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「発酵」カテゴリーアーカイブ
ポーちゃんのボロが、大変身!ボロってなんだ?

や。西川さんちのポーちゃんです。
相変わらず元気ですね〜。遊びに行きましたら“モクモクモクモク”葉っぱを食べてる。馬ってご飯に困らなくていいなぁ〜。

この、ポーちゃんのボロが「バラを育てているんだよ〜」って、話を聞きつけ取材に行ってきたんですよ。その前にボロってなに???
ポーちゃんのウン●と、寝床に使ってるおがくずとか、まぁ色々ですな。
ウ●コって、馬糞のこと!?
そうなんです。

ってことでやってきました、中山市民センター。
建物の写真ではなく。。。

チラッて開けてみましょう。
おお〜!葉っぱが山のように詰まっている!!!

こちら、今回お世話してくれるボランティアの中川さんです。
なんと、ポ〜ちゃんのボロが、堆肥に使えませんか?って問い合わせたのは中川さんなんだって。

右手のかわいい女性は?センター職員の方で、この堆肥事業というか、さらに堆肥を使った環境循環プログラムの担当の方だそう。
この葉っぱは、近隣の中学校、町内会、地域団体が平成25年から、街に吹き溜まりのできてしまう枯葉を、地域ボランティア活動として集めてきたものなんだって。

キノコが生えてますね。。。中は、菌類がすっごく活発に活動してて、虫とかも居心地が良くて集まってくるんだって。

温度を測ると。上の方は25度です。

これが中心部分を測ると31度!
これだけ暖かいと、分解も早く進むそうで。

いやいや。初めの頃は60度(!)になるんですよ。そんな温度だと、虫も寄り付きません。
この堆肥作りは、生ごみリサイクルネットワークの技術支援を受け、1〜2年かかって独立できるようになったんだって。そういえば僕らも取材したなぁ。

原材料はですね。ポーちゃんのボロに、米ぬかと枯葉と土を混ぜて、上の方からギューギュー圧縮して、さらに水を加えるそうです。
でも、それだけではなく、1ヶ月に一回ぐらい切り返しをして撹拌してあげないといけないそうな。なので、前は2山作ってたけど、さすがに労力がかかるので、今は一個。

菌ですな。
最初の頃は方線菌とかが活躍して、ものすごく熱くなる。で、次に糸状菌とかが活躍を始めると、黴とかキノコが出てきて良い感じになるそうな。生命って不思議ですね。

でね。面白い話としては、このあたりはネズミが多かったんだって。
ところが、ポーちゃんの馬糞が混じるようになったら、なんか居心地悪くなったのかネズミが消えちゃった。大きな生き物の気配には、ネズミも警戒するんですね。

これ。混ぜるのに使った米ぬか。これも郊外をよく探すとタダでもらってこられるそうな。でもちゃ〜んと貰えるところを探さないとダメだよ〜。
なので、ヒントも秘密。

この空き地は?
なんと、ここで隣の児童館の子育て支援クラブと共催で、5月頃になると里芋を植えるそう。今年は700個も収穫できた!それをみんなで芋煮にして食べた!!!
だから、環境循環講座だそうで。これは取材しないといけないなぁ〜。いやいや芋煮目当てでなく。

で、ポーちゃん堆肥で育ったバラはというと。。。チョット今は季節がハズレでしたね。

これ。まだ形の残ってる●ンコ。でも、匂いもぜんぜんない。
ポーちゃんは良質な草を食べているので、牛糞鶏糞と違って匂いが全然しない。それが今回の事業のきっかけなんだって。

お!咲いてるバラ見つけた。

綺麗ですね〜。

これは色が違う!

って思ったら、この株はフランスの人たちが東日本大震災の仙台に「何かできませんか?」って、支援のために商品化できるバラを送ってくれたんだって。
その名も「絆」。いい話だなぁ。

ってことで急にお話は戻ってきて、河原のポーちゃん。
競技用の馬は飼い葉の他に体を強くするものをいっぱい食べるらしいんだけど、ポーちゃんは草をモグモグ。そして家に帰ると干し草をモグモグ。

起きているあいだは、ほとんど草を食べているそうな。
ポーちゃんいい子だね〜。

おら、いい子だ!
いまでも近隣の子供達を乗せて、パカパカ歩いているんだって。

でも、人にするともう30歳ぐらいなんだって。そうやって考えると、このブログとポーちゃんの付き合いも、長いね〜。
ご飯も食べたし。じゃ、家に帰りましょう。

って、ここ仙台市のど真ん中なんだけどね。
いつ見ても良い光景です。ではまた!
すごい!自然のちから 発酵食とライフスタイル★味噌玉トリュフを作ろう★【オープンサロン講座】
たまきさんサロンスタッフです。
11月26日(火)に「すごい!自然のちから『発酵食とライフスタイル』★味噌玉トリュフを作ろう★」を開催しました。
東北大学大学院環境科学研究科 環境研究推進センター様の主催で、講師に発酵食lab代表の塩田亜耶子さん、東京都市大学の古川柳蔵教授、ファシリテータに三橋正枝さんをお迎えしての開催となりました。

