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アイリスオーヤマ訪問記

目からウロコのアイリスオーヤマ訪問記

本社ビル地下一階 ショップ Simple Style
本社ビル地下一階 ショップ
Simple Style

知っているようでわかっていない、社会のエコ活動を追っている「エコアクション」。今回は量販店でも見かけることが多くなってきて、以前よりはずいぶん身近になってきたけど、いまいち仕組みの解っていないLEDの話を、アイリスオーヤマ株式会社 LED東日本事業部マネージャーの土屋 雅嗣さんに、腰を据えてじっくりと聞いてみようと思います。かなり驚くような新事実もありますよ。
さてさて、「目からウロコの落ちるLEDの話。」取材開始です。

たまき
「夏の省エネ・節電キャンペーン」では、お世話になりました。仙台市は東北の中心。夏は電気の使用でも省エネのリーダーでなければいけないんです。
伊達武将隊をキャラクターに据えた省エネ・節電キャンペーンは、お陰さまで多くのメディアに取り上げていただき、市民に広く省エネを呼びかけることが出来ました。応援してくださったアイリスオーヤマさんのような企業があるということは、大変に心強いものです。感謝です。

ところで今日はたまきさん会社訪問と言うことで、LEDについて重点的にお話しを伺おうと思います。
LEDは最近ではコンビニ照明などで目にすることが増えましたが、発光ダイオードのことですよね。昭和の生まれの僕にとっては科学キットに付いてきた赤色の小さな発光素子から、ここ数年でいきなり蛍光灯の代わりになるほど巨大化してしまって驚いているのですが。。。
土屋さん
弊社でのLED製品の取り扱いはもっと古くからでして、10年ほど前からイルミネーションやお庭の照明のガーデンライトに、人が近づくと発光と消灯を自動で行う製品などを作っていました。
ですが、省エネルギー化の波が見えてきたので4年ほど前から電球の置き換え用の製品から参入しまして、昨年からは大型施設の蛍光灯設備などに向けた製品を製造しています。
無理せず、我慢せずに節電が出来て、CO2を削減し地球環境の保全に結びつけられることから、LED製品に一番に力を入れて推進しています。
今までは商業施設やオフィスでの照明が中心でしたが、この10月(2012年)から一般向けの住宅のLED化を始めています。

アイリスオーヤマ本社ビル
青葉区中央の本社ビル。縦に並んでいる明かりの裏側には改修で増築された耐震擁壁が入っているが、イルミネーションで存在感が消されている。
ちなみに今、お話しをしている建物は昭和40年代から仙台駅前にあり、市街地を代表する象徴的なビルでしたが、古いので取り壊しの話がありました。そこで当社で買い上げまして全館の照明をLEDでリフォームしました。内装は綺麗ですが、築50年以上のビルなんですよ。
実は、弊社は自前のショールームは持っていません。作りあげた擬似的な空間で商品を理解してもらうのではなく、創業の地でもある仙台で、実際に執務で使ってるオフィスで製品の実体験をしてもらおうと言うのが狙いです。ですので、通常のオフィスではひとつのフロアは端から端まで全て同じ照明で構成することが多いのですが、当社の事務所では、フロアごとにコンセプトを変え、さらにブロックごとに照明の設備も変えて、執務している事務所をまるごと見てもらうことで、様々な照明のパターンを実体験してもらうように準備しています。

例えば直管と呼ばれる一般的な蛍光灯を使う電器設備に、LED管へ入れ換えることを提案するオフィスもありますが、専用の埋め込み型の機器を据え付けた空間。LEDならではの既存の天井に固定するだけで使える照明器具。そしてこれは弊社の独自商品なのですが、人感センサーつきのLEDライトを設置した空間などもあります。
わかります?この人感センサーは。。。。
たまき
「あ!先ほどのガーデンライトですね。」
土屋さん
弊社が今まで培ってきた技術を使うことで、他社には真似できないオンリーワンのLED製品を作り出すことができるんです。

