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マルハナバチって、どんなハチ? ~カードゲームとお話で楽しむ、ハナバチと花の世界~ 【オープンサロン講座】

たまきさんサロンスタッフです。12月22日(土)のオープンサロン講座は、遊びながら、マルハナバチの生態を学べるカードゲームの「まる花札」を制作された東北大学生命科学研究科 学振特別研究員RPDの小林知里さんと大野ゆかりさんにお出でいただき、「マルハナバチって、どんなハチ?~カードゲームとお話で楽しむ、ハナバチと花の世界~」を開催しました。


「ハナバチ」と言えば「ミツバチ」を連想される方が多いのではないかと思いますが、実は「マルハナバチ」も私たちの身近にたくさん住んでいて、重要な花粉の運び手なのです。
「マルハナバチ」だけに花粉を運んでもらえるように形を特化した「マルハナバチ媒花」というものまであるのだそうです。


まずは、大野さんから「マルハナバチ」から見る生物の多様性についてお話をしていただきました。

「マルハナバチ」ってどんなハチ?


かわいいと思うチャームポイントはおとなしくて、ちょっとドジで、食いしん坊、毛がふさふさとしていて丸っぽく、比較的大型で1~2㎝の大きさです。
普通の「ハチ」はひとつの花を取り合うのですが、「マルハナバチ」はみんな集まって仲良く蜜を吸っている光景をよく見かけます。
「蝶」に肩を組んでいるように手(足?)をかけ、蜜を吸っている姿を見ることもあるそうです。


おとなしく、ほぼ攻撃することはなく、威嚇行動は、ばんざいをして体を大きく見せることなのだそうです。
また、働きすぎて、ハゲてしまう頑張り屋さんの「マルハナバチ」もいるそうです。
ヨーロッパでは「ミツバチ」よりもポピュラーな「ハナバチ」です。


見分けるのはちょっと難しく、外来種も含め日本には16種が生息しています。


「クロマルハナバチ」の特徴はちょっと毛が短めで、黒いのはメス、オスは黄色と黒のシマシマでおしりがオレンジの派手なすがたをしています。


「マルハナバチ」は、「花粉かご」を持つ真社会性のハチです。
「花粉かご」とは足に長い毛があり、ここに「花ふんだんご」をいれるのだそうです。「マルハナバチ」のほかに「ミツバチ」、「シタバチ」、「ハリナシバチ」がいます。
「真社会性」とは「働きバチ」が「女王バチ」の子育てを手伝います。「マルハナバチ」のほかに「ミツバチ」、「ハリナシバチ」がいます。「マルハナバチ」はその中でも寒い地域に生息する種類になります。


土の中に巣を作り、1年でコロニーが終わってしまうのだそうです。
「女王バチ」は春先に冬眠から目覚め、一匹で土の中に巣をつくり、蜜や花粉を集め卵を産みます。
そこから生まれた子供たちが「働きバチ」になり、「女王バチ」を助けるようになると、「女王バチ」は卵を産むことに専念できます。
ここまではみんな女の子なのです。秋になると男の子が生まれ、「新女王バチ」と交尾をするのですが、そのころには「新女王バチ」を除くほかのハチは皆 死んでしまうのです。そして「新女王バチ」だけが冬眠に入るのだそうです。


「マルハナバチ」は頭が良く、サッカーをするそうです。人が訓練すると、「ボールが来るとゴールする」ことを覚えるのだそうです。
むずかしい花の形や色や、花の色の変わり方を覚えなければならないためです。


「マルハナバチ」によって舌の長さが違い得意な花が変わってきます。


お話しのまとめとして、生息数が減少傾向で、保全の対象になっている「マルハナバチ」のために、わたしたちにできることを教えていただきました。

その1、「まる花札」でお勉強しましょう。
その2、「マルハナバチ」が好きな花を育ててみましょう。
少し難しいですが、近隣に咲いているハチが好きな花の種を一部とって育ててみましょう。苗を抜いてしまうとその花は枯れてしまうので、生態系をくずさないようにしなければなりません。また、外来種には注意を払うことが大事です。
その3、【花まるマルハナバチ国勢調査】に調査に参加してみましょう。
写真を撮って「hanamaru.maruhana.870@gmail.com」へ送信することで、日本国内での「マルハナバチ」の現状を把握することができます。
ぜひご協力をお願いします。
講座終了後に【Hanamaru Maruhah Project】(ホームページ)を見てみました。その中では日本国内の「マルハナバチ」の分布をみることもできました。


さっそく、小林さんに教えてもらいカードゲーム「まる花札」で遊んでみました。
なぜ、花が咲くのかというと、花粉を運んでもらって種を作らなければならないのです。運んでもらうための広告塔が花なのです。種をたくさん作るためには、花をたくさん咲かせてたくさんのハチに働いてもらうことが大切なことなのです。


