えして、 「エナジーカフェ夏休み企画『親子でDIY!直流ベランダ発電!』」と題したオープンサロン講座を開催しました。ミニ太陽光発電システムを作り、再生可能エネルギーを私たちの暮らしの中に取り入れる方法や災害時に役立つ知恵を学びました。

 まず、早川さんから「電気のしくみ」について、簡単に教えていただきました。

 電気には直流と交流があり、発電所から家庭のコンセントまで送られて来ているのが交流電気(AC)です。スマートフォンなどは直流電気(DC)を使っています。どこの家庭にもACアダプターという機械があって、家庭のコンセントとパソコンやスマートフォンとの間につないで充電などを行っているはずです。つまり、この機械で交流電気を直流電気に変換しているわけです。

 使っているACアダプターが熱くなっていることに気がついている方もいると思います。これは、電気エネルギーが熱エネルギーになって逃げているからです。言い方を替えると、電気が熱という形でむだになっているということになります。

 それならば、最初から直流電気を作って、そのまま使えるようにすればよいのではないでしょうか?そこで、直流電気をつくることができる太陽光発電などの再生可能エネルギーを使った電気の高効率利用の研究が注目されています。

 今回の講座では、実際に直流ミニ太陽光発電システムを組み立て、電気を作ってみましょう。

工作大好きな子どもたちが集まってくれました。

「太陽光発電パネル」キットを使って組み立て開始です!

 お母さんにも手伝ってもらいながら組み立てます。

意外にむずかしいかな・・・?

ちゃんと発電してくれるかどうか、外に出て実験です。

どうやら大成功のようです! 簡易扇風機が回り出しました!

 ついでに、たまきさんサロンで育成中の緑のカーテンを使って、太陽のエネルギーについても少しお勉強です。

 赤外線サーモグラフィという機械を使って、陽の当たる所と日影の部分を測ってみました。

 参加者のみんなには、放射温度計を使って、いろいろな場所の温度を測ってもらいました。

 赤や白で表示されているのが陽の当たっている部分で、レンガ舗道の表面は何と最高57.8℃にも熱くなっていました。青色で表示されている緑のカーテンの裏の日陰では、30℃~35℃くらいです。こんなにも違うのですね。

  つまり、それだけ大きなエネルギーを地球は太陽から受けているということなのです。

  

午後の部 「エネルギー実験室」

午後からは、誰でも参加可能な「エネルギー実験室」を開催しました。

太陽光パネルを使って発電した電力で、いろいろな工作にチャレンジです!

環境系学生サークル「海辺のたからもの」代表の畠山紳悟さんと、午前に引き続き、NPO法人環境エネルギー技術研究所の早川昌子さんにご協力いただき、太陽光発電パネルで発電した電力を使って、キーホルダー作りやガラスエッジングを体験しました。

 今回のキーホルダー作りで使う材料は、仙台市の荒浜に打ち上げられた「プラスチックごみ」です。

 荒浜海岸には、9㎡におよそ300個のプラスチックごみがあり、マイクロビーズと呼ばれる小さなプラスチック粒になると、地層を成して堆積しているそうです。

 畠山さんたちは、地元の人たちと定期的に海岸清掃を行い、拾い集めたプラスチックや貝殻、流木などを使って、今回のようなアクセサリーを作るワークショップを開いたり、展示販売なども行っているそうです。

 使う電力は、大型の太陽光パネルで発電します。

 こちらはガラスエッジング。下絵の型紙をコップの中に入れて・・・

 型紙に沿ってルーター(電動やすり)で、コップの表面を削っていきます。

 みなさん、上手にオリジナルコップを作っていました。

 今回の講座では、再生可能エネルギーのお話や海洋プラスチックごみなど、これからみんなで考えていかなければならない大きな環境問題について勉強しました。

 講座タイトルに「DIY」と入っているのは、発電のような電気に関することでも、必ずしも発電所まかせではなく、身近な家庭でも手軽に発電できるということを知ってもらいたいという意味をこめて名付けられています。身近なところから、地球全体のことを考えていきたいですね。

 早川さん、畠山さん、ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。

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新聞紙で涼しい空間(クールエアドーム)を作ろう!2019【サロン講座】


たまきさんサロンスタッフです。7月14日(日)に宮城教育大学教授の菅原正則先生をお迎えして、「新聞紙で涼しい空間(クールエアドーム)を作ろう!2019」と題したサロン講座を開催しました。新聞紙でクールエアドームを手作りし、自然の力を利用して涼しさを得る方法を学びました。菅原先生は、住宅の熱的快適性や空気環境といった建築環境工学、住居学を専門にご研究されています。

また、今回の講座は毎年恒例の行事となっている「学都『仙台・宮城』サイエンスデイ2019」のプログラムとして出展しています。たまきさんサロンは、サイエンスデイのサテライト会場として、この講座に応募してくださった皆さんをお迎えしての開催となりました。

今年は、あいにくの雨の中での「サイエンスデイ」開催となりました。

まず、先生から「涼しくなるには、どうすればいいの?」という質問から始まりました。

涼しくなるのは打ち水やかき氷などによって冷やしたときだけではありません。風鈴、ハッカオイル・・・幽霊の絵!おやじギャグでも涼しく(というより寒く)なる?