まずは、「発酵食と健康」について塩田さんよりお話をいただきました。
塩田さんのお住まいは、自然豊かな鹿児島県西部に浮かぶ上甑島(かみこしきしま)。
地域おこし協力隊として訪れたのが始まりだそうです。
大阪市に生まれ、発酵食が大好き。発酵食好きをみなさんに広げていきたいとのことでした。
はじめに「冷えの原因チェック」です。受講者の方自身で自分の冷えの確認をしてみました。
5つのタイプに分けられています。
1つ目、末端型冷え性は、運動不足やエネルギー源の不足。
2つ目、下半身冷え性は、座り作業の多い方、下腹部の血の巡りが良くない。
3つ目、内蔵型冷え性は、男性に多いとされており、荒れた食生活、アレルギー体質の方が多い。
4つ目、全身型冷え性は、ストレスが多かったり、自律神経が乱れている。
5つ目、体の一部だけが冷える、神経痛やヘルニアがある、動脈硬化がある、麻痺やしびれがある。
「5つ目にチェックされた方は、すぐ、病院へ行ってください。」とのことでした。

体温が低いのは、運動不足や食生活の乱れ、ストレスが原因で、対策にはお風呂がおすすめです。
当たり前のことを見直すことが大事!!とのことです。
発酵食labを始めるまでのおはなし。
お母様はからだに良いとされているものだけを食べさせてくれたそう。すべて手作りで、外食やジュースやお菓子などは一切無かったそうです。が、年頃の塩田さんにはこれがコンプレックスとなり、自活してからは忙しさにかまけて、外食やジャンクフード漬けだったそうです。
その後、大病を患ってしまいました。

その頃の平熱は34.8℃の低体温、若さもあり、不具合は感じなかったそうですが・・・。
大病を患ったことをきっかけとして、生活習慣、食事習慣の見直しと体温を上げたいと考え、体質改善を図ってきたそう。現在の塩田さんの平熱は37℃位!!
一時的にマクロビオティックに夢中になり、偏った食事になってしまったのだそう。これでは良くないとローフード、和食、洋食などいろいろ勉強していった中で、どの中でも取り入れられていたのが『発酵食』でした。
食べることが大好きな塩田さんは、『発酵食』を真ん中に置きつつ、いろいろなもの(ジャンクフードも含め)を食べていきたいと考えているそうです。
そして、朝の「お湯で溶くだけの、目覚めの味噌スープ」をおすすめしたいそう。
簡単に続けていける方法で、ご自身の体調と体温を整えていって欲しいと思っているとのことでした。

質問タイムでは、受講者の方から「熱湯で麹菌は死んでしまわないか?」「生きている味噌とそうでない味噌の見分け方は?」等、さまざまな質問がありました。
塩田さんからは、「麹菌が生きている発酵味噌をお勧めしたい。お湯を注ぐと菌はお亡くなりになってしまうが、腸の中で善玉菌の餌となる。発酵味噌には、麦味噌、米味噌、豆味噌があり、麦味噌は、麦に麹菌を繁殖させた麦麹に大豆と塩を混ぜ合わせたもの、仙台で食べられている米味噌は、米に麹菌を繁殖させた米麹に大豆と塩を混ぜ合わせたもの、中部地方で食べられている豆味噌は豆麹と塩を混ぜ合わせたもので、とくに麦味噌は食物繊維が豊富で甘みが強い。原材料の表示を見てみると、シンプルに『麦、大豆、塩』や『米、大豆、塩』のみが表示されている。麹菌が生きている味噌はお店の冷蔵売り場に売っている。生きている味噌は腐らないが、味は変わってくるのでお好みでお選びいただくと良いかと思う。新鮮な状態の味が好きなら冷凍保存が良い」と教えていただきました。
続いては、「発酵食とライフスタイル」のトークセッションです。
今、からだに良いと注目されている発酵食ですが、実は保存食としての昔の暮らしの知恵がたくさん詰まっているのです。

「生活の利便に慣らされての不摂生、そして病気の発症」という共通点が塩田さんと三橋さんにはありました。
お二人とも病気というきっかけがあり、食生活の改善を進めて行った訳ですが、味覚を含め身体が添加物に敏感になったそうです。
また、食べ物や飲み物の製造過程や、原材料表示は確認する習慣がついているのだそう。

化学調味料は使わずとも昆布、鰹節、キノコ、野菜などから出る「ダシ」で美味しく作れ、手軽なインスタント食品と比べても、作る時間や費用が掛からないと実感しているとのことでした。
続いては、古川教授から『90歳ヒアリング』のお話。
90歳代後半の全国600名ほどの方に戦前のくらしや昔の知恵を伺った『90歳ヒアリング』。
いろいろなご家庭でお茶などをいただきながらお話を聞いても、レシピだけは教えてもらえなかった、分からなかったそうです。例えば漬物。
「一見、同じように見えるが味が違う。各家庭で独自のレシピがあるが、細かに大根〇本に塩〇gといったものがある訳ではなく、『これくらい』や『ひとつかみ』等を体で覚えて一緒に作ることで受け継がれていっている」とのこと。
スタッフも昔、祖母に教えてもらおうとしたことがあります。塩は何グラム?スプーン何杯?と聞いた時に「なんぼだべな~~~…わがんね!」と言われたことを思い出しました。