「まる花札」は24種類2枚ずつで48枚の花カードと、6種類のマルハナバチのカードがそれぞれ2~3枚、花粉カードや蜜いっぱいカード、捕食者カード、天候カードがあります。
花カードの下部にマルハナバチの種類ごとに色分けされて「好き度」が記してあります。


まずは練習です。

場札はハチカードです。「コマルハナバチが飛んできました。」
手札の花カードから、場札として飛んできた「コマルハナバチ」の好きな花のカードを選び「せーの!」で、花の名前を言いながらいっせいに出します。
「かたくり、好き度4」、「とちのき、好き度7」、「りょうぶ、好き度2」、「ふじ、好き度2」、「ぎんりょうそう、好き度2」など全部で13種類ありました。
「コマルハナバチ」は好き嫌いがあまりないようです。場に出そろった手札の花カードの中は「とちのき、好き度7」が勝ち!となり、「とちのき」カードを出した人の獲得札となります。
「好き度」と表しましたが、「ハチ」の種類ごとにどのくらいその花を訪れるか、その頻度を数値化したのだそうです。


「オオマルハナバチ」は舌が短いハチなので花が長くて蜜まで舌が届かないときに、花に穴をあけて蜜だけ取り、花粉は運ばない「盗蜜」をします。
「こばぎぼうし、盗蜜マーク好き度3」「たにうつぎ、盗蜜マーク好き度4」「つりふねそう、盗蜜マーク好き度4」盗蜜マークのカードは勝った人の獲得札とはならず「流れ札」となります。

「マルハナバチ」の生態と花との関係がわかりますね。
ゲームとしての駆け引きも味わえます。
場札や手札が無くなったら終了で、獲得札の「ハチカード」「花カード」の種類の多い人の勝利となります。


さて応用編です。

「花いっぱいカード」「花粉カード」「蜜いっぱいカード」と「捕食者カード」を加えてみましょう。
「花カード」と組み合わせて使うカードですが、「花いっぱいカード」「花粉カード」「蜜いっぱいカード」は加点カードです。
例えば「しろつめぐさ、好き度8」を出した人と、「しろつめぐさ、好き度8」と「蜜いっぱいカード+2」を一緒に出した人とでは「蜜いっぱいカード」を一緒に出したひとの勝ちとなります。


そして「捕食者カード」、どの「花カード」とも組み合わせて使える危険マーク感のあるこのカードを出した場合は「好き度」が一番低い人の勝ちとなるのです。
「マルハナバチ」の捕食者である「おおすずめばち」と「しおやあぶ」は、「マルハナバチ」がたくさん花に集まるとそれを狙ってやってきます。
そして食べてしまうのです。好き度が高い(人気の高い)花は危険性が高いということを表しているそうです。


さて、本番です。



「花いっぱいカード」、「花粉カード」、「蜜いっぱいカード」と「捕食者カード」が入ると白熱します。

今回は時間の都合で応用編2までしかできませんでしたが、「ペアカード」や「天候カード」を使用する応用編4まであります。


大野さんが連れてきてくれた「マルハナバチ」です。とてもかわいらしい風貌です。

「まる花札」は対象年齢8歳以上で東北大生協理薬店(仙台市青葉区)にて1,800円でお取り扱いしているそうです。また、別途送料が掛かりますが、”大阪自然史博物館友の会ネットショップ(http://omnh-shop.ocnk.net/product/1705)”でもお取り扱されているそうです。


カードゲームで夢中になるほど「マルハナバチ」の種類やそれぞれの生態系を知ることができ、「マルハナバチ」はかわいらしい身近の生物であり、わたし達とのかかわりを考えさせられる内容となりました。
小林知里さん、大野ゆかりさん、参加者の皆さま、ありがとうございました。


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せんだい環境学習館 たまきさんサロン
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「たまきさんサロン新着図書情報」

たまきさんサロンスタッフです。
新着図書のご案内です。

・「とんでもない」(アリス館 鈴木のりたけ)
・「オレ、カエルやめるや」(マイクロマガジン社 デヴ・ベティ/マイク・ボルト/こばやしけんたろう)
・「よーくかんがえるカエルくん」(福音館書店 いわむらかずお)
・「「地域猫」のすすめ-ノラ猫と上手につきあう方法」(文芸社 黒沢泰)
・「ほろっと泣けるいきもの図鑑」(学研プラス 今泉忠明(監修))
・「音のない世界と音のある世界をつなぐ ユニバーサルデザインで世界をかえたい!」(岩波書店 松森果林)
・「みえるとかみえないとか」(アリス館 ヨシタケシンスケ/伊藤亜紗)
・「白崎裕子の必要最小限レシピ 料理は身軽に」(KADOKAWA 白崎裕子)
・「ニッポンの肉食」(筑摩書店 田中康弘)
・「土 地球最後のナゾ 100億人を養う土壌を求めて」(光文社 藤井一至)
・「自然栽培 食が変われば、すべてが変わるVol.16」(東邦出版 木村秋則/農業ルネサンス『自然栽培』編集部)
・「「自然」という幻想 多自然ガーデニングによる新しい自然保護」(草思社 エマ・マリス/岸由二/小宮繁)
・「もう「ゴミの島」と言わせない」(藤原書店 石井亨)
・「昆虫学者はやめられない」(新潮社 小松貴)
・「やまのかいしゃ」(福音館書店 スズキコージ/かたやまけん)
・「生物多様性は復興にどんな役割を果たしたか」(昭和堂 中静透/河田雅圭/今井麻希子/岸上祐子)
・「森の生活」(荒竹出版 H.D.ソーロウ/神原栄一)
・「人イヌにあう」(至誠堂 コンラート・ローレンツ/小原秀雄)