確かに涼しい「気分」にはなるかも知れません。でも今日は、「気分」ではなく本当の涼しさを感じられるようにします。

そこで、今日の講座の「新聞紙で涼しい空間を作ろう!」というお話になるわけです。
名付けて「クールエアドーム」です! ちょっとクール!(カッコいい)
では、早速「クールエアドーム」の製作にとりかかりましょう!

新聞紙を使ってドーム作り開始です!
新聞紙をテープで貼り合わせて、壁になる部分を作っていきます。

簡単なようで、ちょっとむずかしい。新聞紙が破れないように気をつけて運びます。

大人も子供も真剣に新聞紙と向き合っています。
貼り合わせた新聞紙に、ビニールシートをとりつけます。これは・・・窓?

とにかく手順どおりに貼り合わせてみましょう。大きな折り紙を折るような工程もあります。

ハサミでチョキチョキ。ここは、入り口になるみたいです・・・
隙間ができないようにテープを貼り合わせるのがコツです。

送風機を使って風を吹き込みます。

すると、みるみるうちにドームが膨らんで・・・二つのエアドームが完成しました。

ひとつのドームだけ、霧吹きで外側と内側全体を濡らします。
あれっ!? 濡らしていないドームよりも、濡らしたドームの方が涼しくなってきたかも!  

サーモグラフィという測定機器を使って、ほんとに涼しいかどうか温度を測ってみましょう。
みんなの体から放射される熱の温度は、30℃以上。顔や腕の部分が赤く見えるのは、多くの熱が放射されていることを示しています。
乾いたドームは外側も内側も26℃だけど、水で濡らしたドームだと外側24℃になっていました! 乾いたドームと2℃違う!

実は、これは「蒸発冷却の実験」だったのです。濡らした新聞紙のドームから水分が水蒸気として蒸発する時、気化熱を奪うのでドームが冷えます。その結果、身体から赤外線放射される放射熱がドームにたくさん吸収されて、涼しく感じられるわけです。

今日はあいにくの雨天で湿度が高かったせいか、あまり蒸発しなかったために温度差は小さくなりました。

講座の初めに「植物の蒸散作用で涼しくなる緑のカーテンは、クールエアドームと同じ」と先生から教わっていましたが、クールエアドームの中でも緑のカーテンと同じことが起きていたのですね。

涼しくなって、みんないい笑顔です。


みんなで手作りした「クールエアドーム」は、午後もそのまま会場に展示し、サイエンスデイから大勢の方が見学・体験に来館されました。

さらに今年は、午後から超巨大エアドームも登場!

この大きさだと、ほとんど簡易住居になりますね。


今回の講座では、「クールエアドーム」を手作りして、暑い夏を涼しく過ごす工夫について楽しく学びました。

菅原先生、学生スタッフの皆さん、ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。


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仙台七夕の由来と再生紙~8万羽の折り鶴のゆくえ~【サロン講座】


たまきさんサロンスタッフです。
7月7日(日)七夕の日に、鳴海屋紙商事株式会社の鳴海 幸一郎さんをお迎えして、サロン講座「仙台七夕の由来と再生紙~8万羽の折り鶴のゆくえ~」を開催しました。

まずはミニ七夕飾りを作ります。
巾着(きんちゃく)・投網(とうあみ)・屑かご(くずかご)を作りました。


紙の裏表を確認しながら、ひとつひとつていねいに作りました。

自分で作った七夕飾りを持って記念撮影です。
とてもきれいに出来上がりました。


ミニ七夕飾りを作った後は、七夕祭りの由来について教えていただきました。

「機織りが上手な織姫さまと牛飼いで努力家の彦星さまが自分たちの仕事をおろそかにして、遊んでばかりいました。そこで天帝は、『自分たちのやらなければならないことを行ってから、好きなことをしなさい』と、織姫さまと彦星さまを離し、年に1度だけ七月七日に会うことを許しました。」

現在の仙台七夕は旧暦で行われるため、8月6日、7日、8日の三日間となります。
ちなみに、仙台七夕まつりと言えば雨がつきものとイメージしますが・・・
前半の雨は織姫さまと彦星さまの「やっと会える~」との再会のうれし涙、後半の雨は「また来年会いましょう~」の別れの涙と鳴海さんは考えているとのこと。


思いをはせると切なくなります。
また、雨の降り始め、一番町四丁目商店街では「七夕さまを守る」活動が行われます。
あっという間に終わってしまうのですが、見どころかもしれません。

七夕まつりは中国の乞功奠(きこうでん)という星祭りに由来し、中国から日本の京都・奈良に伝わり、宮中行事として京都から仙台に約400年前に伊達政宗公が仙台に伝えたといわれています。