人によって常在菌が違い、その常在菌の働きによって各家庭の味が変わるのではないかと古川教授は言います。
「みなさんにとって、お家が一番安心できる場所であると思うのですが、それはみなさんのお家の常在菌がご自身に丁度良いバランスを取っているということなんです」と塩田さんもおっしゃっていました。
例えば、旅行等に行った際、すごく雰囲気の良い旅館の部屋なのになぜか落ち着かないとか、体調が優れなくなってしまった等の経験はないですか?
また、塩田さんの失敗談も教えてもらいました。
麦麹を仕込む初日、うっかり朝ごはんに納豆を食べてしまい、翌日に麦麹の様子を見ると・・・納豆のようになってしまっていたそうです。
空中に漂っている納豆菌が入り込み、麹菌は食べられてしまったのだそう。
「あ~~~(涙)」で学んだそうです。
昔の方たちは、農作業のできない雨の日に味噌づくりをしていたそうです。湿気の多い日には菌が生き生きしているのでそれは理にかなっているのだそう。
何度もいろいろな失敗をした経験が受け継がれ、暮らしの知恵となっているのでしょう。発酵食は人間の知恵を集めたものである、とのことでした。
さあ~味噌玉トリュフ作りに突入です。
塩田さんにお持ちいただいた島育ちの麦味噌、良い香りです。

まずは、ベースを作ります。
味噌に天かすや煮干し粉、かつおぶし粉等を入れ、まんべんなく混ぜ合わせます。
ここで少々味見、お好みで調整します。
1食分ずつ小分けをしてトッピング。
青のりや乾燥エビ、紫芋パウダー、かぼちゃパウダー、お麩などで美味しそうにかわいらしく。
箱詰めしてリボンをかけたら、『からだにも、心にも優しい』味噌玉トリュフの出来上がりです。
スタッフもグループに参加し作らせてもらいました。
作った味噌玉は当日の夜と翌朝に美味しくいただき、暖かくて、しあわせ~なひとときを味わうことができました 。
残りは冷蔵庫で5日、ラップ冷凍で1か月保存できるそうなので、大切に大切にいただきたいと思います。

