環境講座」カテゴリーアーカイブ

磨きサロン~木とふれあい林業男子の話を聞こう~【サロン講座】

たまきさんサロンスタッフです。

9月2日(土)は、株式会社佐久の12代目として、新しい林業のかたちを作り出そうとしている若き林業家、佐藤太一さんをお迎えして「磨きサロン~木とふれあい林業男子の話を聞こう~」を開催しました。

まずは、講座のタイトルの『磨きサロン』の説明です。

テーブルの上に置かれた白いメッシュの袋の中身を取り出すと杉の木の枝と二種類のサンドペーパーが入っていました。

この枝は、株式会社佐久さんの育てたFSC認証の南三陸杉です。

 

この枝の皮を手やカッターなどで剥きサンドペーパーで磨いていきます。

それぞれ思い思いに磨きながら、お話を聞くのが…磨きサロンです。

講師の佐藤さんの「話を聞かなくてもいいですよ」の言葉に笑いが起こり、緊張がほぐれたところで講座スタートです。

身の回りで木を材料としているものには、住宅や家具の他、「紙」や「ティッシュペーパー」「ゴム」などもあります。

毎日の生活に欠かせないものばかりです。

その材料となる木を管理し育て、素材として生産しているのが林業の仕事です。

 

では、木を管理して育てるとは、どういうことでしょうか。

まずは、4つの山の働きを教わりました。

①根っこが土を押さえて、土砂崩れなどを防ぐ。

②動物のすみかとなり、たくさんの植物が育ち、土が豊かになる。

③栄養たっぷりな土がきれいな地下水を作る。

④二酸化炭素を酸素に変え空気をきれいにする。

木を燃料として日常的に使用していたころは、森の木を伐りすぎて土砂崩れなどの被害も多かったそうです。

現在は、反対に木を伐らな過ぎて、枝や葉が密集し地面まで雨水が落ちないことや光が入らないことで動植物の生態や川の水位などに影響を及ぼしているそうです。

以前までは、下草を刈ることで木に土の栄養を与えられると考えられてきました。しかし、今は多種多様な植物が増え、網の目のように広がった根が土に空気層をつくってくれることで、動物や虫にとってもいい環境となり、そのフンや死骸が木の成長に必要な栄養を与えてくれると考えられるようになったそうです。

 

木を適度に伐り、管理することで、木を育て、森の働きを助けることに繋っていくのですね。

突然ですが、現在、50年かけて育てた杉の丸太(4m)は、どのくらいの価格で取引をされているかご存知でしょうか。

佐藤さんが質問すると、まるでセリをしているかのように、3千円~10万円まで、皆さんから意見がでました。

正解は…千円です。

杉の木は25m以上育つので1本の木から4本の丸太が取れます。

おじいさんの代から50年手入れをして育てた木1本が4千円にしかならないのが現状だそうです。

 

今佐藤さんが育てている木は、お孫さんの代に木材として使われる木です。

林業とは、世代を越えて受け継がれていく職業なのですね。

 

そこで今、注目されているのは国際基準で持続可能な林業をする取り組みです。

南三陸森林管理協議会が宮城県で初めて国際的なFSC森林認証制度での森林管理認証を取得した例を教えていただきました。

FSC森林認証とは…世界中すべての森を対象として、FSC(Forest Stewardship Council森林管理協議会) が作成した国際基準として定めた基準に照らし森林が適正に管理されているかを「審査」・「認証」する制度

 

 

FSCが定める適切な森林管理は、多くの生物がすむ豊かな森である、保護するべき貴重な森を守り続けているなどの10の原則と56の基準があり、適切な森林管理が必要とされ一定の基準を守り続けなければなりません。

林業は、危険で担い手不足といった印象がありますが、山の豊かな動植物も守りながら木を育てていることや持続させていく取り組みがあることを知ることが出来ました。

 

 

 

「はじめは作業に集中しながら話を聞くのは難しかったけど、作業もお話も楽しく理解できた」、「林業に従事している方から現状を聞けて良かった」などの声をいただき、林業を身近に感じ、和やかで時折笑いが起こる講座となりました。

 

さて、磨いた枝はどうなったかといいますと…

心地よい手触りや持ちやすい形に磨かれ、個性が溢れる作品となりました。

側面にオリジナルのイラストが彫られているのでスタンプとして使用できるのですね。

 

佐藤太一さん、ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。

*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*

せんだい環境学習館 たまきさんサロン

平 日 10:00~20:30

土日祝 10:00~17:00

休館日 月曜(月曜が休日の場合は、その翌日)祝日の翌日・年末年始

*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カテゴリー: 未分類, 環境, 環境講座, イベント, たまきさんブログ | コメントする

左官職人さんから教わる~土壁塗り体験と自然の力~【サロン講座】

たまきさんサロンスタッフです。

8月20日に土壁塗ろう会の庄司徹さんをお迎えして「塗って知ろう!自然の力と土壁の暮らし」を開催しました。

朝の時点では霧雨でしたが、サロン講座が始まると雨が止み、屋外で土壁塗り体験が出来ました。

土壁塗ろう会の庄司さんは、左官屋さんの三代目で、宮城県村田町にある150年前の蔵の修復工事をされている他、宮城県内外で商業施設などの基礎工事をされています。

今回の講座のために前日から準備をしていただきました。

では…講座の内容はといいますと…

 