図書は、おひとり3冊まで2週間借りることが出来ますので、ぜひご利用ください。
貸出カード作成時に身分証明書が必要となります。
二回目以降は貸出カードをご提示のうえ、貸出票に必要事項をご記入ください。

たまきさんサロンへ、ぜひ足をお運びください。
皆様のお越しをお待ちしております。

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仙台の地層と化石から読み解く大地の歴史 【サロン講座】

たまきさんサロンスタッフです。

12月9日(日)に東北大学総合学術博物館の高嶋礼詩(たかしま れいし)先生をお迎えして、 「仙台の地層と化石から読み解く大地の歴史」と題したサロン講座を開催しました。仙台の歴史を地質学の観点から学習してみようという内容です。高嶋先生は地質学の分野、特に白亜紀の環境変動や白亜紀~新第三紀の火砕流・火山灰層の対比について専門に研究されています。

異なる種類の岩石が積み重なることでできている地層を調べることによって、「いつできたのか」と「どんな場所でできたのか」という大地の歴史を読み解くことが出来ます。

地球表層の岩石は堆積岩と火山岩に大きく分けることができます。

堆積岩の中に閉じ込められている動植物の化石の種類を調べることによって、いつの時代に生息していた生物かがわかり、有孔虫のように大量に海中に生息し、さらに水深によって種類別に棲み分けている生物の場合だと、当時の海の深さまで推定することができるわけです。

一方、火山岩の場合は化石は存在しませんが、マグマの種類によって「玄武岩」「安山岩」「流紋岩」というように種類が分けられます。SiO2含有量が少ない粘性の低い玄武岩質マグマは、地表に噴出すると溶岩流となって流れ下ります。SiO2含有量が多く粘性が高い流紋岩質のマグマは火砕流となって噴出し、火砕流堆積物として白く軟らかい軽石状の岩石となるのです。

つまり、地層に含まれる火成岩や火山灰を調べることによって、その時代その場所でどのような火山活動があり、どのような噴火が起きていたのかを推定することができます。

では、古い時代(2000万年前~1600万年前)から新しい時代(250万年前~現在)の仙台周辺は、どのように変化してきたのでしょうか?
仙台の大地の歴史を大きく5つの地層に分けて探っていきます。

【日本海拡大と海底・陸上噴火の時代の地層】(2000万年前~1600万年前)

ユーラシアプレートと太平洋プレートの移動によって、ユーラシア大陸から引きはがされるような形で日本列島が誕生し、日本海が拡大します。この時代は、仙台どころか東北日本全体が火だるまの状態でした。地層的には「高舘層」が形成された時代です。細倉鉱山、秋保鉱山、川崎鉱山などは、この時代の熱水鉱床がもとになっているそうです。

【東北日本沈没の時代の地層】(1600万年前~800万年前)

この時代の日本列島の地下は、引っ張りや圧縮が弱まり、大地が冷えることによって沈降が起きます。海水が入り東北地方は水没しました。地層的には「茂庭層・旗立層」「綱木層」が形成された時代です。
青葉山周辺も数10m~200mの深さの海で覆われた時代で、地層からは、この時代の海の生物の化石が見つかります。なお、この時期では奥羽山脈付近の方が海は深く、作並の辺りは1000mの深さの海だったそうです。

【カルデラ噴火の時代の地層】(800万年前~650万年前)

この時代になると、東北地方の大地は東西から弱い力で圧縮されるようになります。東北地方はどんどん隆起し、それに伴い火山活動が活発化していきます。地底には、巨大なマグマだまりができ、カルデラ噴火という通常の火山噴火の数千倍以上の大規模噴火が頻発します。火砕流の噴出により大地が広範囲に陥没し、巨大なカルデラができます。東北日地層的には「湯元層・梨野層」「白沢層・三滝層」が形成された時代です。本は、巨大な穴だらけで火山灰に厚く覆われた状態だったことでしょう。

地層的には「湯元層・梨野層」「白沢層・三滝層」が形成された時代です。

仙台の中心部(青葉山の西側一帯)には「白沢カルデラ」」という巨大カルデラができ、その陥没部分には湖ができて、その湖底に堆積した堆積物が「白沢層」です。この地層からは、植物化石が多く産出します。噴出した火砕流の堆積物が「秋保大滝」や「磊々峡」を形成している岩石です。また「権現森」「蕃山」「太白山」は、このカルデラの縁に出来た火山体のなれの果てなのだそうです。