。
発酵食lab代表 塩田亜耶子さん、東京都市大学 古川柳蔵教授、環境研究推進センター 三橋正枝さん、そしてご参加くださった皆さまありがとうございました。
*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*
せんだい環境学習館 たまきさんサロン
平 日 10:00~20:30
土日祝 10:00~17:00
休館日 月曜(月曜が休日の場合は、その翌日)祝日の翌日・年末年始
*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*
お味噌ができあがりましたよ!
今年の2月28日にKuraxで仕込んだお味噌が出来上がったということで、佐藤麹味噌醤油店さんにちょっと立ち寄ってみました。
ふ〜む。美味しそう!
イベント参加者の方には引き換え用のはがきを発送済みだそうだから、25日までに受け取りに来てね〜。
Kuraxで仕込んだ味噌を切り返しに行ったよ
なかなか趣のある通路でしょう。こちら、若林区荒町の佐藤味噌醤油店さんの、お店の裏にある工場に至る通路です。
2月28日にKuraxで漬け込んだお味噌が、3ヶ月経っていよいよ混ぜ直す時期が来たようです。
工場の片隅に。。。ありました!
樽の側面に「クラックス・サロン」と書き込んでありますね。仕込みの後は、ず〜っと倉庫の片隅にひっそりと置いてあったそうです。
なんとなんと。重しの石に押されて、少〜し汁も出ています。
味噌は麹で漬け込まれます。
麹は嫌気性なので、発酵に空気は必要ないんですね。大豆は樽の中で時間をかけて旨味に変わっていきます。
この表面に染み出してきた汁を少し舐めさせてもらうと「なんとも言えない旨味!」まさに味噌の旨味です。
大豆のたんぱく質は麹の力で分解されアミノ酸に変わります。麹を育てたお米は、でんぷん>糖>アルコールに変わります。
この大豆を分解するのは酵素プロテアーゼです。仙台味噌は長い時間をかけてじっくりと漬け込まれ、旨味がどんどん生まれるのです。
「ちょっと今の段階食べてみる?」
「いただきます!」
激ウマです。
あれれ?社長さんちょっと笑っているのは何でしょう?
え〜。最近僕んちでは佐藤さんちの1キロ1000円のお味噌使っているんです。ちょっとお高いんですが、毎週1キロ喰ってるわけでなし。っで、これまた友人に教わった「ソーメンを味噌ダレで食べる!」にハマってまして、これが旨いんだ。
の話をしているところ。
これがその「味噌ダレソーメン」20年近くまえに友達に教わった方法だから、もうすっかり元のレシピがわからないけど。
トマトやキュウリ、夏野菜に限らず玉ねぎ人参に椎茸など、いろいろ刻んじゃいます。
味噌をみりんで溶かして、さらに水で薄める。(量はテキトー)
山形のひっぱり蕎麦にならって、納豆なんかも入れちゃいます。
タレをぐちゃぐちゃにして、冷たいそうめんをつけていただく。これが美味しいんです。
漬け込んだばかりの時は塩っぱいばかりの味噌(の元)は、なんとも美味しい味になりましたが、ここでひとかき混ぜでさらに3ヶ月。
このタイミングで空気に触れさせると、さらに発酵は進むそう。あと3ヶ月。8月終盤から9月には完成だそうです。
ということで、表面ならして
ビニールでフタして
ハイおしまい。
3ヶ月後には店頭にあったような見事なお味噌になるそうです。
ということで、僕も自分用にまた買ってきました。
お味噌買うならこちら———
佐藤麹味噌醤油店
住所: 〒984-0073 宮城県仙台市若林区荒町27
電話:022-222-4712
メタンをめぐるお話。inエコラボ
本日のブログは5月29日。東北大学大学院 環境科学研究科にて環境フォーラムが開催され、農学研究科の多田千佳准教授が「生ゴミを回そう!みんなができる、エネルギー生産と食糧生産」というタイトルで公演を開くと聞きまして(本当は自転車で東北大学青葉山まで登るぞ〜って担当からのお誘いだと思うのだが。。。。)やってきました自転車で、エコラボです。
こちらが噂の多田先生です。農学研究科の先生で、微生物を専門にされているそうです。講義の後にちょこっと挨拶させてもらいましたが、まぁ〜気さくな先生でした。
そして先生のお話。ザザザッとかいつまんで進めていきます。なんせ専門的なお話で、僕では説明しきれません。
まずはメタンです。こちら自然界には普通にあるガスだそうで、有名どこでは海底に蓄積し凍結状態にあるメタンハイドレート。だけど湖や田んぼなどでも発生し、牛のゲップにもメタンが含まれています。
なんで発生するのかというと微生物が原因です。
こちらが実際にメタンを作る微生物で、酸素が全くないところで暮らしているそうです。(嫌気性)
はい。こちらがメタンが出来るまでの流れで、なんと2つの流れが出てますね。水素を作る微生物がいたり、直接酢酸作ったり、そこから最終的にメタンができたり、ア〜これはわからん。
さっぱりわかんないけど大切なのは、複数の微生物が関わって、段階を踏んでメタンが作られるってこと。多くの種類の微生物が共生してメタンを作るので、先生の研究はその環境を整えてあげるのが専門だそうです。
プロピオン酸酸化細菌が水素を発生させて、それをお互いを結んでいる糸を使ってメタン菌に渡している。これは運命の糸だよだって。ひょえ〜女子だ。
そして微生物は35度とか55度とか熱を加えてあげると元気になるそうです。
だいたいメタン発酵の施設を作ると大規模なものが多くなるそうです。なぜなら、規模が大きいと単位体積あたりの表面積は小さくなるんで、発酵のための初期の熱が逃げないから。
でも実際には大きなものを作ろうとすると色々と問題が多くなる。初期投資も大きいし、何よりも稼働にはいつでも多量の生ゴミが必要になる。だからといって小さくすると熱が逃げる。
そこで鳴子温泉。温泉熱を使えば小規模のプラントでもエネルギー収支がうまくいくのでは!小規模になると安く作れるんですよね。