次は7つ飾りについて教えていただきました。

一つ目は、吹流し(ふきながし)
織糸をかたどって飾ります。
今は紙が主流ですが、昔は紙が貴重だったため、生糸を飾りに使っていました。

二つ目は、折鶴(おりづる)
家族の長寿を願い、長生きしてほしい家族の歳の数を折り、自分で決めた想いを自分でやり遂げる大切さを教えています。

三つ目は、短冊(たんざく)
現在は願い事を書いていますが、昔は文字が上手になるように願いを込めて「七夕」「おりひめ」「ひこぼし」「天の川」などの言葉を書いていました。願いが叶うように、祈りながら墨で書き、上手や下手は関係なく、最後まで自分でしっかり書くことが大事だと教わりました。


四つ目は、紙の着物(かみのきもの)
病気やけがにならないようにという願いと裁縫や手芸の上達を願う飾りです。

五つ目は、投網(とあみ)
お魚をとる網をかたどっていますが、健康で安全なお魚やお肉、野菜が、取れますようにという思いが込められています。
わたし達は食べ物から力をもらって生きています。大事に無駄なくいただくことの大切さを教えています。

六つ目は、屑かご(くずかご)
屑かごの中には飾り作りで出た紙屑を入れて飾ります。
最後まで大切に使い切ることの大切さを教えています。

七つ目は、巾着(きんちゃく)
むだ使いをやめ、倹約、節約の心を養うために飾ります。


さらに、仙台七夕は吹き流しの上部に、「くす玉」という丸い球体を飾ります。


まつりで使用した飾りは、お仕立て直しをして、全国・海外に向けた仙台のPRキャンペーンに使われたり、そのまま県内外各地の盆踊りなどのお祭りやイベントなどへ「お嫁入り」するそうです。

七夕の飾りつけ、設置から片づけまでを教えていただきました。

「葉っぱひとつ残すな!」の合言葉のもと七夕飾りは8月8日中にすべて片付けるのだそうです。
さらに、竹の太い部分は仙台市のごみ焼却炉やお焚き上げの焚き付け用の薪として活躍しています。


ほかにも、毎年、中心部商店街のお盆イベントで使われたり、過去には、九州の川内市(せんだいし)にある製紙工場へと運ばれ「竹紙」として生まれ変わっていました。
今日の講座で配布された「七夕の由来」のプリントも「竹紙」です。

また、ひとつの短冊に書かれた願いごとがきっかけで、仙台市立の小中学校に通う児童生徒による故郷復興プロジェクトの折り鶴も「再生紙」に生まれ変わることになったそうです。


この「再生紙」が最初に使用されたのが、オリンピック2連覇を達成した羽生結弦選手への表彰状でした。


その後、卒業証書や卒業要覧、ノート等にも活用されることになりました。


子どもたちが祈りを込めて折った8万羽の折り鶴が仙台七夕で祭られ、その後、たくさんの子どもたちや裏方さんの手で分別され「再生紙」となって生まれ変わり、再び子どもたちのもとへと戻っていくのです。


「七夕祭りに歴史あり、仙台七夕まつりには伝統があり、故郷復興プロジェクトの折り鶴は伝説の飾りとして、後にも先にも、これを超える飾りはないのではないかと思っている」という鳴海さんの言葉がとても印象に残りました。


7月7日のこの日は、曇りでした。
織姫さまと彦星さまは会うことができたのでしょうか・・・

鳴海屋紙商事 鳴海幸一郎さん、ご参加いただいたみなさまありがとうございました。


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せんだい環境学習館 たまきさんサロン
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お花を植える土を作ろう!~廃泥土のリサイクル~【サロン講座】

たまきさんサロンスタッフです。

6月29日(土)に「お花を植える土を作ろう!~廃泥土のリサイクル~」と題して、サロン講座を開催しました。

今回は東北大学大学院環境科学研究科 高橋 弘教授を講師にお迎えして、浄水場などで大量に発生し、不要となった泥土を植物用の土へリサイクルする方法や、植物に使うだけではない活用の仕方などを教えていただきました。

まず初めに、浄水発生土がどのようなものなのか、どうして発生してしまうのか、説明していただきました。

普段私たちが飲んでいる水は、浄水場できれいな水に作り変えられ、各家庭に供給されています。

その主な水源となっているのは川や湖などからダムへ運ばれてきた水です。 しかし、ダムの水は水中に小さな土砂や浮遊物などのごみがたくさんあり、そのままでは飲むことができません。そこで浄水場を経由することによって水中の小さな土砂やごみが取り除かれ、きれいな水へと作り変えられています。人間が生きていくためには水を作り続けなければならず、この過程で発生するものが「浄水発生土」です。

宮城県内で1年間に発生する浄水発生土を家のお風呂に溜めた場合、どれくらいになるかというと、10万くらい?5万?3万?と声が上がっていましたが、答えはなんと約2万6千個分!全国では年間100万個分にもなるそうです。

このたくさん出る浄水発生土を何かに有効活用できないかと考えられたのが、今回のテーマでもある、植物用の土としてリサイクルするということです。

いよいよ植物用の土へと変える実験の始まりです!