まずは、日本古来からの「土壁」の材料のお話です。

土壁は「土」、「水」、「藁(わら)」、「竹やヨシ」から出来ています。

全て土に還る天然の素材なのですね。

土に水と細かく切った藁を混ぜ合わせてから寝かせます。

すると藁が発酵し、藁の繊維がほつれ土に混ざり、結合剤のような役割になります。残った藁の芯の部分は土と土とをつなぐ役割になるため、土の強度が高まり、崩れにくい土壁になります。

土壁の家が立ち並んでいた時代は、近くにある天然素材を集めて壁に使用していました。

そして、土壁に利用した土は、水を加えることでまた別の土壁用の土として再利用することが出来ます。

藁が発酵して出来た土壁用の土は、竹やヨシを藁の縄で編み付けた「小舞(こまい)」に塗ります。

荒壁塗り(芯になる壁を作る)から大直し(平らにならす)、中塗りや仕上げ塗りなど、何度も乾いては塗り重ね、壁を作っていきます。

塗る回数は建物によって異なるそうです。

左官職人の岡田さんにもお手伝いいただき、道具の「こて」と「こて板」の使い方を教わりました。

 

 

いよいよ、土壁塗りの体験です。

 

職人さんに直接質問をしたり、参加者の皆さん同士で教えあいながら小さなボードに土を塗り、思い思いの絵や言葉を書いてお土産にしました。

壁に見立てた小舞に塗る体験は、ボードに塗るより難しそうでしたが、皆さん職人さんと同じように壁に塗ることができました。

最後の仕上げを素早く、手際よく塗る職人さんの姿には歓声と拍手が自然と起こり、和やかなに土壁塗り体験となりました。

最後に、土壁の特性である、湿度を調節する調湿性能や、温まった空気を壁が吸収し蓄える蓄熱性能を教わりました。

土壁は、エネルギーを使わずに、室内の湿度や温度を調節してくれるのですね。

 

 

*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*

せんだい環境学習館 たまきさんサロン

平 日 10:00~20:30

土日祝 10:00~17:00

休館日 月曜(月曜が休日の場合は、その翌日)祝日の翌日・年末年始

*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*

カテゴリー: 過去の講座, 環境, 環境講座, イベント, たまきさんブログ | コメントする

気象予報士に聞きました!天気にまつわる言い伝えは本当?【サロン講座】

たまきさんサロンスタッフです。

8月5日のサロン講座は、日本気象予報士会 東北支部の金野義典さんを講師に迎え、親子講座「天気にまつわる言い伝えは本当?~自分でできる天気予想~」を開催しました。

「朝焼けは雨、夕焼けは晴れ」や「雲が南東に流れると晴れ」は、西から天気が変わることを示し、これからやってくる天気を予想している言い伝えです。

よく耳にする「ツバメが低く飛ぶと雨」は、空気が湿ってくるとツバメのエサとなる虫が高く飛べず、エサを得るためにツバメも低く飛ぶためと言い伝えられています。

昔の人は、道具を使わずに空模様や生き物の特性を観察して天気を予想していたのですね。このことを「観天望気(かんてんぼうき)」と言います。

気を付けたいのは、雷についての迷信です。

「雷は金属に落ちやすい」「雷鳴が遠くで鳴っているから大丈夫」といったことは聞いたことはありますか?

雷の実験の映像を観てみると、雷は金属を付けている、付けていないに関わらず高いところに落ちることが分かりました。

また、雷は音が遠くに聞こえていても、積乱雲の下だとどこに落ちるか分かりません。たとえば10kmを超えるような積乱雲であれば、10km先に突然雷が落ちてもおかしくないのです。

お子さんはもちろん、お父さん、お母さんもメモを取りながら、講座に耳を傾けていました。

天気についてのお話の他にも、気象現象を実験で分かり易く教わりました。

大気圧やhPa(ヘクトパスカル)という単位は聞いたことはありますか?大気圧は空気を押す力のことでhPaはその単位です。

目には見えない大気圧を知るために、マシュマロを使った実験をしました。

密封された容器の中にマシュマロを入れて、容器の中の空気を抜くと…

 

マシュマロを押している力が小さくなることで、どんどんマシュマロが大きくなりました。

大きくなったマシュマロを食べてみたい!という声が上がりました。

でも…容器の中の押す力が小さくなり、外から押す力の方が大きくなったため、容器のふたを力いっぱい開けようとしても開きません。


容器に空気を送り込むと、マシュマロはみるみるうちに元通りの大きさになりました。

中と外の圧力が均等になったので、ふたも力をいれなくても開きました。

 

大きくなったシュマロは食べることが出来ないのですね。残念!