そこで作り上げたのがこの実験施設。
鳴子温泉のゆめぐり駐車場に作られた施設で、近隣の方が持ち寄った生ゴミを投入すると、温泉で加温された状態で発酵しメタンガスが出来るそうです。初期の加温に温泉熱を使っているので、電気代がかからず安定しているそうです。
地域に住んでいる方は、毎日12キロぐらいの生ゴミを持ってきてくれて、それが微生物に分解され1日1300リットルぐらいのメタンガスが発生します。だいたいコップ一杯のお水を100人分ぐらい沸かすことが出来るそうです。
ちなみに生ゴミが溶けた後に出来上がる液体がこちら。毎日50リットルほどの液肥ができて、近隣の農家に配られ、ミニトマトの生育に使われています。こちらも美味しく実るそうで、だんだんと引き合いが多くなっているそうです。
この生ゴミを持ち寄るシステムは会員制で市民に登録してもらっていて、現在のところ1100名が参加しているそうです。そしてゴミを持ち寄ってもらったお礼は、併設したカフェでのお茶のサービス。「人とのつながり」「親切」「その場にいること」の3つが揃うと人は幸せを感じるそうで、お茶のサービスはまさに生ゴミを持ち寄ることで「場」を作り出すのですね。
ちなみにこのメタン発酵装置は設置する場所の敷地面積で比較すると自動車とほぼ同じ。さらに金額もコンパクトなハイブリッドカーに近い。この2つを比較すると、自動車は維持費もかかるので10年間で総額660万円。その費用で得られるのは10万キロ走るだけ。小型メタン発生装置は10年使い続けると維持費その他で総額310万円。そして10万キロ走る代わりにメタンガスを生産し、トマトを育て、ゴミを燃やすための二酸化炭素も削減できる。僕はサイクリストなんでクルマよりメタン発酵装置がいいや。
さらに多田先生はいずれ小型メタン発酵装置を軌道に乗せて、2020年のオリンピックの聖火をバイオメタンで灯そうとしているそうです。平和の象徴にぴったりですね。是非とも頑張ってください。
街の真ん中 Kuraxで味噌作りイベント
本日のブログの主役はこちら「ミヤギシロメ」大豆ですね。この大豆が味噌になるまでをレポートする「発酵シリーズ」ですが、なんと仙台味噌は出来上がるまでが半年!なので今日は第一弾の仕込みの様子をお伝えしますね。
会場はここのところチョクチョク登場するKuraxサロンです。しかし色んな講座を開催しているものだなぁ。
そして講師をしていただくのは、こちら。若林区荒町の味噌屋さん。佐藤麹味噌醤油店の社長の佐藤さんです。前にも一回、お店にお邪魔しましたね。
さらにお手伝いに東北工業大学環境サークル「たんぽぽ」の皆様。。。
おっと、おひとり受付でお仕事中です。インターンではないけど社会勉強中。
取材は2月28日。そして翌3月1日は就職活動の解禁日ですね。
では、佐藤さんから開会のお話です。
佐藤さんのお店は、創業が1603年。なんと伊達政宗さんの領内で麹屋さんを営んでいたのが始まりでした。政宗さんは美食家でしたので佐藤さんたち麹業者さんは居城が移る度に、米沢>>岩出山>>仙台とお店を移してきたそうで、仙台開府の頃には、あおば通のNTT付近にお店があったそうです。
政宗さんは麹屋さんに自由な商売をさせませんでした。麹屋は店ごとに販売する地区を決められ、伊達家の指示のまま商売をしていたのです。
ただ、あおば通のあたりは水が良くなかった。そのうちに伊達政宗公は隠居し居城は今の古城に移られたので、麹の商店たちも政宗が城へと通う道すがらの荒町に集団で移転したそうです。
ちなみに仙台味噌は仙台で名前がついたのではなく、仙台藩の藩士が江戸のお屋敷で近隣の藩の屋敷へ味噌を都合した際「仙台藩の味噌はうまい」と評判になり、江戸で仙台味噌と名付けられたそうな。ちょっといい話ですね。
ではでは。本日は皆さんの目の前にある「ミヤギシロメ」から、お味噌を作ります。
まずは一粒食べてみてください。なかなか豆の風味が美味しいでしょう。
それを、これから手でニギニギして潰していきます。
どんどん手が増えてきましたね。
各班一人は学生さんの力がないと、豆潰しの力が足りません。
粒が無くなるまでね。ニギニギ。
なかなか根気のいる仕事ですよ。
お店ではこんな感じに手で握って作るわけでは、もちろんありません。
「それでは商売にならないや〜」
って笑ってらっしゃいました
写真を撮ってて「あれ?この構図はどっかで見たな?」って思ったら、漫画のワンピースにこんな絵がありましたね。。。読んだことないけど。
そうか!あれは味噌を練ってたのか。
なにやら味噌作りの話が耳に届きましたが。。。味噌作りは最初は麹を発酵させるところから始まるそうです。
麹>豆を煮る>漬け込む
なんですね。
麹がバラけたら、これを先ほどの大豆に混ぜ合わせます。
混ぜても練る練る。
お水も加えて、さらに練る。
お塩も加えてさらに練る。
さて。いい感じになってきたら、手に掬った大豆をバケツの中に投げ入れます。
「ベッタン!」
そうすると、空気も押し出されるんですね。
さらに空気を抜く。よーく空気を押し出して。。。
4グループの豆を、ぜんぶ綺麗に重ねました。
はい。今日の作業はこれで完了。
仙台味噌は、出来上がるまで半年と長くかかります。
今できた豆を、少〜し食べてみてください。塩っぱいだけだから。
これから半年かけて、麹が豆を分解して、美味しい味噌に変えていくのです。
ちなみに味噌は、同じ樽から分けても各家庭で味が違うそうです。だから手前味噌なのか!
「保管する人の性格でも味が変わりますよ」
そうなのかぁ〜。
と、いうことで。仕込みは終わったから。
蓋をして半年間おやすみ。
だいたい3ヶ月後ぐらいに一回かき混ぜるので、チャンスを狙って僕が取材に行きますね。
ではでは、講師の佐藤先生に拍手〜。
そして、お土産もらって解散です。
お味噌ができるのを待つのも楽しみですね。
ちなみに、本日協力いただきました佐藤さんのお店の連絡先です。