実際に浄水発生土を用いて作る場合、太陽などの紫外線によって天日乾燥させ、泥の中の雑菌や在来種などの滅菌消毒を行う必要がありますが、今回はそれができないため模擬発生土を使っています。
マスクをつけたら、みんなのテーブルに配られた水の中に模擬発生土を入れ、一生懸命かき混ぜます。

そこに新聞紙などを切った古紙を半分ずつ足しながら混ぜていきます。

古紙が水を吸って重たくなってきても、すべての水を吸うまでひたすら混ぜます。
「重たーい」「手がつかれたー」と声があがる中、みんな頑張って混ぜます。

粘土のようなものができたところで、魔法の白い粉を入れ、また一生懸命に混ぜます。

この魔法の粉は赤ちゃんのおむつにも使われている吸水性ポリマーの粉だそうです。
この粉が水分を吸って、どんどん固く粘り気のある泥になってきました。

ここまでくるともうすぐ完成です。
最後に分散剤をいれると、粘り気のあったものがぽろぽろとしたそぼろ状のかたまりになり、土の出来上がりです。

最初の水はどこかへ行ってしまったわけではなく、できた土をぎゅっと絞ると水分が出てきます。

「この土を使って、お花を植え替えてみましょう!」

今回は「日々草」というお花を植え替えてみます。

きれいに植え替えることができました!

育て方も教わり、これからもきれいな花を咲かせ続けてくれるのではないでしょうか。

今回実験した方法は、浄水場から出る廃泥土処理のほかにも、震災で出たヘドロ処理にも活用され、リサイクルした土は、堤防の修繕や造成に使われているそうです。

セメントに古紙を混ぜ込むと、古紙の繊維がつなぎ役となってより強度が強くなるそうで、実際にどれだけ違うのかのこぎりを使って試してみました。

今回の実験を通して、ごみとなって捨てられてしまうものでも、工夫をすれば立派な原料や材料として使うことができるということを教わりました。

リサイクルは様々なところで行われていますが、普段から興味をもってごみを減らす工夫を考えていけば、地球環境の改善にも役立つのではないでしょうか。 まずは、身近なところから少しずつ始めていこうと思いました。

高橋先生、学生スタッフの皆さん、ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。

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生産者と消費者が一緒に育む、持続可能な食環境を目指して【サロン講座】


たまきさんサロンスタッフです。6月26日(水)に「生産者と消費者が一緒に育む、持続可能な食環境を目指して」と題し、持続可能な食環境をつくる取り組みについてのサロン講座を開催しました。

講師には、畜産農家「むすびファーム」の上野まどかさんをお迎えして、“美味しい食材”がどのようにして作られ、どのように未来へつなげていけばよいのかについて教えていただきました。

講師の上野まどかさんは、宮城県登米市の稲作と畜産の農家のご出身です。
仙台の大学を卒業後、東京の企業に就職。その後、地元にUターン。2016年から実家の農家で黒毛和牛の繁殖と米作りをされています。
また、実家の田んぼをつかって「田植え&稲刈り体験」の企画を立ち上げたり、「東北風土マラソン&フェスティバル」の実行委員をされて、地域を巻き込んだイベントを積極的に行っています。


「はじまり」

上野さんは、生まれた環境が農家でありながら、食べることは好きでしたが、もともとは生産には無関心だったと言います。2010年に環太平洋パートナーシップ(TPP)協定の日本の参加検討が話題に出て来た時に、生産者や企業の意見ばかりがクローズアップされ、実際に農産物を食べる消費者が無関心なことに気づき、報道の世界に興味を持ち新聞社に入社。新聞社時代にお父さまが倒れ自分自身も「食」に関してとても弱い立場にあることを実感し、まず自分自身がちゃんと「農業」と向き合おうと決意します。

そして、農家を継ぐ決意をするもお父さまから猛反対され、まずは「東京で出来ることをやってみよう!」と、広告会社の地域事業部に転職。故郷登米市の農業をベースにした地域活性化事業やお米と仙台牛を使ったお弁当を企画するなど、積極的な活動を開始します。

その後、『東北食べる通信』(定期購読会員向けの食物付きの情報誌)のふるさとプロデューサーとしても活躍されています。



「Uターン」

自分自身も生産者として消費者とつながりたいという思いがますます強くなる中、登米市の実家に2016年にUターンします。
とは言っても、農家の実状をわかっているお父さまは、上野さんが実家の仕事をすることにやはり反対されたといいます。

まず、上野さんの1日の流れを教えていただきましたが、かなりハードなスケジュールに受講者の皆さんは驚いていました。
若い娘がこれをやりたいと言ったら、やはり親としては反対するかもしれませんね。


牛がいる限り、毎日休みなく続くわけですから・・・。


「ブランド牛」

宮城県のブランド牛と言えば、「仙台牛」ですが、全国にはなんと200銘柄のブランド牛が存在するそうです。

まずは、よく目にする和牛のランクについても教えていただきました。


A5・B5ランクの格付けに入っているのは、仙台牛だけということに驚かされました。
仙台牛って、そんなにすごかったんだ!