【海水準変動の影響による地層】(600万年前~250万年前)

この時代には、「亀岡層」「竜の口層」「向山層」「大年寺層」が形成されました。陸地だった地層と海中に没した地層が交互に入れ替わります。陸地だった「亀岡層」「向山層」は沖積平野で形成された地層です。仙台の亜炭は、この時期にできた化石です。

水没し内湾で形成された地層が「竜の口層」と「大年寺層」です。「竜の口層」は福島県沿岸部から北上川沿いに岩手県の花巻周辺まで分布しています。ここ青葉山も海中にありました。この地層からは、二枚貝の化石が多く産出します。

「向山層」には、この時代再び多くのカルデラが形成され、「広瀬川火砕流」と呼ばれる大規模な火砕流が噴出した形跡が残されています。火山灰は8mの厚さに達したとみられ、「広瀬川凝灰岩」として地層に痕跡を残しています。

【奥羽山脈隆起と成層火山の形成】(250万年前~現在まで)

比較的新しい時代になると、大地が東西から強い圧縮を受けて、奥羽山脈が大きく隆起します。作並断層がその名残りです。同時に火山活動が活発化し、奥羽山脈では多くの火山が形成されます。泉ヶ岳や船形山が出来た時代です。現在でも多くの火山が活発に活動し、奥羽山脈沿いには多くの温泉が見られます。

私たちが普段暮らしている仙台の大地には、このように劇的な変動を繰り返して来た大地の歴史が隠されていたのですね。地層に残された化石や岩石を調べることによって、数千万年前の太古の環境を推測することができるということがわかりました。

講座の後半は、「東北大学理学部自然史標本館」に移動し、館内の展示物を高嶋先生の解説付きで見学しました。

初めて入館された参加者も多く、時代別に展示されている化石や鉱物、貴重な地学資料などが一般公開されていることに驚かれていました。

今回のサロン講座では、2000万年前にさかのぼって、どのようにして仙台の大地が形成されたのかをわかりやすく教えていただきました。
竜の口渓谷のような山の中で、なぜ海の生物の化石が見つかるのかという大きな謎が解けました。

二ヶ所の会場を使っての講座となりましたが、高嶋先生、参加者の皆さん、ありがとうございました。

 

 

 

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磨きサロン2~森林を未来に残す林業を知ろう~【サロン講座】

たまきさんサロンスタッフです。
11月17日(土)のサロン講座は、仙台で生まれ、現在は南三陸町で「新しい林業のかたちを作り出そう」とされている、株式会社佐久の佐藤太一さんを講師に迎え、「磨きサロン2~森林を未来に残す林業を知ろう~」を開催しました。

“磨きサロン”は…木とふれあい、磨きながら林業について学び、気軽に質問をしてもらえるような講座にしたいと名付けました。

まずは、林業のお話からはじまりました。

 

 

突然ですが、質問です!

身の回りで、木でできているものは何ですか?

元気よく手を挙げた男の子が「ティッシュペーパー」と答えてくれました。
ティッシュペーパーや紙、新聞も木からできています。
その他には、家(建築材)や家具などもあります。

では、材料となる木はどのように育ち、その木を育てる林業とはどんな仕事なのでしょうか。

山には、個人や国、県、市、町など持ち主がいます。
山に木を植樹し、若い木が雑草に負けないように除草しながら育て、節の部分が生じないように枝打ちし、間伐(育てたい木の邪魔な木を伐り)をし、約50年かけて木材として使うことができるまで育てます。

 

育てた木を伐り、丸太を山の外へ運ぶところまでが講師の佐藤さんのお仕事だそうです。
ちなみに、運ばれた丸太を使えるようにする製材所も林業の仕事の一つです。

木は伐っても再植樹し半永久的に育てることができますが、受け継がれず持ち主が分からなくなって放置される山も増えてきているそうです。
そのような山は、山のはたらきがなくなり荒れてしまいます。

山のはたらきとは何でしょう?

山には主に4つのはたらきがあります。
①木の根っこが土を抑え、土砂崩れを防ぐ。
②動物の棲みかとして生態系を守り、たくさんの植物が育って土を豊かにする。
③栄養たっぷりな土がきれいな水を作る。
④二酸化炭素を吸収して酸素を作り、空気をきれいにしてくれる。

約75年前までは、木を燃料として使用していたため、木が育つのを待たずに無計画に木を伐り水害や土砂崩れなどの災害も多く起りました。

海外では、丸太を運ぶ道を無理やり作って作業するため、山のはたらきがなくなり森林破壊につながっているところもあるそうです。

 

 