空の上では、周囲より気圧が高いことを「高気圧」、低いことを「低気圧」と言います。

ある一定の数値を超えているから高気圧になるわけではないそうです。

周囲の気圧の差で「高気圧(下降気流)」、「低気圧(上昇気流)」が起こり風が吹くのですね。

その他にも、身近なペットボトルを使って、雲や竜巻を作る実験をしました。

地球規模で起こると大きな雲や危険な竜巻になる現象を自分で体験して天気が変わる仕組みを知ることができました。

天気を予報するために使っている天気図や、白地図にラジオの気象通報の情報を聞き取りながら記入する体験もしました。

親子で協力しあいながら天気図を完成させていました。

貴重な体験をし、これから空や雲の種類、天気予報を観るのが楽しみになる講座となりました。

日本気象予報士会 東北支部の金野さん講座をサポートしてくださった杉山さん、小関さん、谷口さんそして、ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。

 

 

 

*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*

せんだい環境学習館 たまきさんサロン

平 日 10:00~20:30

土日祝 10:00~17:00

休館日 月曜(月曜が休日の場合は、その翌日)祝日の翌日・年末年始

*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*

 

カテゴリー: 過去の講座, 未分類, 役立つ話, 環境, 環境講座, たまきさんブログ | コメントする

~仙台七夕まつり400年の歴史を90分で知ろう~【サロン講座】

たまきさんサロンスタッフです。

7月29日(土)のサロン講座は、出版社「風の時編集部」 代表 佐藤正実さんを講師にお迎えして「仙台七夕 彩・再・祭~仙台七夕まつり400年の歴史を90分で知ろう~」を開催しました。

講師の佐藤さんは、“仙台の原風景を観る、知る。”をテーマに仙台の古い街並みの写真や古地図などを復元し、編集・出版しています。出版物には「仙台七夕まつり歴代ポスター大全集」や「仙台地図さんぽ」大正編・江戸時代編などがあり、仙台の魅力を宮城県内外へ発信しています。

 

今回の講座は、親子連れの参加もあり、肩肘の張らない和やかな雰囲気の中お話頂きました。

七夕の由来は、織姫と彦星の民話と一緒に中国の星祭り「乞巧伝(きっこうでん)」が京都に伝わり、江戸時代初期(約400年前)に仙台藩祖伊達政宗公が仙台へ伝えたと言われています。

 

その後、七夕の風習はどのようにして、仙台の地に根付いていったのでしょうか。

「日本三大七夕」と言えば、神奈川県平塚市、愛知県安城市と仙台市ですが、他の2都市と違い、仙台七夕まつりの特徴は、和紙で作られている事と旧暦の7月6日のひと月遅れに当たる8月6日から開催されることです。

 

 

江戸時代後期は、7月6日に家々で七夕飾りを掲げ、7日の朝に願いを込めて広瀬川へ流す習俗があり、稲の開花時期に五穀豊穣を願い、お盆の準備をするお祭りとして根付いていきました。

また、七夕は学校行事にもなり子どもたちが墨で文字を書く練習をし、その半紙を吹流しなど飾りに使っていました。

和紙等の飾りは、昭和29年~33年の期間だけ雨天対策としてビニール素材の飾りが使われたこともあったそうです。

昔から仙台七夕まつりは雨との闘いがあったのですね。

仙台七夕まつりの七つ飾りには、それぞれ願いが込められています。

短冊(たんざく) 願い事を書き学問や書道の上達を願う。

折り鶴(おりづる) 家内安全と延命長寿を願う。

 

【写真・昭和初期 所蔵/風の時編集部】

吹き流し(ふきながし) 機織りの上達、江戸時代は5色の糸で飾られた願いの糸の変形化で願い事は3年のうちに叶うと言われています。

巾着(きんちゃく) 金銭に不自由しないように富貴を願う。

紙衣(かみごろも) 裁縫技術の上達と、これを着る子どもの健やかな成長を願う。

屑籠(くずかご) 倹約に努め、物を粗末にすることを戒める。

投網(とあみ) 海の恵みへの感謝と豊漁を願う。

薬玉(くすだま)は、仙台ならではの飾りですが、七つ飾りには含まれないそうです。

【写真:昭和10年代 所蔵/風の時編集部】

七つ飾りに込められた願いは変わりませんが、仙台七夕まつりは昭和に入ってから大きな変化がありました。

家々で願いを込めて飾りを作り掲げるお祭りから、昭和3年に開催された「七夕飾りコンクール」をきっかけに、商店街に大きな飾りが掲げられ商店街のお祭りと発展していきます。昭和8年には、仙台の人口が約20万人に対し、15万人の見物客が訪れたと言われています。

その後、昭和22年には、8月6日7日の2日間開催から8日も加え3日間の開催になり、観光のお祭りと変わっていきました。昭和40年には、自衛隊の車が電飾で彩られた「動く七夕パレード」が行われ、七夕飾りを観るお祭りからイベントを楽しむお祭りになりました。

【写真:昭和30年代 所蔵/風の時編集部】

そして、仙台七夕まつりは、昭和53年の宮城沖地震や昭和61年の洪水被害、平成23年の東日本大震災などの災害があっても中止せず、その時々の願い祈りが込められた祭りとして現在に受け継がれていることを教わりました。

講座では、古地図や昭和10年に仙台駅前で撮影された貴重な16㎜フィルムの映像資料から82年前の仙台七夕まつりを知る事が出来ました。

ご参加いただいた方からは、「毎年七夕に行きますが、今年はさらに楽しめそうです。」の声もあり、仙台七夕まつりの歴史を知り、魅力を再発見することが出来た講座となりました。各家々で七夕を飾る習慣が、また仙台市内で復活すると良いですね。