さらに登米市では、そんな仙台牛の40%位を生産しているということです。

上野さんの実家は、現在、親牛(繁殖雌牛)が11頭と産まれた子牛を飼養している黒毛和牛の繁殖農家です。

排泄物は全量堆肥としてコンポスト化し田畑に撒きます。そこで採れた米や稲わらを牛の飼料にするという循環型サイクルによる稲作と畜産の経営が行われています。どうやら、このあたりがおいしい牛ができる理由のようです。


ちなみに、メスのお肉の方がおいしいということです!


「繁殖」

肉牛の生産には、上野さんのお宅のように繁殖して子牛を出荷する「繁殖農家」と、その子牛を買って肉牛に育てて売る「肥育農家」の2つの生産者が関わっています。
牝牛は生後13ケ月位で種付けが行われ、その後1年1回のペースで5〜10回ほど、子牛を産むそうです。

牛は種付けから始まって(妊娠期間は約10ヶ月)、生まれてからお肉になるまで、2年半から3年という時間がかかります。生まれた時には25㎏~40㎏だった子牛が、10ケ月後に子牛市場に出荷される頃には300㎏位に成長しています。その後さらに1年半〜2年位かけて650㎏~900㎏位(雌と去勢でも大きさは違います)大きさに肥育され、食肉市場に出荷され、400kg〜600くらいの枝肉になります。


「Animal Welfare (動物福祉)」 

これは、初めて聞く言葉でした。このような指針のもとで、肉牛も適切な管理がなされて生産されていたのですね。

上野さんのお話では、牛も5歳児位の知能を持っていて、面倒を見てくれている人をちゃんと見分けられるそうです。


「食べ物をとりまく環境」

食べ物をつくる人も食べる人も、お互いが見えない中で、「食」への意識が低下している状況が、今の食べ物をとりまく環境なのではないのかと上野さんは指摘します。

つまり、「誰が作っている食べ物なのかわからない」「モノとしてだけの食べ物になっている」「誰が食べているのかもわからない」ということです。

それぞれの立場で、かかえている問題点や疑問点を見ると、以下のようなことがあげられます。

これらを解決する手段のひとつとして、生産者と消費者の接点づくりが考えられます。

そこで上野さんは、まず「田植え&稲刈り体験」を企画実施してみました。

これはつまり生産者と消費者を「見える化」することです。

一番身近で毎日食べる食材である「お米」を通して、生産の現場を見てもらう、体験してもらい知ってもらうことで、自分は誰が作った食べ物を食べているのか、自分が作った食べ物は誰に食べられているのかがわかり、そこに絆が生まれ仲間意識が生まれるのではないでしょうか。

CSAというシステムも、生産者と消費者をつなぐ有効な手段のひとつでしょう。

そして、自分の足元である「むすびファーム」から、そして登米から情報を発信していきたい。「農家のロールモデル」になりたいというのが、上野さんの目標です。

都内で仕事をしている時から「東北風土マラソン&フェスティバル」の実行委員としても活動していた上野さんは、Uターンしてからも実行委員として活動しています。


「おいしいの向こう側を伝える」

「東北風土マラソン&フェスティバル」という催しは、マラソン大会を通して東北内外はもちろん、世界中から人を集め、東北の魅力的な「風土」と美味しい「FOOD」を存分に楽しんでもらいたいという主旨のもと誕生した東北と世界をつなぐ企画です。

この催しの中の「東北風土ツーリズム」という催しで、登米の食の魅力を伝えるツアーを企画しています。それが「生産者と味わう仙台牛満喫ツアー」です。


豊かな食材を100年後にも200年後にもつなげていきたいというのが、上野さんの思いです。


そのために、ひとまず生産者と消費者にできることは何でしょう?


「まとめ」

生産者や国、自治体だけが食料について考えていればよいのでしょうか?
食べる人はモノとして消費して、余ったら捨てる。それで良いのでしょうか?

たしかにスーパーには、いつもたくさんの食材が並んでいます。
2011年の震災の時には、あの棚が空っぽになったことを覚えていますか?

例えば、2000年と比べると農業人口は、半分に減っています。日本の食料自給率はカロリーベースで38%です。そして、今まさに問題になっているフードロスは、毎日一人お茶碗一杯分出ています。

未来に向けて、みんなで考えなければならない大きな問題です。

今回の講座では、美味しい食べ物の向こう側にある生産者の苦労や思いを知ることが出来ました。そして、われわれ消費者にも“美味しい食材”を未来に残すために、少なからず責任があるということを教えていただきました。

上野まどかさん、参加者の皆さん、ありがとうございました。


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初めて森歩きをする前に!森の親しみ方を知ろう!【サロン講座】

たまきさんサロンスタッフです。
6月1日(土)のサロン講座は、たまきさんサロンのご近所さまの【青葉の森緑地】からレンジャーの阿部正明さんをお迎えして、自然と接するおもしろさや楽しさを教えていただきました。

まずは、【青葉の森緑地】についてお話しいただきました。


【青葉の森】の中には【化石の森】もあり 掘り返したり、持ち帰ったりはできませんが、見ることができるそうです。


また、いろいろな動物がいるようです。
見せてもらった定点カメラの画像に映っていたのは、「カモシカ」や「イノシシ」、「キツネ」、「ネズミ」、「リス」などなど。


普通に動物たちは【青葉の森】で生活をしているそうです。

運がよければ会えるかもしれない!!!