食堂また、9階のフロアは普段は社員食堂として使っていますが、LED設備にはスポットライトやダウンライトを使用し店舗や飲食店様へ提案できるように意識してしています。
最近では一般家庭などでもダウンライトの導入が増えていますので、ニーズは刻々と変わってきているんですよ。
たまき
「そういえば僕の家も、リビングの四隅にダウンライトが仕込まれていました。部屋の角が明るくなると広く感じられるんですよね。 ところで、省エネというと我が家では電気のムダを削減しようと電球を蛍光灯へ交換してまして、終わったのが2年ぐらい前だったんです。 そこからさらに、省エネにはLEDがいいのだろうな~とボンヤリ思いながら、LEDって今、どんどん値段が下がっていますよね。さらに製品も山のように種類があって決めかねています。 どのタイミングでLED化を進めるかは。。。。ちょっと今、迷っています。」
土屋さん
土屋さんおっしゃる通りです。LEDは家庭用に登場してから2年ぐらいのあいだに、半額ぐらいまで値段が落ちてきました。
ただ、その値段の下がってきたLEDが今後さらに半額になるかと言えば。。。簡単には、いかないでしょうね。
というのは、LEDって極端な話をしますと、電源の部分や発光体の部分、その他モロモロを世界中から仕入れることができるんです。光るだけなら製造工場を持たなくても、やろうと思えば作ることができるのです。
ただ、LEDの特徴でよく取り上げられるのは、消費電力が二分の一だったりとかの省エネ効果なんですが、さらにLEDの大事な特徴として忘れてはいけないのが、耐用時間が40000時間という長寿命さなのです。これはオフィスでの使用を想定して一日10時間を、週末やお盆、正月などの休みのとったと換算しても、12~3年は持つという寿命なのです。
ところが、世界にメーカーがどんなにあっても、10数年間の性能試験を実地で行った会社は無いんです。LED製品は登場してからの日が浅いので、誰も10年以上のテストの結果を見ていないんです。そのために弊社などでは条件を様々に変え、耐久テストを行った計算値から、さらに安全マージンもとって決定しています。この安全マージンは、寿命に関しては伸びることはあっても、早まるような仕様はあり得ません。ということは、耐用時間は40000時間とうたっていますが、ポテンシャルはもっとあるんです。これだけの品質を維持するのは、やはり自社で作り上げる能力のあるメーカーでしか出来ないですよ。

さらに、今までは光の質を、蛍光灯や電球との差をなくす必要があったので、既存の機器とを置き換える方法でLEDを作ってきました。
ですが品質が一定のレベルまで到達できたら、さらにLEDでなければ出来ない製品というのも開発が出来るんです。たとえば蛍光灯を点けるためには電気をいったん貯めて、蛍光管に7万ボルトぐらいの電気を一瞬だけポンって通す安定器が付いていました。これが実際にはジワジワと3ワットぐらいの電気を使っていまして、蛍光灯は表示の消費電力より、さらに少し余計に電気を使っていたんです。それが弊社のLED製品だと、蛍光灯の型をした本体のなかに電源も入っていますので、100Vの配線を持ってきて繋ぐだけで点いちゃうんです。とても簡単なので縦でも横でも、置き場所を選ばずどんなところにでも設置できます。
さらにこの安定器には10年ぐらいの寿命がありましたので、故障した場合は一般の人では直せず修理工事が必要になるんですが、電源一体型の製品だと、事務員さんが蛍光灯を換えるのと同じ要領で交換ができるのです。
例えば、私たち仙台市民は昨年被災したので理解できるでしょうけど、電源の代わりに簡単な蓄電の仕組みを繋げれば、持ち運べるLED電気が作れます。LEDには設計の自由度があるので、普段と変わらない灯りを、持ち運び型で一定時間供給するなんてことも出来るんですよ。
たまき
凄い自由ですね。たまきさんは山登りもするので、つい最近までは夜用のヘッドランプでずいぶんと苦労をしましたが、LEDが登場してから予備の電池をひとつ持って行けば充分なほど使えます。バッテリーのケースも小さくなったので扱いも簡単になりました。
土屋さん
LEDスポットライトそうなんです。消費電力も蛍光灯の半分ですから小さな電池で済んでしまうのです。

私的には、地球環境に優しいことって「長く使うこと」だと思うんです。
導入時には幾らかコストがかかるけど、使ううちにどんどんエコになっていくことが理想です。中途半端なものを使い、捨てていた時代もありましたけど、製造にかかるエネルギーを考えると大変にもったいないことなんですよ。