手入れがされず放置されることで、地面に光や当たらず、雨の水も届かず、木の根が弱くなり大雨が降ると地滑りを起こす山もあります。

今、木材生産のためだけではなく、山のはたらきを守り地面に光を届ける管理された林業が求められています。

海産物で有名な南三陸町ですが、77%は山に囲まれており、林業が盛んです。
山と海はつながっていることから、南三陸町の漁師さんは山のことを考え、林業家も海のことを考える町民性があると佐藤さんは言います。

 

東日本大震災後、南三陸町では持続可能なまちづくりの一環として、いつまでも木が育つ環境をつくり、適正な管理をする林業の証となる国際的な協議会「森林管理協議会」の国際森林承認(FSC認証)を2015年10月に取得しました。

 

 

FSC認証は現状の改善だけではなく、
①「経済」継続的、安定的な森林資源の供給
②「環境」自然林を残し、人工林でも多種多様な生き物が生息できる環境づくり
③「社会」労働者、先住民族の権利を尊重し、地域社会へも貢献
の3つの視点から10項目の原則をクリアしなければ認証登録は出来ません。

持続可能な適正に管理された木材を使用した製品には“FSC認証マーク”が付いています。

身の回りの木でできている製品に“FSC認証マーク”が付いているか探してみてください。

 

FSC認証登録された木材を使用している製品を選んで購入することは私たちが出来ることの一つです。

いよいよ、木とふれあう時間です。

同じものが無い枝を使って作ったスプーンとフォークのキットをそれぞれ選び、枝の皮を剥いて磨いていきます。

柄の部分は、山の手入れをすることにより大量に出る枝を使用しています。
昔は燃料として使われていた枝は、今は利用方法が少なくそのまま山に放置され作業員のけがの原因や植物の成長の邪魔にもなるそうです。

 

 

甘皮を残しても味が出ますし、甘皮で模様のようにしてもいいし、自分の手に馴染むように削っていいですよ!
正解はありません、自由に削って磨いてください。

まずは、小刀やカッターを使い、木の皮を剥ぐ作業をしました。

小刀の使い方も教わりながら、チャレンジ!

 

 

 

徐々に上手になりました。

 

 

 

 

皮が剥けたら、紙やすりで磨きます。

 

 

 

 

 

皆さん集中して作業していましたが、徐々に会話が生まれ、和やかな雰囲気になりました。

枝の利用方法などアイディアも生まれたようです。

 

木の枝の節の部分を活かしたり、甘皮で模様を描いたり、それぞれ素敵なスプーンやフォークが出来上がりました。

林業や山のはたらきを教わり、私たちの日常生活との関わりを知ることができました。
佐藤太一さん、参加者の皆さま、ありがとうございました。

 

 

 

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「たまきさんサロン新着図書情報」

たまきさんサロンスタッフです。
新着図書のご案内です。

・「池の水をぬいた! ため池の外来生物がわかる本」(加藤英明)
・「眠れなくなる宇宙といのちのはなし」(佐藤勝彦/長崎訓子)
・「クマと少年」(あべ弘士)

 

・「なんでも未来ずかん どうなる?こうなる!ボクらの未来へ出発だ!!」(川口友万/川崎タカオ 他)
・「ジャングルのサバイバル(10)最後のバトル」(洪在徹/李泰虎)

 

・「せきらんうんのいっしょう」(荒木健太郎/小沢かな)
・「虹の図鑑 しくみ、種類、観察方法」(武田康男)

 

・「おりがみで作る入れ子の箱」(布施知子)
・「リサイクルと世界経済 貿易と環境保護は両立できるか」(小島道一)

 

・「鹿と日本人 野生との共生1000年の知恵」(田中淳夫)
・「カラス学のすすめ」(杉田昭栄)

 

・「世界史を大きく動かした植物」(稲垣栄洋)
・「自衛隊防災BOOK」(―)

 

図書は、おひとり3冊まで2週間借りることが出来ますので、ぜひご利用ください。
貸出カード作成時に身分証明書が必要となります。
二回目以降は貸出カードをご提示のうえ、貸出票に必要事項をご記入ください。

たまきさんサロンへ、ぜひ足をお運びください。
皆様のお越しをお待ちしております。

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葉っぱで遊ぼう!~冷蔵庫劇場~【サロン講座】

たまきさんサロンスタッフです。 11月11日(日)にサロン講座「葉っぱで遊ぼう!~冷蔵庫劇場~」をたまきさんサロンに て開催しました。

 

 

 

 

 

【ハート&アート空間 ビーアイ】の、 関口ぞうかば子さん(ちびっ子たちの声 がよく聞こえるような大きな耳の持ち主 のゾウさんといつでも「ワッハッハー」 のカバさんでぞうかば子さんなのだそう です。)と、ちーずさん、さわてぃさん にお出でいただきました。

 

はじめに、ぞうかば子さんから、「食べられる葉っぱ、食べられない葉っぱ、いろいろな葉っぱがあります。 人は赤ちゃんから大人へどんどん変身していきます。 葉っぱも実(じつ)はね、いつも変身しているのです。 今日は葉っぱを眺めて使って秋を楽しみましょう~。」とお話をいただきました。