佐藤正実さん、ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。

 

*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*

せんだい環境学習館 たまきさんサロン

平 日 10:00~20:30

土日祝 10:00~17:00

休館日 月曜(月曜が休日の場合は、その翌日)祝日の翌日・年末年始

※8月27日(日)は設備点検のため臨時休館です。

*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*

 

カテゴリー: 過去の講座, 未分類, 役立つ話, 環境, 環境講座, たまきさんブログ | コメントする

廃泥土のリサイクル-不要な泥土から植物用の土を作る-【サロン講座】

たまきさんサロンスタッフです。

7月28日に東北大学大学院環境科学研究科の高橋弘教授をお迎えして、 「廃泥土のリサイクル-不要な泥土から植物用の土を作る-」と題し、サロン講座を開催しました。今回は家庭ごみ減量課主催の「ワケルくんバスで行く!夏休み親子環境施設見学会」と提携し、10組の親子のみなさまにご参加いただきました。

はじめに、高橋先生から不要な泥土とは何かを教えていただきました。

私たちが普段飲んでいる水道水は、浄水場で安全な水に生まれ変わります。浄水場では、川や湖から運ばれてきた原水の土砂や浮遊物を取り除いていきますが、この取り除いたごみが「浄水発生土」と呼ばれる不要な泥土の正体です。

 

仙台市の浄水場で1年間に発生する「浄水発生土」を家庭のお風呂に貯めようとすると、11,000個の浴槽が必要になるそうです。安全な水を作ると大量の不要泥土が発生してしまうんですね。

次に、先生からどろどろの汚水を見せていただきました。

「これはいったい何でしょう?」

 

 

 

先生に見せてもらったどろどろの液体・・・これは、「浄水発生土」の疑似廃泥土です。

「浄水発生土」の多くは、そのままだと廃泥土として処分場に捨てられてしまいます。

 

 

では、処分場に捨てられる「浄水発生土」は減らすことができないのでしょうか。

答えは、実験をして確かめてみましょう。

まず、廃泥土をよくかき混ぜます。

そこに、細かく切った古新聞紙を入れます。

 

 

 

 

新聞紙が水を吸って、かき混ぜる手が少し重くなってきました。

乾いた新聞紙が水を吸うまで、頑張ってかき混ぜます。

「手が疲れた~!」みんなの悲鳴が聞こえてきました。

 

次に、粘土のかたまりのようになった廃泥土に、白い粉を少しふりかけます。

「これは、吸水性ポリマーの粉です。みんなが赤ちゃんの頃にお世話になった紙おむつに使われているものです。もう少し頑張ってかき混ぜましょう!」

 

 

泥はどんどん固く粘ってきました。吸水性ポリマーが水分を吸水したからです。

最後に、分散剤という液体を入れてかき混ぜると、今度はポロポロとしたそぼろ状のかたまりになりました。でも、最初の水分がどこかにいってしまったわけではありません。ためしに、このかたまりをギュッと手でしぼってみると、ぽたぽた水がしみ出してきました。

*使用した吸水性ポリマーや分散剤は、時間をかけて微生物によって分解される、環境に負荷をかけないやさしい物質を使っています。

吸水性ポリマーや薬品を加えることで、どろどろの液体だった廃泥土が、植物を植えることができる土に生まれ変わりました。

「では、出来上がった土に、早速お花を植えてみましょう!」

「日々草」と「ペンタス」というかわいらしい花を植えてみます。

 

みなさん、きれいに植えることができました。

これからもきっと、きれいな花をたくさん咲かせてくれることでしょう。

 

 

 

この日、実験した方法は、浄水場から出る廃泥土の処理の他にも、震災で出たヘドロのリサイクルや道路のかさ上げ工事の地盤材としても使われているそうです。

セメントと古紙を混ぜることにより古紙の繊維がつなぎの役目をして、より強度が増すのだそうです。

 

ごみとなって捨てられるようなものでも、工夫すれば立派な原料や材料として活用できるものに生まれ変わることができることを学習しました。

今回の実験を通して、リサイクルにもっと興味を持ち、ゴミが少ない社会を目指していきましょう。

 

高橋先生、講師補助の大島さん、ありがとうございました。

今回の講座にご賛同いただき、花の苗を提供してくださった仙台生花株式会社様、植木鉢を提供してくださったアイリスオーヤマ株式会社様、ありがとうございました。

 

*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*

せんだい環境学習館 たまきさんサロン

平 日 10:00~20:30

土日祝 10:00~17:00

休館日 月曜(月曜が休日の場合は、その翌日)祝日の翌日・年末年始

※8月27日(日)は設備点検のため臨時休館です。

*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*

 

 

 

 

 

 

 

 

カテゴリー: 過去の講座, 未分類, 環境, 環境講座, たまきさんブログ | コメントする

ネイチャーテクノロジー&木育ワークショップ 第1回 【オープンサロン講座】

たまきさんサロンスタッフです。7月27日に東北大学大学院環境科学研究科の古川柳蔵准教授をお迎えして、 「ネイチャーテクノロジー&木育ワークショップ」と題したオープンサロン講座を開催しました。まな板を「作る」「修繕する」「作り替える」という過程を通して、実際に木と触れ合いながら最後まで長く使い続けることの大切さを学んでいきます。