さらにLEDライトには、こんな効果もあります。
蛍光灯には虫を寄せ付ける周波数の光が出ています。ところがLEDには、ゼロではないんですけど問題の周波数が、ほとんど出ないんです。
例えばこれを街頭に設置したとすると、虫で汚れるなんてことが少ないんですよ。
たまき
それは僕の家で使えば効果が端的に表れますね。僕は夏にエアコンを使っていないので窓を全開にしたいのですが、虫が寄ってきちゃうので網戸は閉めておくんです。そうすると少し風通しが悪くなる。。。このジレンマはいつも感じてました。虫が来ない効果は期待できますね。
土屋さん
とにかくキーワードは「無理せず」「我慢せず」です。
例えば若い人は目がいいので節電のために明かりを間引きした廊下などでも何とかなりますが、一定の年齢の方からは照度を落とした通路を歩くのは、かなりの無理を強いることになります。
電気をつけ続ければ無駄になる。だけど照度を落とすと利用者に無理を強いることになる。そこで解決策になり得るのが、序盤にお話した人感センサーでして、弊社の得意中の得意な分野なのです。

例えば倉庫。人の出入りにあわせて電気が灯るので、荷物を持ったまま入退室が出来るようになるのです。
また更衣室など、電気が切れると言っても、完全には暗くならないので安全管理上も役に立ちます。真っ暗な更衣室にスイッチを探しながら入るのなんて、女性は危機感を感じますよね。
そして何よりも大切なのは、スイッチを人の手で入れたり切ったりすると、どうしても消し忘れが発生します。人感センサーを組込んだ製品では、スイッチオフ時に一定量の電気は流れますが、オンの時ほど大きな電流ではないので消し忘れの電気消費よりも、相対的には有利となり、さらに自動制御なので利用者に便利になるのです。 ついでに建物を作る時点で人感センサーが設計に組込まれると、スイッチそのものがいらなくなるんですよね。

調光センサー
各種センサーを組込めるのもLEDの強み
続いてLEDには調光ができるというメリットもありまして、そこに光センサーを組込むことで周囲の照度にあわせて自動調光してくれる蛍光灯が出来上がります。
通常はこのような調光は専用の調光ユニットを別に設ける必要があり、設備に大変にお金がかかります。
それがセンサーつきの蛍光灯を採用すると、一般の器具を使っているのに、すぐに自動調光をしてくれるようになります。
たまき
面白いお話しですね。さきほど紹介してくださったLED照明が、一般の照明に追いついた時、さらにLEDだから出来ることって言うのは、調光やセンサー点灯のお話しだったんですね。
確かに僕の家でも、トイレとか階段とか玄関とか、ちょっと人が出入りする場所に小さな照明器具が用意してあったりします。大概は短い間しか使わないつもりなので白熱灯なんです。そしてそんな電気に限って消し忘れも起きたりする。省エネを考えると蛍光灯という選択になるのだけど、明るくなるのに時間がかかってしまうので、今までは仕方なく電球だったんですけど、人感センサーつきLEDだと、スイッチすらいらなくなってしまうというのは良いですね。
土屋さん
そして最後になりますが、LEDの特徴として光の色を変えることができます。
例えば日中は昼光色にしておいて、夜は電球色にすることが出来ます。もちろん調光も出来ます。すると、日中は窓からの光にあわせて昼光色で弱めの光で補ってあげ、夕方からは最大限の明かりで活動的な部屋にする。夕食後は優しい電球色にして、光量も押さえ
安らいでもらうことが出来ます。
たまき
色調の変えられるシーリングライト
色調の変えられるシーリングライト(合成してます。)
「そこまで進化しているんですか!それ凄く欲しいです。
僕も事務所で仕事のあとに本を読んだりすることがあるんですけど、仕事用の明かりではどうにも眩しくて、困っていたところなんです。」
土屋さん
我々照明メーカーとしては、いま、ひとつ提案していることがあります。蛍光灯というのは製品改良のお陰で、どんどん、どんどん効率が向上して、どんどん、どんどん明るい方向に向かってきたんです。
日本のオフィスや街中など、今ではもの凄く明るくなっているんです。
ただ、明るすぎるというのは人の生活サイクルを見出す原因になります。例えば睡眠障害なども、明るすぎる照明が原因のひとつになったりするんですよ。