葉っぱの種類を教えてもらいながら、 ホワイトボードでペッタンコ劇が始 まりました。 登場人物の「ワハハちゃん」、 「ミドリヨタくん」や「地下鉄」、 「怪獣鳥」で物語の世界が出来上が りました。 後ろにマグネットシートを張り付け てあるので、おうちなら冷蔵庫がペ ッタンコ劇場に早変わりです。 ぞうかば子さん曰く、冷蔵庫やホワ イトボードなど磁石がつくものは、 親戚です(笑)。

 

ぞうかば子さんも私たちスタッフも 色とりどりのいろいろな形の葉っぱ を準備しましたが、少しの時間、外 に葉っぱを集めに行きました。

 

 

 

よ~く地面を見てありんこの目になった り、キリンの目になって葉っぱを探しま す。

 

 

 

「これは、ゾウの鼻になるかな~」 「これは何になるかな~」

 

 

 

用意しておいた葉っぱと 今、外で拾い 集めた葉っぱ、みなさんがお家から持っ てきた葉っぱも加えて制作にかかります。

 

 

 

 

 

 

 

フィルムに作品を挟み込み、ラミネータ ーで熱処理します。 出来立てほやほやは熱々で、 重石代わ りの厚い重い本で挟んで冷ますとぺった んこになりました。 裏側にマグネットシートを 張り付けて 出来上がりです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは、ぞうかば子さんのお家で採った オリーブの葉っぱのブーケ。 お花がなくても素敵です。 葉っぱはいろいろな表情を持っている事 に気づかされました。

 

 

 

たったひとつしかないすてきなすてきな 作品がずらり。 さっそく、ちびっ子たちには物語が出来 上がっているようです。

 

 

 

ぞうかば子さんにみなさんが作った作品 で 冷蔵庫の親戚の磁石がくっつくドア で、即席の劇をしていただきました。

すてきな作品ばかり、そして笑顔がたくさんの講座となりました。 【ハート&アート空間 ビーアイ】の、関口ぞうかば子さん、ちーずさん、 さわてぃさん、ご参加頂いたみなさん、ありがとうございました。

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中学生が選んだ“おすすめ図書”を展示しています!

たまきさんサロンスタッフです。
仙台市立五橋中学校の3名の生徒さんが、たまきさんサロンで職場体験学習を行いました。

図書の貸出やサロン講座の準備といった業務を体験していただいた他、たまきさんサロンにある約2,000冊の図書の中からおすすめの本を1冊ずつ選び、“おすすめ図書コーナー”のディスプレイを作成しました。

「以前から興味があり、読んでみたら面白かった本」「写真があり、解説も分かりやすいので読んでもらいたい本」「著者の言葉に共感し、小学校の頃に読んで参考になった本」をそれぞれ選びました。
アイディアが出たら即行動!で、あっという間にディスプレイが出来上がりました。

“おすすめ図書コーナー”は下記期間にたまきさんサロン内に設置していますので、五橋中学校の皆さんが選んだ本とディスプレイをご覧に、ぜひ足をお運びください。

【設置期間】 11月16日(金)~11月30日(金)※19日(月)、26日(月)は休館日

五橋中学校の皆さん、一緒にお仕事出来てよかったです。
ありがとうございました。

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せんだい環境学習館 たまきさんサロン
平 日 10:00~20:30
土日祝 10:00~17:00
休館日 月曜(月曜が休日の場合は、その翌日)祝日の翌日・年末年始

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たまきさんサロン職業体験学習で“おすすめ図書コーナー”を作りました!

たまきさんサロンスタッフです。
仙台市立蒲町中学校の生徒さん3名が、たまきさんサロンへ職業体験学習に来ました!

開館準備や図書貸出業務のほか、約2,000冊あるたまきさんサロンの図書の中からそれぞれ1冊おすすめの本を選び、“おすすめ図書コーナー”を作りました。

事前に画用紙の切れ端や包装用リボンなどを用意していましたが、生徒の皆さんのアイディアで、自宅で使わずにとっておいた材料を持ち寄り、ディスプレイを彩りました。

“おすすめ図書コーナー”は下記期間にたまきさんサロン内に設置していますので、蒲町中学校の皆さんが選んだ本とディスプレイをご覧に、ぜひ足をお運びください。

【設置期間】 11月9日(金)~11月23日(金・祝)※12日(月)、19日(月)は休館日


蒲町中学校の皆さん、一緒にお仕事出来てよかったです。
ありがとうございました。

 

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天気にまつわる言い伝えは本当?~自分でできる天気予報~【サロン講座】

たまきさんサロンスタッフです。
10月21日(日)のサロン講座は、日本気象予報士会 東北支部の金野義典さんを講師に迎え、親子講座「天気にまつわる言い伝えは本当?~自分でできる天気予報~」を開催しました。

皆さんは、普段、空を見上げることがありますか?