全3回の連続講座のうち、今回は1回目の「まな板を作る」講座を、午前と午後の2回開催しました。

まず、スライドを見ながら、今、地球で起こっている様々な環境問題が、今後私たちの社会や暮らしにどんな影響を及ぼすのか、身近な暮らしをもう一度見直してみることを学習しました。

今回の講座で取り上げるのは、私たちにとってとても身近でありながら、環境問題を考える上で欠かせない森の木についてです。

森の木は、雨水をためて地球上の水をコントロールし、生き物を育んできました。

地球環境では、海~雲~雨~森~川~海という水の循環のしくみが、できあがっています。

また森の木々は、光合成により、二酸化炭素を酸素に変えてくれます。

私たち生き物にとってなくてはならない酸素を生み出してくれているのです。

 

森の木々は、やがてどんどん成長し、木材として使われるようになります。

でも今、森はどうなっているのでしょうか?

産業の発展にともなって多くの森が伐採され、減っていきました。人は木をエネルギー源や資材として使ってきたのです。森が少なくなると、大雨による土砂災害が増えたり、つくられる酸素よりも排出される二酸化炭素の方が増えてきます。さらに、人は木材よりももっと効率の良い地下資源を大量に使うようになり、二酸化炭素が多く出るようになってしまいました。これは、地球温暖化の原因にもなりました。石油を原料にしたプラスチックは、使われなくなって捨てられても、木材のように自然に還ることはありません。いつまでも消えないごみが、地球上に大量にあふれるようになりました。

また、森は手入れをしないと、背の高い木が成長し日を遮ることで、小さな木々が育たなくなり、どんどん荒れてしまいます。

では、森とのつきあい方の一つとして、森の木を使って何かできないか、考えてみましょう!

これは、まな板(カッティング・ボード)の材料となる杉板です。

まだ木を切り抜いただけなので、表面もザラザラしています。

この板をまな板としてちゃんと使えるようにきれいに仕上げていきます。

 

 

 

まず、「やすりがけ」をしていきます。

最初は、目の粗い80番の紙やすりで削っていきます。

けっこう力と根気のいる作業です。

みんな、黙々と作業を続けていきます・・・

「手が疲れたぁ・・・」

次に、電動トリマでボードのふちを角がなくなるように丸く面取りします。

そして、またやすりがけ・・・

 

 

 

今度は少し細かい目の120番の紙やすりです。

だいぶ、ツルツルになって来ました!

「じゃあ、最後に仕上げの240番の紙やすりをかけましょう!」

「えーっ!! まだやるのー?!」

やすりがけが終わったら、今度はまな板に焼きごてで好きな絵を描いていきます。 
これが、一番楽しかったかな?

 

 

 

 

最後の仕上げに、乾性油のグレープシード・オイルか亜麻仁油を塗って完成です!

自然素材を使って作ったオリジナルの手作りまな板(カッティング・ボードが出来上がりました。

何か作るって楽しい!

使ってもらうお母さんにメッセージも書きました。

最後に、自分で作ったまな板を持って先生と記念写真です。

古川先生、講師補助の三橋さん、ありがとうございました。

今回の講座は、「未来の暮らし方を育む泉の創造」プロジェクトの一環として行われました。 

次回第2回講座は「修繕する」です。今回作ったまな板を二ヶ月間使ってもらい、また持ってきてもらいます。

二か月後、みんなのまな板はどうなっているでしょうね。  

 

*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*

せんだい環境学習館 たまきさんサロン

平 日 10:00~20:30

土日祝 10:00~17:00

休館日 月曜(月曜が休日の場合は、その翌日)祝日の翌日・年末年始

※8月27日(日)は設備点検のため臨時休館です。

*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*

  

 

カテゴリー: 過去の講座, 未分類, 環境, 環境講座, イベント, たまきさんブログ | コメントする

新聞紙で涼しい空間(クールエアドーム)を作ろう!【サロン講座】

たまきさんサロンスタッフです。

716日に宮城教育大学教授の菅原正則先生をお迎えして、「新聞紙で涼しい空間(クールエアドーム)を作ろう!」と題したサロン講座を開催しました。新聞紙でクールエアドームを手作りし、自然の力で涼しさを得る方法を学びました。

 

まず、先生から「涼しくするには、どうすればいいの?」という講義と、今日の実験のかんたんな説明を受けます。

 

 

 

 

いよいよ、新聞紙を使ったドーム作り開始です!

 

 


 

新聞紙をテープで貼り合わせていきます。

 

 

 

 

 

 

 


 

大人も子供も真剣に新聞紙と格闘中です。

 

 


 

貼り合わせた新聞紙で、大きな折り紙を作る部分もあります。

 


 

ビニールシートが窓になるの・・・?

 

 

 

 

 

どんなものが出来上がるのか、まだサッパリわかりません・・・

 

 


 

とにかく手順どおりに貼り合わせて・・・。

 

 

 


 

いよいよ、風を吹き込みます!

 

 

 

見る見るうちにドームが膨らんで・・・

あれっ!? かまくら? 秘密基地?

 

 


 

霧吹きでドームの内側全体を濡らします。

 

 

 

 

さあ、中に入ってみよう! 

 

 

 

メッチャ楽しい! 