【青葉の森】のアイドルのヤマドリの「やまちゃん」です。
一時、取材陣に追いかけられ、身を隠していたようです。
一緒に歩いてくれたり、靴をつついたり、人なつっこい子ですが、鋭い蹴爪を持っています。

「やまちゃん」にも運がよければ会えるかもしれません。


散策スタートです。
前日は雨が降り雷が鳴っていましたが、講座当日は晴天となり、気温は23~24℃、湿度もさほど高くなく自然観察を楽しむには絶好の空模様でした。
とはいえ、お日様にあたっていると、じりじりと日差しの強さを感じます。できるだけ日陰を歩くことと、水分補給を心がけます。

クイズ「この葉っぱはなんだ?」

目をつむり、手のひらに置かれた「サンショウ」の葉っぱのにおいを嗅いで当ててもらいました。

お母さま方、さすがです。
「サンショウ」は【青葉の森】にも【たまきさんサロン付近】にも生えています。自生しているのだそうです。


大きな「ブナ」の木の下で去年のブナの実やどんぐり等を拾いました。

青葉山新キャンパス内では、「クマ」や「キジ」「カモシカ」等が目撃されることがあります。

現在は電気柵が設置され、「クマ」達と「人間」との間には境界線がありますが、 もしかしたら、この木の実を食べに来てたのかもしれません…


発見!?


昆虫たちにも会えました。
甲虫は、背中がつやつや、ぴかぴかです。


植物に「アブラムシ」などの小さな虫が集まり、それを狙って「テントウムシ」が現れます。でも、気温が高くなると「アブラムシ」は活動を止めて隠れてしまうため、「テントウムシ」も見つけられなくなってしまうのだそうです。

ミルビンに「テントウムシ」を採集しました。
「観察終わったから、離してあげよう~~」と子どもたちから声が上がります。


これは「ウルシ」です。
肌に触れるとかぶれてしまうので要注意です。


「ゼンテイカ」または「ニッコウキスゲ」とも言います。
【青葉山新キャンパス】内にも自生していますが、なかなか珍しい植物だそうです。


これは「モミジイチゴ」。
完熟すると、濃いめのオレンジ色になり柔らかくなります。
食べてみると、甘酸っぱくておいしいです。

当然、「ムシ」達も食べますし、ひょっとしたら食事中なんてこともあります。


「ムシ」達の家づくりです。
きれいに筒状にしています。
白い泡の家もあります。


幹が「瓜」に似た模様であることが名前の由来の「ウリハダカエデ」。
これは、「ウリハダカエデ」の種です。
まだ、白っぽくピンクかかっていて、みずみずしさがあります。
茶色っぽくなり、水分がなくなり乾燥すると種自身が軽くなり、風に乗ってくるくると飛びます。


阿部さんが、昨年の乾燥した種を持ってきてくれて、親子で「ウリハタカエデ」の種の飛ばしっこをしました。
キャッチするのが難しい、おもしろい飛び方をします。


これは、なんでしょう?

太めのエビフライ・・・?
小さなパイナップル・・・?

正解は、
「リス」が剥いて種子を食べた後の「松ぼっくり」です。


おみやげとして阿部さんからもらいました。
おもしろい形ですね~


「リス」の巣を見せてもらったり、リアルな昆虫のシールのおみやげを貰ったりして 最後は、たまきさんサロンに戻り終了となりました。

他にも、「アリの巣」を見つけたり、「ワラジムシ」を捕まえたりいろいろな発見がありました。
また季節が変わると、違う発見と出会えるのでしょうね。
自然っておもしろいです。

【青葉の森】レンジャー阿部正明さん、ご参加頂いた皆さま、ありがとうございました。


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音(オト)―ク~音を録る者と音を奏でるものに聴く【サロン講座】

たまきさんサロンスタッフです。
5月25日(土)に「音-ク~音を録る者と音を奏でる者に聴く~」と題して、何気ない生活の中で聞き取れていない生き物などの音から生物多様性を感じ、身近な生き物を知ろう、というテーマでサロン講座を開催しました。

講師には、福島大学共生システム理工学類 永幡幸司教授、ゲストにバンド「アンテナ」のメンバーで仙台出身の渡辺諒さんをお迎えし、第1部では永幡先生の講義、第2部ではお二人とのトークディスカッションなどという、二部構成での開催となりました。

第1部が始まる前には、仙台市環境局環境共生課の職員から生物多様性とはどんなことなのか、仙台市が行っている生物多様性保全に関する取り組み、今回開催に至った経緯などが紹介されました。