店頭では500グラムから味噌の量り売りをしています。パック詰とは味が全然違いますよ〜。(前に買って食べた)
味噌作りの疑問なども答えてくれるそうです。
佐藤麹味噌醤油店
住所: 〒984-0073 宮城県仙台市若林区荒町27
電話:022-222-4712
発酵シリーズ第二弾「佐藤麹味噌醤油店」です。
いつのまにか名前が決まった「発酵シリーズ」お酒に続いて本日お邪魔しますのは、佐藤麹味噌醤油店さん。やはりお味噌と言ったらスローフードの原点。特に日本人は大豆を味噌にする、醤油にする、そして豆腐にしますよね。
「冷奴に醤油をつるっとかけて、日本酒のお供にペロッとね」
「あんた、大豆に大豆をかけて呑んでるよ」
確かにです。では、身近な存在だけど最近ではチョット疎遠になってしまったお味噌の話を聞いてみましょう。
お話しをうかがいますのは、代表の佐藤光政さん。
「ウチは、味噌を作ってもう410年。創業したのは1603年で、場所もここではなく、元はあおば通りのNTTさんがありますよね。あの側です」
これがその創業410年を記念して贈られた盾です。
知ってます?世界には創業200年以上の企業が5500社あまりあり、その半分以上の3000社が日本にある。でも〜佐藤麹味噌醤油店さんは創業410年とは。。。。ビックリです。
元は街中にあった味噌屋でしたが、伊達政宗が今の若林区古城に隠居で移る際に、市内にあった麹屋をまとめてここ、荒町に移させたんです。
もともと伊達政宗は美食家だったですからね。青葉城と居城の往復の道すがらに、好みの麹の商家を揃えたかったのでしょう。かつてはこの界隈でも60軒もの麹屋がありました。
政宗は、荒町に麹屋を集めましたが、店同士は競わせなかったんです。店ごとに味噌を売る地区を決めて、他所の地区の人が買いにくると他の店に行くように勧めた。ウチは六郷と七郷が担当だったんです。
ですがやはり、味噌も時代の波に逆らえず、家庭では簡単に作れる料理に軸足が移ってしまい、今ではウチ一軒のみが残っています。
ただ、スーパーで売っている味噌は、やはり原材料から違う。丁寧に材料から選んで作ると、どうしても値段が高くなってしまう。だけど「そこが良い」と、逆に量り売りで買っていってくれる人が今でも界隈にいる。大豆は外国のものでも作りますが、国産のものも当然作ります。味噌は大豆と米と塩から作りますが、本当のうちの麹の文字は「麴」を使います。麦に米なんですね。
ちなみに写真は、昔の量り売りしていた頃の樽です。この樽も、壊れるともう直せないのだとか。
樽を作っている木は直せるけど、箍(タガ)が直せない。たるんでる人の「たがが緩む」は、このタガを差します。
味噌を作り出す麹は、大豆のたんぱく質を酵素(プロテアーゼ)を使って分解してアミノ酸に変えます。このアミノ酸が医学の面からも認められるほど体にいい。
特に仙台味噌は、大豆1に麹0.8の割合で時間をかけて作るから、アミノ酸が豊富なんです。味噌って最初に麹と混ぜた時は白い色をしているんですよ。それが漬け込んで3ヶ月もする頃から、だんだん色がついてくる。麹が生きているからなんですね。
お味噌は元が同じ味噌のはずなのに、買って帰って家に置いておくと、それぞれ味が変わるそうです。その家その家で、家に住んでいる菌が違っているから、麹が生きている味噌はどんどん味が変わっていきます。手前味噌なんて言葉も、今は「自分の話をするとき」なんかに使われますが、もともとは家によって味が変わる味噌から来ているんですね。
ちなみに、美味しくて一番簡単な味噌の味わい方知ってます?
味噌をお椀に入れて、お湯で溶かしてあげる。これが一番味噌の味が解る。
風邪をひいた時なんかも、昔は「ネギと梅干し」を味噌に溶いて、アツアツを呑んだりしましたでしょう。味噌は滋養があって、体を温めるものなんです。
ファーストフードは体を冷やす。スローフードは温かくするから免疫力も強くなるんです。
こんなお話しを聞きながら店の片隅で「発芽玄米味噌なんてある。美味しそうだなぁ〜。」なんて写真を撮ってましたら。
「あ。これって解ります?」
団扇ではないですか。何故に団扇なんだろう?
「味噌屋は暑い夏場は基本的にヒマなんです。なので合間の手仕事で団扇を作った。昔は火をおこすにも涼むにも、なんに付けても団扇は必需品だった。これは柿渋を塗って強くした昔ながらの団扇なんです」
面白い話ですね〜。そういえば夏繋がりで、麹と言えば甘酒は昔は夏の飲物ですよね。
「はい。俳句でも甘酒は季語では夏になる。麹が酵素のアミラーゼを作って米のでんぷんを分解するから、糖とアミノ酸がたっぷり入っています。昔は夏バテ防止用の滋養の飲物だったんです」
え?
アミノ酸に糖分って言ったら、チョット前ならファイト一発!今ならRED BULLですね。
「そちらの看板、読めます?〈名代 阿満さけ〉って書いてあります。麹屋は甘酒も作りますから、お正月の初詣にも提供して喜ばれてますよ」
仙台味噌って、僕はあんまり知らなかったんですが、日本橋浜町生まれの父は知ってましたね。
「仙台って言ったら仙台味噌だろ。信州の白みそに関東の赤みそ。特に東北の仙台味噌はうまい」
ちなみに母は信州人なので、僕んちはどっちも食卓に並んだ。白みそは大豆に対して5〜6倍もの麹を使うので、風味に関しては断然仙台味噌の方が深いのだそうです。
お話しを聞いてると、佐藤さんのお味噌が食べたくなってくる。じゃ、1キロほどお願いします。
「1キロだと外国の大豆で作ったものが660円ぐらい。国産は1000円ぐらい。どうします?」
そうですね〜。お味噌って、毎日食べるものだけど、毎日買うものじゃないじゃないですか?だったら、こういうところにプチ贅沢って気持がいいんですよ。暮らしのグレードアップ。レベルが上がるってことですね。
じゃ、国産の・・・あ。甘味噌を担当さんに先とられちゃった。じゃ、僕は辛味噌下さい。
でも、こうやって桶から掬って詰めてもらうのって良いですね〜。
今の世の中、世知辛い。でも、ちょっと足を止めて知らない世界をゆっくり試してみるのもいいものですね。