まず始めに空を見上げてみよう。
今日は雲ひとつない晴天で、
十三夜だそうです。
お月見も絶好の天気です。

道具を使わずに空模様や風の吹き方、生きものの特性を観察して天気を予想する、このことを「観天望気(かんてんぼうき)」と言います。

「朝焼けは雨、夕焼けは晴れ」や「雲が南東に流れると晴れ」は、西から天気が変わることを示し、これからやってくる天気を予想している言い伝えです。

よく耳にする「ツバメが低く飛ぶと雨」は、空気が湿ってくるとツバメのエサとなる虫が湿気をおびて高く飛べず、エサを得るためにツバメも低く飛ぶためと言い伝えられています。

 

地球の空気の80%がある「対流圏」の空気の流れや水蒸気の働きが、天気の変化になります。hPa(ヘクトパスカル)という単位を聞いたことはありますか?大気圧は空気を押す力のことでhPaはその単位です。

目には見えない大気圧を知るために、マシュマロを使った実験をしました。

 

 

密封された容器の中にマシュマロを入れて、容器の中の空気を抜くと…

マシュマロを押している力が小さくなることで、どんどんマシュマロが大きくなりました。

大きくなったマシュマロを食べてみたい!

 

 

 

 

でも…容器の中から外への押す力が小さくなり、外から押す力の方が大きくなったため、容器のふたを開けようとしても開きません。

 

 

 

 

 

容器の中に空気を送り込むと中と外の圧力が均等になり、ふたを開ける頃には、マシュマロは元通りの大きさになりました。

大きくなったマシュマロは食べることが出来ないのですね。
残念!

 

おうちでも、漬物用の容器を使って実験ができるそうです。

 

雲は、水や氷の集まりです。水蒸気が100%を超えると水や氷の粒になります。

さあ、雲を作る実験です。

 

 

 

 

上の黒い部分をぷしゅぷしゅと押していくと圧力が上がり、温度が上がっていきます。ペットボトルの中は28℃になりました。
空気の中に水が溶けこんでる状態です。

 

 

 

 

ここで一気に圧力を下げると…
「おお~~~!」
雲ができました!
温度は24℃下がっています。

 

竜巻を作る実験もしました。


 

気を付けたいのは、雷についての迷信です。
「雷は金属に落ちやすい」「遠くで鳴っているからまだ、大丈夫」といったことを聞いたことはないですか?

雷の実験の映像を見せていただきました。
雷は金属を付けている、付けていないに関わらず高いところに落ちることが分かりました。
また、雷は音が遠くに聞こえていても、積乱雲の下ではどこに落ちるか分かりません。音は1秒間に340m進みます。音が聞こえている場所に落ちてもおかしくはないのです。

積乱雲は雷だけではなく大雨も降らします。
10mmの雨が1km四方に降ると、その水の量は1千万リットル。お風呂5万回分に相当します。
そしてその水が、幅が10mの川に流れ込んだとすると、1kmの長さにわたって川の深さは1mも増えます。
10mmの雨と聞くと、わずかな量に感じてしまいますが、それが集まるとものすごい水の量になるんですね。

雨の量を計る「転倒ます型雨量計」も見せていただきました。


雨が降っている状態です。

 

 

 

 

雨が降ると、ますに雨水がたまって…

 

 

 

 

 

 

やがて、いっぱいになると…
【ししおどし】の様な状況です。

 

 

 

 

これで、
雨の量も降った時間の間隔もわかるそうです。

 

 

実験を通して、雲や危険な竜巻になる現象を自分で体験して、天気が変わる仕組みを知ることができました。

ラジオの「気象通報」を聞きながら「地上天気図」に書き込む体験もしました。


 

 

 

親子で協力しあいながら天気図を完成させていました。

最後に、「突然、大雨が降ってきたり、外出中に雷が聞こえたらどうしたらよいか?」今日教えていただいたことを再確認して締めくくりとなりました。

空を見上げてみて雲の様子や風の吹き方、また、天気予報を観るのが楽しみになる講座となりました。


日本気象予報士会 東北支部の金野先生、講座をサポートしてくださった岩渕先生、小関先生、谷口先生、坂下先生、そして、ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。

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広瀬川で暮らす生きものたち~川の環境を知ろう!~【サロン講座】

たまきさんサロンスタッフです。
10月14日(日)は、宮城教育大学 棟方有宗准教授をお迎えし「広瀬川で暮らす生きものたち~川の環境を知ろう!」を開催しました。

棟方先生は8歳のころから、親御さんに連れて行ってもらったことがきっかけで釣りを好きになり、17歳のころに出会った本「回遊魚の生物学」がきっかけで魚を研究するようになったことを教えてくれました。

海外では、ラオスのメコン川で釣りをしたこともあるそうです。

 

ここで、問題です!

メコン川は東南アジア最長の川で6か国をまたいで流れる川ですが、ラオスを流れる約2,000㎞の流域には、何種類の魚がいるでしょうか?