<仙台市の生物多様性保全に関する取り組み>

仙台市では平成29年度から市にゆかりのある生きものの奏でる音をテーマにした啓発事業「生物多様性保全推進事業~せんだい生きもの交響曲~」をスタート。市民の方に豊かな自然や多様な生きものへの理解と関心を高めてもらうために様々な取り組みを行っています。
その一つとして、仙台にゆかりのある生きものであるカジカガエル、カッコウ、スズムシなどの生きものが奏でる音を録音し、ホームページから無料でダウンロードできるようにしています。この取り組みの際に、今回の講師でもある永幡先生にも、音の専門家として録音にご協力いただいたそうです。

<開催のきっかけ>

2017年に渡辺さんが所属するバンド「アンテナ」がメジャーデビューをするタイミングで、当時Date FMで元サッカー選手の千葉直樹さんとレギュラーを担当していたラジオ番組「サウンドジェニック」内の企画で、ファンやリスナーから自分の身の回りにある身近な音を募集し、それをもとに楽曲を作るということがあったそうです。ファンやリスナーからおよそ200ほどの音が送られてくる中、仙台市の事業にも音の専門家として協力していただいていた永幡先生ご自身も、事業の中で録音したある生きものの鳴き声を応募したところ見事採用され、楽曲が完成しました。

そこで今回お二人をお招きして、当時のお話も含めて生きものや音についてどのような考え方を持っているのか、聞かせていただく機会が実現したとのことでした。

ここで、永幡先生、渡辺さんにも登場していただき、永幡先生が録音した生きものの鳴き声が使われた楽曲を聞いて、カジカガエル、カッコウ、スズムシの内、どの鳴き声が使われているかクイズが出されました。
みなさん楽曲に真剣に耳を傾け、見事正解にたどり着いていたようでした。

クイズの答えでもある生きものとは「カジカガエル」

カジカガエルは鳴き声に特徴があり、「日本一美しい声で鳴くカエル」と言われているそう。環境省が定めた「日本の音100選」には、「広瀬川のカジカガエルと野鳥」ということで選出されているそうです。清流を好むカジカガエルはきれいな水環境がなければ生息できず、大都市の中でも鳴き声を聞くことができるのは、仙台くらいではないかと言われているそうです。

【第1部】

永幡先生の専門分野は環境音響学・サウンドスケープ論ということで、身近な例をあげながら、たくさんのことを教えていただきました。

<サウンドスケープ>
サウンド(音)+スケープ(風景、景観)
R.マリー・シェーファーによる造語で、直訳すると「音(の)風景」「音(響)景観」になります。
この言葉は、世の中的にはバラバラの意味で使われていますが、学術的には個人又は人々が知覚・経験・理解した音環境と定義されているのだそうです。

講義の中でいくつかの課題が出されました

①聞こえた音をすべて書きだしなさい。
参加者同士でお互いに書き出した音について意見交換する様子も見られました。
近くに座っていた人同士でも、書き出した音は意外と違っているようでした。そのことから、音を聞くということは、とっても個人的な経験なんだというようにまとめていました。そして、だからこそ、人々がどのように音を聞いているのかということに着目するサウンドスケープという考え方が、とても大事なのだ、とのことでした。

<フィールド・レコーディング>
フィールド(現場)+レコーディング(録音)
録音したい音が鳴っているところに出向き、録音すること、あるいは録音した音を意味します。
仙台市の生物多様性保全推進事業の一環としても行われていて、場所によっていろんな録り方があるそうです。

ここで再び永幡先生からの課題です。

②これから紹介する街はどこか?
・大都市でありながら、海や山に囲まれた緑溢れる街
・近代的なビルの合間に緑の公園が顔をのぞかせる
・自然と都会が見事に融合した、とても住みやすい環境が魅力的

仙台と答えていた方が多かったようですが、正解はバンクーバー。インターネットでバンクーバーを紹介するページを検索して、そこから持ってきた言葉なのだそうです。 バンクーバーと仙台は似ているところがたくさんあるから、言葉だけ聞くと、区別がつかなくてもおかしくないのだそうです。このことから、風景を伝えるには100の言葉よりも数枚の写真やその土地を象徴する音が有効という教訓が得られます。だから、サウンドスケープの研究をする人は、現場の音を録音することにもこだわる人が多いとのことでした。

生物多様性事業で配信している音もISOのサウンドスケープ調査の規格に基づいて、バイノーラル録音で録音されているとのことでした。バイノーラル録音した音は、ヘッドホンで聞くと、録音した場所にいるかのように聞こえるんだそうです。

録音の仕方には色々な方法があり、特別な研究用途を除けば、決してバイノーラル録音でなければダメだというわけではない。むしろ特定の音だけを録りたいときは、ガンマイクの方がよほどいいし、ICレコーダーに内蔵されたマイクでもいい音で録音ができるとのことです。

ではなぜ配信音をバイノーラル録音しているか?