発酵シリーズはまだまだ続く。
本日の取材先 ————–
佐藤麹味噌醤油店
仙台市若林区荒町27 連絡先/022-222-4712
雛人形と濁り酒と。森民酒造さんにお邪魔しました。
このブログでは、色んなところに出かけるけど今日は特に楽しみだなぁ〜。なんと酒蔵に取材です!う〜こりゃたまらん。
たびたび登場します若林区荒町商店街。本日の取材先は日本酒の醸造元。創業寛永二年、今年で164年の歴史を持つという「森民酒造」さんです。もう〜酒屋さんというだけで素敵な香りがしてきそうだ。
今日と明日の二日間は、荒町商店街の発酵物屋さんを続けて取材します。
お邪魔しま〜す。クンクン。すでになんだかいい香りがしますね〜。
なんでしょう?このいい香りの元は。
鼻をくすぐる芳香族の分子の素敵な香りは、ココから来ている!店頭には酒粕がポイッと積んでありました。
でも、今日の主役はこれではないんですよね。
ではでは、奥の方へ。さらにお邪魔しま〜す。
勝手に入っていいのかって?今日は入口でお願いすれば、とある場所に案内してもらえる、そんな日なのです。
そしてさすが、日本家屋ですね。立派な縁側が続きます。
荒町近郊の商店は、麹関連の家が集められたので間口の幅より奥行きがうんと長く、廊下がず〜と続きます。
そしてお座敷には雛人形が飾ってあります。
今日の取材は酒造会社の訪問もひとつでしたが、もうひとつの目的はこちらです。仙台市と白石市、大河原市に栗原市と、仙台市近郊で2月27日(木)から3月3日(月)まで開催されていますイベント「うれし 楽し 蔵deひなまつり」の取材です。
今日は江戸後期から森家に伝わるという雛人形を見せてもらいにきました。
では、本日お話しいただくのは森民酒造の代表で、お酒造りを接いで六代目の森徳英さんです。
「ウチの雛人形なんですが、江戸時代後期のもので、古い商家に残されているものは京都から持ってきたものが多いのですが、ウチのは関東のものです。よく見てもらうとわかるのですが、顔つきが一般的な雛人形のようにふっくらしていなくって、少し凛々しいんですよね。」
そして一番高いところに座っているのがお内裏様とお雛様、下に座っているのが五人囃子で、その他に控えているのも全て男性なんです。
雛人形はもともと関西から来たものなんですが、江戸は武家の文化。三人官女が追加されたのは江戸時代の中期以降の京都でのことで、関東から東は雛壇に女性がいなかったんです。
なるほどですね〜。
一応、和紙にも説明用に同様の事が書いてありました。なぜなら、「うれし 楽し 蔵deひなまつり」というイベントは、お願いすれば座敷に飾ってあるこの雛壇のところまで、一般の人でも上がって見せてもらうことが出来るんですよ。最近では住宅事情のせいかなかなか大きな雛人形を飾る事が少なくなってきました。だからこそパンフレット片手にぷらぷら街散歩をして、チョットお願いして雛人形見物なんてのも楽しいんじゃないでしょうか?
「まぁ、せっかく立ち寄っていただいているので、雛人形のこと、地域のこと、色々と説明させてもらうようにしています。あと、さらにウチは酒造会社なので、この季節ならではの濁り酒の試飲とか、直接販売なんかもしています」
ところで。。。ちょっと先ほどから机の上に載っかっています瓶が気になっていたんです。
なぜに雛祭りだと濁り酒なんでしょうね?
「まぁ、雛祭りなので甘酒を。大人の人は甘酒では物足りないでしょうから、濁り酒となる訳です。」
フ〜ム解ったようなわからないような理屈を付けるのは、酒飲みの常套手段ですね。まぁ〜理由があればお酒が美味しいという訳で、濁り酒。帰りに買ってかえろうかな。。。でも何で濁り酒って呼ぶのだろう?
“どぶろく”とは、どこが違うのかな?
そちらの理由は明快です。酒税法では、お酒が出来上がったら絞ってお酒と酒粕を分離しなければいけないからです。
もともと“どぶろく”はお寺や神社が神事やお祭りを行う時に作ることができた飲物で、今では酒税法も自由度がでてきて「どぶろく特区」など、地域おこしのために旅館などでも“どぶろく”が提供できますが、やはり製品となると一定の量は絞って分離してあげる必要があるんです。そのさじ加減で濁り酒が出来る訳です。
なるほど。世界中どこに行っても神事には昔からお酒が切っても切り離せないものですしね。
「もともと雛祭りも、昔は家族総出で箱から人形を出して、ひとつひとつ丁寧に飾るところからがお祭りなんです。人形を出して並べるというのは、ある意味ひとつの『おままごと』なんですね。ちらし寿司を作ったり、お花を飾ったり、これだけでも若い娘さんには大きな楽しみだったんです」
だから季節の行事が重要だった昔は、女の子は雛人形を飾るというだけでテンションMAXになる訳ですか。
ちなみに、ふと部屋の片隅を見ると、棚の中にも雛人形が。こちらは祖母の世代から集められてきた人形だそうです。ふむふむ。確かにウチの母も日本全国出かけるたびに各地で人形買ってきては並べていたなぁ〜。もともと雛人形は、代々こうやって受け継いで収集してきたものなんだなぁ〜。
そして、その下にあるこの小さなオチョコはいったい何なんですか?
「あ〜それは、昔はお酒を樽などに入れて量り売りしていたので、買ってくれたお客様にはオマケとして付けていたんです。今で言うところのノベルティですね」
へぇ〜。確かに時代劇などを見ていると、祝い事があるっているとお酒は角樽に入れられていた。考えてみるとずいぶんエコですね。
「ウチは古い業界なんで、一升瓶なんか完全にエコですね。緑とか茶色の瓶は、ほぼ全数が回収されて瓶屋さんで洗って再利用されます。汚れ落としだって、元がガラスなんで汚れがこびりつかない。お湯で洗ってあげると綺麗になるんですよ」
一升瓶は殆どがリサイクルされている。五合瓶はそこまではいかないけど、リサイクルを目的に作られている瓶もある。よ〜っく見ると、Rの文字がついた瓶があるそうで、これは基本リサイクルをするために作られた瓶なんだって。全く気がつきませんでしたね〜。