みんな、テンションが急上昇!

 

 

 

あれっ!? 何もしていないドームよりも、濡らしたドームの方が涼しいかも!

 

 

 

 

ほんとに涼しいかどうか、温度も測ってみよう。

みんなの体から放射される熱の温度は、30.4℃


 

乾いたドームは外側も内側も26℃だけど、濡らしたドームだと外側24℃、ドームの中はなんと22℃になっていました! 4℃も違う!

 

 

実は、これは「蒸発冷却の実験」だったのです。濡らした新聞紙のドームから水分が蒸発する時、気化熱を奪うのでドームが冷えます。その結果、身体から赤外線放射される熱がドームにたくさん吸収されて、涼しく感じるわけです。

 

最後に、みんなでドームに入って記念撮影!

 

 

 

 

今日は、東北大学で毎年恒例の「サイエンスデイ」が開催されています。

たまきさんサロンはサテライト会場になっているのですが、あいにくの雨にも関わらず、みんなで手作りした「クールエアドーム」を見学・体験するために、午後もたくさんの方がいらっしゃいました。

今日の講座では、涼しくすごすということについて学びました。

菅原先生、学生スタッフの皆さん、ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。

 

*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*

 

せんだい環境学習館 たまきさんサロン

平 日 10:00~20:30

土日祝 10:00~17:00

休館日 月曜(月曜が休日の場合は、その翌日)祝日の翌日・年末年始

※8月27日(日)は設備点検のため臨時休館です。

 

*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*

カテゴリー: 過去の講座, 未分類, 省エネ, 役立つ話, 環境, 環境講座, イベント, たまきさんブログ | コメントする

仙台七夕 彩・再・祭 ~ミニ飾り作りを通して知る歴史と再利用~【サロン講座】

たまきさんサロンスタッフです。

625日に鳴海屋紙商事 鳴海幸一郎さんをお迎えして、「仙台七夕 彩・再・祭 ~ミニ飾り作りを通して知る歴史と再利用~」と題したサロン講座を開催しました。

現在の仙台七夕は旧暦で行われるため、86から8日の三日間となります。

 

 

七夕まつりは、中国の乞功奠(きこうでん)の星祭りに由来し、中国から京都や奈良に伝来した後、伊達政宗公が年中行事として藩内に広めたと言われています。

 

講座では7つ飾り(吹流し 折鶴 短冊 紙の着物 投網 くずかご 巾着)について説明を受けました。

・吹流し

現在は紙が主流ですが、昔は紙が貴重だったので、生糸を飾っていたそうです。

・折鶴

家族の長寿を願い、その思いの分の数を折ります。

・短冊

願いが叶うように、祈りながら墨で書きます。上手、下手関係なく、最後までしっかり書くことが大事だと教わりました。

・紙の着物

身代わりとして病気や災害を防ぎ、裁縫や手芸の上達を願う飾りです。

 

 

 

 

 

 

・投網

お魚をとる網をかたどっています。豊漁や豊作を祈る飾りです。

 

 

 

 

 

 

くずかご

中に七夕の飾りを作って出た紙くずを入れてつるし、物を粗末にしないこと、整理整頓、清潔の心を教えています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・巾着

むだ遣いをやめ、倹約、節約の心を養うためにと飾ります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

説明を受けた7つ飾りのうち、今回は、投網、くずかご、巾着を作りました。

皆さん願いを込めながら、思い思いに飾りを作りました。

 

 

 


 

 

 

 

 

笹に飾りをつければ完成です。


 

 

 

 

 

最後は、仙台七夕まつりの後の飾りや竹の行方のお話です。

飾りは仕立て直し、仙台のPRキャンペーンや県内外の祭りへ嫁入りし楽しんで頂いている様です。

竹は竹紙としてリサイクルするため、九州の製紙工場へ運ばれるそうです。

 

 ~プチ話~

鳴海屋紙商事さんは、「七夕の黒子役」という意味を込めて、黒いTシャツをユニフォームにしているそうです。

 


 

 

 

 

 

鳴海さん、ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。

 

 

*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*

せんだい環境学習館 たまきさんサロン

平 日 10:00~20:30

土日祝 10:00~17:00

休館日 月曜(月曜が休日の場合は、その翌日)祝日の翌日・年末年始

※8月27日(日)は設備点検のため臨時休館です。

*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*

 

 

 

カテゴリー: 過去の講座, 未分類, 省エネ, 役立つ話, 環境, 環境講座, たまきさんブログ | コメントする

仙台で釣りをはじめよう!【サロン講座】

たまきさんサロンスタッフです。

5月28日(日)は、宮城教育大学 棟方有宗准教授をお迎えして「はじめての釣り~魚と道具と川のおはなし~」を開催いたしました。

はじめに、棟方先生のこれまでのキャリアについてお伺いしました。棟方先生は現在、サケの回遊行動のメカニズムや希少淡水魚類、河川保全に関する研究をされておられますが、幼いころに東京の多摩川でよく釣りをした経験から釣りの魅力を知ったそうです。

 

 

仙台は魚が生息している場所が多く、ハゼやアイナメが釣れる海釣りや、川や湖でフナやヤマメを釣れる内水面釣り、マスやコイが釣れる釣り堀などがあり、釣りをするにはとても恵まれた環境にあるそうです。