向こうは照度が落ちている
遠くに見える、明かりの落ちたエリア
そこで当社のオフィスで一カ所だけ、通常は40ワット蛍光灯の2000ルーメンに相当する出力のLEDを使っているオフィスの一画に、1500ルーメンに照明を落としているブロックがあるんです。こちらの電気の使用量は15ワットなんですが、入ってみて実際に暗いかと言うと。。。暗くないんですよ。
これを今からのスタンダードにしたいと考え、提案する空間を用意しています。後ほど紹介しますので、是非とも体験してみてください。
土屋さん
「私たちメーカーは、LEDを“悪”と言われる領域から、“善”に持って行きたいのです。
LED照明器具は、登場した当初は光の出方も大変に強く、一般の方が普段の暮らしで気軽に使えるものではなかった。省エネを理解しているから使えるけど、実際に価格も高かった。こんな過去があったので、技術が向上してきた今でも、一部の工事屋さんではLEDに対して懐疑的になってしまう。でも、確かに初期のLEDは、あまり良いものではなかった。
それを私たちは、“善人”にまで持って行きたいと願いっています。会社を完全LED化し、店舗を開放することで“善”であることを広く知ってもらいたいと願っています。」
たまき
--------------------土屋さんがおっしゃった、今日の最後の言葉がけっこう沁みました。
今日は知っているようで全然わかっていなかったLEDの世界が、改めて広がったと感じました。ありがとうございました。
たまきさんの感想

やぁ。アイリスオーヤマさんのLED製品は、すっかり善人のその先の、次世代の分野にまで出ていますよ。
こういった先端技術の製品は、始めは技術好きな人が個人的に実験的に導入をします。それに続くのが、アーリーアダプターと呼ばれる、新しいものを暮らしに根付かせる人達です。
僕は今日帰りがけに駅前の量販店に立ち寄って、LED製品が、どんな感じに売られているのかをチェックしたんですよね。そうしたら、おじいさんが「調光機で明るさの変えられるLEDライトがあるって、ホームページで見たんだけど、あるの?」って買いにきてました。あるんですよね。ちゃんと在庫してました。
そして今日一日アイリスオーヤマさんのLED製品を見てきましたけど、確実に性能が良くて、今のどの家にあるものにでも簡単に置き換えられる製品ばかりでした。

土屋さん
終始、たいへん丁寧に、真剣に説明をされていた土屋さん。実はけっこうオチャメな側面もあるのでは?と踏んでます。
そして、ちょっとマズいのはアイリスオーヤマサンは、決してLEDだけ作っている会社じゃないんですよね。。。きっとまだまだトンデモナイ高性能な製品が、あの駅前ビルの地下一階のショップには仕舞われているのだろうなぁと。。。こんどは取材じゃなく、一般のフリして見に行ってみよう。っとホームセンター好きの僕は思うのでした。

そして。。。。暗いオフィスは、どうだった?

違和感の無い作業空間
移動してくると暗く感じますが、時間がたつと穏やかな明るさに目が慣れてきます。大事なのは、必要な明るさを必要なだけ点けるということなんですね。
遠目には、確かに一画の天井はグレーに染まり、明るい空間にそのブロックだけが独立して暗く見えましたが、入ってしばらくすると目が慣れて自然にモノが見えました。っというのも、僕らグラフィックの仕事をしている作業者には、明るい部屋というのは大敵なんですよね。モニタの後方が明るく輝いていると、パソコンのモニターも負けないように明るくしないと色の判別がうまくいかなくなるんです。
でもそうすると、さらに目に負担がかかり。。。。悪いジレンマが発生してしまいます。 また、色調の世界に話を換えると、人間の網膜は、明るい色調の変化には大変に敏感なのですが、暗い色の色調の変化には察することがなかなか出来ないと言う特性があります。これは古代の人間は暗くなると眠ってしまうから発達しなかった領域なんですよね。なので、明るい部屋になればなるほど明度の差がある机の下とか、棚の奥とかが見えなくなってしまう。見えないから電気を増設したり、影の出にくい散光線を光源に使ったりするようになり、現代人の光に対するストレスは高まる一方だそうです。
暗いオフィスを見て、「あ!僕の事務所にも調光機能をつけよう」って、すぐにも思いました。LEDの登場で、今まで大きな施設でしか見なかったような技術が、凄く身近になっていたんですね。