では、座敷での話もこのへんにして、仕込みの現場を見てみますか?
待ってました!発酵シリーズ期待の、工場見学です!
入口からすでに気になる巨大な蓋が。
発酵の現場って、雑菌を持ち込む恐れがあるから、なかなか足を踏み入れることができないんですよね。
まず始めに紹介していただけたのは、仕込みに使う井戸水です。
森民酒造の敷地内の井戸から汲み上げられる水なのですが、少々特徴があります。
日本は水が豊かな国だと言っても、その殆どは「軟水」です。山がちな国土で、山に降った水は地下に浸透したとしてもヨーロッパのような石灰層をくぐり抜けてくる訳ではないのでミネラル分はさほど多くないのです。<<ちなみに日本で売られているヨーロッパ製のミネラルウォーターは「硬水」です。
ところがこの井戸から出てくる水は、仙台近郊に降った浸透水と、広瀬川の地下に浸透した伏流水とが混じりあってできた硬度が約60の「中硬水」です。カルシウムとマグネシウムの含有量で水の硬度は決まるのですが、では。。。チョット試飲をさせてもらいました。
「ウ〜ム。舌に残る独特の風味は、確かにミネラルウォーターなどでお馴染みのあの味だなぁ」
では、全国の数ある水道の中では美味しいと言われている仙台市の水道水を続けて飲んでみますと。
「あ!あきらかに違う。こちらの方はフワッとした味に丸さがある」
面白かったです。なかなか水をこうして飲み比べるということは無いですね。
この横にある大きな桶は何でしょう?
「これはお米を洗う桶です。水流で自然に撹拌して一気に洗うんです」
でも、これはお米を芯まで削ってつくる大吟醸のお米には使えないそうです。あちらは袋に入れて、優しく洗わないと壊れてしまうそうです。
そして、序盤に登場したこの貫禄のある巨大な蓋は何でしょう?
良く見ると鉄の輪っかにリングのようなものがついて、どこかで見たような形ですね。。。
お釜でした。お米を炊く巨大なお釜です。
蓋を開けると、フワッと蒸気が立ちのぼってきます。
「いま蓋を開けて覗いてもらったものは電気の釜で、その横にあるもうひとつの釜は石炭で炊く釜です。」
なるほど!さっきから地下に降りていく階段が何なのか?気になっていたところなんですよ。
「ラピュタに出てくるパズーの家みたいですね」とは担当さん。
「この右手のところは石炭を入れておく部屋で、レンガのところが火を入れる竃。昔は悪いことすると石炭の部屋に放り込まれて、暗くって怖くってね〜」
わかります。どの家にも押し入れとかお仕置き部屋ってありましたね。
さらに、工場の奥の方を見せていただくと、何やら小さなお部屋が。
こちらは、蒸し上がった米に麹を混ぜる麹部屋です。お米の“でんぷん”は、そのままでは酵母のエサにならないので、最初に麹を使って“でんぷん”を分解し“糖”に替えるんです。そのためにこの部屋があります。
お米に麹を加えて巨大な球を作ってあげる。この巨大なご飯の球は麹の力で分解が進むので、とても暑くなる。熱いままだと良くないし、麹が均質に行き渡っていないと品質にも影響する。だから杜氏は一日に何回も巨大なお米の球を崩してまぶし、また球に成形するのです。
お酒が出来上がるには、今度は酵母の力を借りて糖をアルコールに代えてもらわなきゃいけない。西洋のお酒は原料がブドウとか、果実から作るものから始まっているでしょう。日本のお酒はでんぷんから作る。ひと手間多い分だけ、発酵への知識が必要なんです。
では、見てみますか?
お。見えてきた見えてきた。
「あんまり覗き込むと、炭酸ガスを吸い込んで気分が悪くなったりするから気をつけて」
いや。素晴らしい香りに、気持がホワーンとしています。
こちらは仕込んでからすでに3週間ほど経っている品で、だいぶ表面が落ちついています。
「アルコールというのは生き物の活動を抑制する作用があるので、発酵がすすんでくると酵母の活動が鈍ってくるんです。でも、酵母の活動が鈍ったまま放置すると他の菌が活動を始めたりするので雑味が生まれたり、酸っぱくなったりします。ここで水分を調整したりして活動を維持してあげるのが、腕の見せ所です」
なるほど〜。ちなみにタンクに移した初期のころは、表面がボコボコ泡立って、激しく発酵がすすんでいるのが見てとれるそうですよ。
ということで、楽しい工場見学もここまで。
店頭では「うれし 楽し 蔵deひなまつり」にあわせて限定販売する「雛祭りにごり酒」が用意されていました。
発酵って、お話しを聞くと奥が深くて、どんどんのめり込んでしまいますね。日本酒は、数あるお酒の中での甘いもので、食前や食後ではなく、ゆっくりとご飯を食べている時に、味わいを楽しむものなんだそうです。ゆっくり食べる。楽しんで食べる。スローフードにもってこいのお酒なんですね。
酒造会社では、新酒が出来上がると軒先の杉玉を新しいものに替えて「おいしいお酒が出来たよ〜」と道ゆく人にアピールします。
最後に社長さんに言われました。
「ここで生まれたから解らないけど、仙台って、そんなにいいですか?」
「はい。街をブラブラ散歩して酒蔵で新酒買って、また街中へと戻るなんて、他の大都市では出来ません。ここは散歩に適した、ちょうど良い大きさの街だと思います」
週末に、普段は巡り会えない「何か」を探しに、パンフレット片手に散歩も楽しいかもしれませんね。発酵シリーズはまだまだ続く。
————- インフォメーション ————-
「うれし 楽し 蔵deひなまつり」
仙台市近郊の商店などに飾られた雛人形を、チョット覗いて歩くことが出来るイベントです。パンフレット持参で飲物のサービスがあったり、限定品の商品が買えたり、入場料のサービスがあったりと楽しい企画です。
2月27日から3月3日まで、全27会場で実施中。
詳しくは公式サイト、もしくは参加店でパンフレットを配布しています。
本日の取材先 ————–
森民酒造本家
仙台市若林区荒町53番地 連絡先/022-266-2064