また、釣る場所や狙う魚によって、道具や釣り方を変える必要があることを教わりました。

 

しかし、仙台も高度経済成長期には川が汚れ、魚も減ったようですが、市民の方々の取組みで徐々に魚が戻ってきたそうです。

棟方先生の経験から、釣りをすることで、川で起こっている環境の変化にいち早く気づくことはもちろん、人とのつながりや、海外へ行くきっかけにもなり、将来の目標も見つけることができると教えていただきました。

棟方先生からお話を聞いた後は、基本的な釣り糸と針を結ぶ方法を学び、参加者の皆さんに実際に釣り道具にふれていただきました。長さが8.5メートルもある釣り竿に皆さん驚かれながらも、興味津々で楽しまれていました。すぐにでも釣りへ出かけたくなる講座となりました。

棟方先生、参加者の皆さまありがとうございました。

 

*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*

せんだい環境学習館 たまきさんサロン

平 日 10:00~20:30

土日祝 10:00~17:00

休館日 月曜(月曜が休日の場合は、その翌日)祝日の翌日・年末年始

※8月27日(日)は設備点検のため臨時休館です。

*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*

 

 

 

カテゴリー: 過去の講座, アウトドア, 環境, 環境講座, たまきさんブログ | コメントする

古文書読むなら紙のことも学んでみよう!佐藤大介先生の「仙台商人、紙づくりの再生に挑む」講座

本日の講座は、東北大学災害科学国際研究所 佐藤大介先生の古文書読み解き講座「仙台商人、紙づくりの再生に挑む〜天保飢饉後の生業作りと協働〜」です。
まずは開口一番
「今日このまさに同じ時間に博物館では伊達政宗の講座が開かれているというのに、古文書の話を聞きに来られている皆さんは、ツウですね。」
それを言ったら、先生のキャラを見にきている参加者さんもいっぱいいますよ。


先生は普段は研究者として古文書の解析などをされていて、さらに学生さんに向け授業をもっているのですが、震災以来の調査活動で、海水に浸かった和紙の復元過程などから古文書の研究者は文面は調べるのだけれど、紙の成り立ちや構造などは「意外に知らないのでは?」と気づき、紙の研究にも力を入れているそうです。


そして本日の講座です。
安政6年(1859)に、日本は日照不足から飢饉(天保飢饉)に陥りまして、米はできなくなるは人は大勢死んでしまうはで、社会は大変な混乱になるのです。そんな折、先祖代々紙を扱ってきた商人「加藤直介」「小西久兵衛」の二人が仙台藩に願い出て、今でいう紙の流通に公金を投じ、紙の供給の安定化と職人の養成、価格の安定化策を進言する、今でいう政策提言のようなことをした古文書を、みんなで読み解いてみようというものです。


でも。。。元は漢文ですな。この時代はカナ文字などは、女性や子供が使うものだったので、藩とのやりとりなどの文章はみんな漢字。。。なので、これらを大介先生が訳したものを、まずは読み込んで、


皆さんにお渡しした登場人物や、地名、役職などの一覧に、人やお金の流れを描いてみましょうというものです。まるでドラマの人物相関図だな。


まず、天保飢饉では何が起きたか?なんですが、度重なる冷害で、お米が全く取れない年が続きました。特に仙台藩はコメに偏って植栽していたので被害は甚大で。。。今では原因がわかってきているんですが、米が花をつける頃に冷害が起きまして、まったく結実しなかったという。。。。


で、米がとれず、紙の原料の楮(コウゾ)も育たない。(この辺は、何故なんだろう?コウゾの新芽とかも食べちゃったのかな?なんて話は後でしたけど、謎のまま)
藩内に紙がないと、行政が成り立たないし、記録も取れない。


今はインターネットの時代だけど(それでも文書があるとかないとか言ってますね。。。)当時は実態の「紙」がないと、記録の一切がとれない。武家でも連絡が取れない。農民集落も手紙が書けない。とにかく大変なんです。


そうなんです。日本は世界の国の中でも、なんと平民階級までもが文字が読めるという、大変に識字率の高い国家だったんですよ。なので、その情報インフラともいうべき紙がないとなると。。。他の産地から買ってくるしかない。日本の紙は品質が高くって、支倉常長がヨーロッパで鼻を「チン」ってかんで、ポイって捨てたら現地の人はたいそう驚いたそうな。
ちなみにこれ。文字を書いた紙を溶かして漉き直した質の低い紙、カス紙。なんと再生紙です。



でも、武家が紙を領内から買うなら「藩札」と言われる、まぁ、藩の発行するお金でいいんです。でも、領内でしか通用しないお金で他藩から物資を買うことはできない。すると、当時の日本は金(☆★Gold★☆)本位制だったので、小判にはGoldそれなりの直接の価値があった。お金イコール金(Gold)が無いと、他藩からは物が買えない。


情報インフラの紙を買うために藩のお金を使ってしまうと、藩が振り出した藩札(藩のお金=紙)を裏付けるものがなくなってしまう。そりゃそうだ。金庫が空の人がお金刷っても、誰が信用するのだ?そうなると、仙台藩の藩札には信用がないってことになるので、なんとハイパーインフレが起きていたそうです。クワバラクワバラ。