ヒント…地球上の魚の種類は約2万種類といわれています。

70種類から1,000種類までさまざまな数の回答が出そろいました。

 

 

 

正解は、約200種類です。

では、私たちが住む仙台の広瀬川はどうでしょう。
広瀬川の長さは、関山峠の源流から名取川に合流するまでの約45㎞です。川幅もメコン川より狭くなっています。
では、広瀬川には何種類の魚がいるでしょうか?

10種類から30種類という回答が出ました。

正解は、約72種類です。

川の中に棲んでいる魚の種類の多さは、川の長さや広さではなく他の理由があるようです。
広瀬川の上流、中流、下流の写真を見ながら考えてみましょう。

上流の奥新川キャンプ場付近の写真を見たみなさんの感想は、「おだやか」「水が冷たそう」「浅い」「狭い」「水が透明」「大きな岩がある」でした。

 

 

次に、上流から少し下った場所の写真を見た感想は、「大きな岩がなくなった」「石が丸くなってきた」「水が濁ってきた」「川の流れが速くなってきた」でした。

 

 

続いては、鹿落坂から霊屋橋を撮影した中流の写真です。市街地を大きくうねるように流れています。
「石が少ない」「草がかぶさってきた」「石が動かなくなる」という感想でした。

 

 

最後は、名取川との合流点である下流の写真です。左側から広瀬川が合流しています。
「土が見える」「濁っている」「透明度がなくなっている」という感想が出ました。
上流の水に比べ透明度がなくなっているのは、石が削られ粒子となって水に溶けているためです。

水温が一年中温かく上流から下流まで同じ環境のメコン川と比べ、広瀬川は流域ごとに環境が異なります。上流では、ごつごつした岩に隠れているヤマメやイワナやカジカ、中流では、苔をそぎ落として食べるアユやウグイやアブラハヤ(仙台では“にがっぺ”と呼ばれることもある)、下流では、フナやナマズやオイカワといった多種多様な魚が棲んでいることが分かりました。

広瀬川には、川と海とを行き来する回遊魚もいます。
「サクラマス(ヤマメ)」「アユ」「ウナギ」です。

 

 

サクラマスは、冬に川で生まれて育ちます。

 

 

 

外敵から身を守るため、稚魚の頃は、川底の砂利に似た模様をしているのが特徴です。

 

 

 

春になると、海の外敵から身を守るためにキラキラとした銀化(ひかりとも呼ばれる)が始まります。

 

 

 

鳥から狙われないように、背中は海と同化する青色となり、おなかは海の底から水面を見上げたときに反射する銀色になります。

 

 

1年経つと、キラキラした銀化から婚姻色となり、産卵のために広瀬川に戻ってきます。

 

 

 

 

 

中流の砂利の中に直径1m、深さ20cmの穴を掘って産卵場所にします。
メスが体をしならせ、尾びれを使って穴を掘ります。オスはメスが安全に穴を掘れるよう穴の周りをパトロールしています。

サケは産卵が無事に終わると死んでしまいますが、その死骸を水生昆虫たちが餌にし、サケの稚魚がかえると今度は水生昆虫たちが稚魚の餌となっていき、川の中で循環していきます。

 

 

上流、中流、下流の環境の違いや四季によって種類の多い広瀬川の魚たちですが、減ってきている魚もいます。
「アカザ」と「ヤツメウナギ」です。
「アカザ」は、山形県の赤川(あかがわ)や岩手県の閉伊川(へいがわ)で見られるそうですが、釣りをよくされている棟方先生でも宮城県内では見たことがないそうです。宮城県内で見つけた場合は教えてくださいと先生がおっしゃっていました。
「ヤツメウナギ」は、シーラカンスよりも古くから生息している魚ですが、まだ広瀬川でも見つけることができるそうです。

そして、仙台市内では20年前に太白大橋付近で目撃されたのを最後に、姿を消した「アカヒレタビラ」もいます。
貝に卵を産みつけるため、貝の減少が「アカヒレタビラ」の減少に繋がっていると考えられています。

 

「アカヒレダビラ」は、うみの杜水族館のラボコーナーで見ることができますが、名取市にはまだ生息しているようです。

野生のメダカ保護活動「メダカの里親プロジェクト」の紹介も宮城教育大学4年生の麻山賢人さんからありました。

東日本大震災の津波の影響で宮城野区井土浦に生息していたメダカは全滅してしまいましたが、棟方研究室では、震災の前年に研究のためのメダカを井土浦で採取していました。

生き残ったメダカの遺伝的多様性を守り、復興の象徴とするため、八木山動物公園などと連携して始めたのが「メダカの里親プロジェクト」です。

 

 

自然豊かな広瀬川の環境やたくさんの川の生きものを学び、朝に採取したばかりの川の生きものとふれあい、釣り道具や研究機材も実際に体験させてもらい、とても充実した講座となりました。

今回の講座が棟方先生のような研究者になるきっかけになるかもしれませんね。
棟方先生、麻山さん、ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

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