それは「生物多様性」の大事さを伝えるための事業であるから。
生物は個別の種だけでは生き延びていくことができず、またそれぞれに適した環境がなければ生き延びてはいけない。このことを音で表現するには、個々の生き物が出す音ではなく、それらの関係性を表現する必要があると考えたからとのことでした。
生き物の奏でる音を録音しつづけることで聞こえてくることがある。
市民参加で市内の生きものの声を録音しアーカイブにできると、皆にとっても貴重な財産になりえる。まずは、身の回りの生きものの奏でる声に耳を傾けてくださいというお話でした。

【第2部】
第2部では、お二人のトークディスカッションを行いました。お二人には事前にお互いに聞きたいことをアンケートしており、それを中心に参加者からの質問にも答えていただきました。

まずは永幡先生から渡辺さんへ

Q1メジャー・ファースト・ミニアルバムに仙台の音を入れようと思った理由
→仙台の音だけではなく、SNSでまちの音をというところから。『イダンセ街』も仙台を逆から読んで、もじってできた架空の町。

Q2 (Q1と関連して)音を公募しようと思った理由
→仙台を誇れるものを一緒に作りたい。一緒に足取りを感じながら、歩んでいけるようにと思ったから。

Q3応募された音を作品の中に取り込む中で苦労した点
→苦労はあまりなかった。200あまり応募していただいて、10秒くらいのものもあれば、20分近いものもあった。永幡先生の応募されたカジカガエルの声も長くて、いいところを削り取るのは大変だったけど、テーマに合うように楽しみながらできたし、それぞれの生活を感じられてよかった。

Q4応募された音を聞いて、感じたこと・考えたこと
→永幡先生のお話であったサウンドスケープの通り。アンテナはライブソングがバンドのコンセプト。生活音が前に出てくると、ストレスにも感じられるが、応募されたチャイムや横断歩道の音などは、自分たちを温めてくれる。アンテナの曲もそういうものであり続けること、別な表現として考えられるいい時間だった。

次に渡辺さんから永幡先生へ

Q5音は時に騒音になることもありますが、癒し効果になる音との違いは音量差だけなのでしょうか?
→非常に大きな音は多くの人が騒音と感じる傾向はありますが,すごく小さい音でも騒音になることもあるし、騒音になるかどうかを音量だけで説明することは難しい。私たちが音を聞く時には,これまでの自分の体験とかに基づいて,それぞれの音に意味づけをしている。好ましい音,癒し効果のある音というのも,そういうように,自分のこれまでの体験とかによって形成されていくものではないか。

Q6今まで聞いた中で一番見た目と鳴き声でギャップがあった生きものは?
→白鳥。東北地方に住むまで本物の白鳥には縁がなく、見かけ通りに美しく鳴くものだと思っていた。大学に勤めるようになって初めて聞いたとき、想像とは異なるすごい声でがっかりした。元々、カモの声が好きで、それを楽しみに行った時に初めて白鳥の声を聞いたから、余計にがっかりしたのかもしれない。

Q7音が教育や児童の成長や性格構成などに影響を与えることはありますか?
→軍事基地の周りのようなところで大きな音にさらされて育つと、無気力感をいだきやすい子供が育つという研究があるなど、音が児童の成長に影響を与えることは間違いなくある。大人でも、大きな音を聞くと耳が痛いと感じることがあると思うが、子供は大人より小さな音で耳が痛いと感じるので要注意。耳が痛くなるような大きな音を聞いたら、耳に間違いなく影響がある。また、最近はヘッドホンで長時間音楽を聴く人が増えているが、大きな音でヘッドホンを使い続けると、ヘッドホン難聴になりかねない。電車など騒音のある所でヘッドホンを使う時は、ついつい音量を大きくしがちなので、そういう時はノイズキャンセリング機能のあるヘッドホンを使い、なるべく小さな音で聞くようにするのがお勧め。

参加者からの質問

Q心が落ち着く、心地よいと感じる音は
渡辺さん:自然の音。田んぼのカエルの鳴き声などを聞くと、自分の記憶とリンクして、地元に帰ってきた感じがする。
永幡先生:海の音、波の音。荒浜などによく行くが、遠くでなんとなくなっている波音をぼーっと聞いたりしている。

Q永幡先生に対してアンテナ渡辺さんの声はどんな声ですか
→すごくきれいな声。学生時代に音を録音するアルバイトをしていたことがあり、その時に本当にうまい人は限られているというのを感じていたが、本当にうまい人というのは、まさにこのこと。音程が合うだけでは説得力がないし、その秘密がわかれば自分もうまくなれるのではと思うけど、わからないので研究者になっている。真似のできない素敵な声。きっと、自分の声を冷静にフィードバックしながら聞いているからこそ、素敵な声が出せているのでは。

今回の講座で、改めて仙台にもたくさんの生きものがいるのだということを感じました。 普段の生活の中では聞き逃しがちになってしまいますが、生きものについて考えるいい機会になったのではないかと思います。

永幡先生、渡辺さん、参加者の皆さん、今回司会をしていただきました漆田さんをはじめ関係者の皆さんありがとうございました。

サロン内の展示スペースでは講座当日とその翌日、カワラバンさんによる特別開催として「広瀬川に住む生きもの」の展示も行われており、講座終了後は参加者の方々が興味深く観察されていました。

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