そこで、本日の主要登場人物の加藤・小西の両名が藩に願い出て、1000両の現金を紙の産地の中揚(仲買人)に融資し、藩のお金でオーダーし集荷させた楮(コウゾ)を紙漉き職人に加工させ、それを一括して流通すれば供給が安定し、さらに藩内で必要以上の紙を生産することができれば、余剰の紙はさらに販売もできるから、藩の産品としても十分に潤わすことができるのじゃないかというわけです。こりゃ、今でいうとこのコーディネーターの仕事ですな。
借りたお金は9ヶ月につき1割の金利を払うとまで約束ができていました。
ただ、市場原理を歪めると生産者が言うことを聞かなくなったり他業界との労賃の価格差が生まれたりと、ロクなことがないというのが今になってわかってきた実態なんだけど。。。大丈夫かなぁ。


さてさて、政策提言は無事に形になり、
–金500両は丸森の中揚(ここでは紙問屋)へ
–金300両は白石の中揚(仲買人)へ
–金200両は柳生の中揚(仲買人)へ
お金が支給されました。この時代の1両は、お米の価値で4万円。市中で使える現金の価値としては16万円ぐらいあったと言うから、まぁ〜大変な金額でした。(コメの価値が近代と違うのだね。武士の給金もコメでしたし)そしてこちらが、人とお金の相関図。


そうしましたらなんと、翌年は楮(コウゾ)が豊作!原料がいっぱい育てば紙も沢山作れることから、価格が下がってひと安心じゃない?って思ったのですが、なかなか値段が下がらない。
なんと厳格に管理した楮(コウゾ)と紙の漉きの流通過程を「窮屈だ!」と感じた中揚が、出来上がった紙を実態の金が手に入る近隣諸国へと密売していたという。。。おいちょっと待った。公的資金導入で、業界が助かったんじゃないのかい?しかも特産品になるはずのものが。。。
さらに、とある地域では梳き上がった紙の寸法を小さくしてみたり、薄くしてみたりの不正まであると。ほらほらほら。ゆがんだ経済の実態だよ。


なんて騒動が起きまして、加藤、小西の両氏が問題発生の地へ出向いて用向きを聞き、調整に歩いたとの古文書も、続々出てきて人の関連が見えてくるのですね。資金も大切ですが、信頼関係の構築こそが大切なのです。
あ。この問題では地名まで、ちゃ〜んと古文書には書かれているんですが、まぁそれはね。いま住んでる人もいるんでナイショってことで。

そんなこんなのスッタモンダはありましたが、仙台藩の紙漉きは天保の飢饉で途切れることもなく、永く現代にまで引き継がれてきたのです。

そして、コディネータ両氏はその後どうなったのか?
これも点々と痕跡は残っています。


まず柳生和紙で有名な柳生村。
慶応2年(1866)に、「柳生御百姓茂庭鼻紙漉」惣兵衛が、金460両を献上して、今後の税を免除してくれと申し出てきたそうな。なんと藩が融資した金額の倍以上。柳生村では紙漉きで大きな利益をあげるほどに産業が育ったのですね。


柳生村には小西利兵衛(久兵衛の同族と思われる)の頌徳碑も残っていて、柳生村の和紙の向上のために技術指導を行い「唐紙判次厚美濃」傘紙を製造できるようになったことや、信州から工人を呼び寄せることで元結(髪を縛る紙ね)の製法を改良し「さらし美濃」の製法を普及させるなどなど、多くの徳があったことを、誰もが読めることを意識したのかカナ文字混じりで刻み込まれています。


そして質問コーナー。
「鳴子の漆器や製塩などは、その後どうなったのですか?」
先生の資料によると紙漉き以外にも天保飢饉で被害を受けた産業は他にもありました。漆器は長野から職人を読んできて技術を伝承させ、製塩も同じように継続できたそうです。


ということで、天保飢饉の際には、藩と商人と仲買と職人の協働で、和紙の生産は危機をくぐり抜けたことが古文書から見て取れることがわかりました。
古文書には人の営みが連綿と記録されているので、震災のような大きな災害からの復興にも役立つ事例が多く読み取れ、例えばお金より産業の指導こそ大事だったなど、結果主義に陥りがちな近代に対する多くの教訓もあるのです。


ちなみに先生の研究では、市民の皆さんにも古文書を読んでもらおうと、ひろく活動もしています。


古文書は読み方のコツを覚えると、書いてある内容がスラスラと読み取れるようになり、楽しいのだそうですよ。


さて、講座は少し早口で終わりましたと思ったら、なんと先生が二時間の講座を1時間半で話していたことが判明!
「でもこうやって、実物を見ながらお話する時間もできましたよ」
確かに。


で。なにこの箱?
ここにあるのは先生が東京の古書店で買い求めてきた、仙台藩に関わる古文書です。
確かに。色が白くて綺麗な紙に関しては、虫に食われているものもあるなぁ。
「楮(コウゾ)は食べるところがないので残るんですが、米粉が入っていると虫の栄養なので、食べられちゃうんですよ」


ちなみにコレ。いくらで買ったんですか?
「けっこうしました。。。。。。」

カテゴリー: 過去の講座, 取材, 環境講座, イベント, たまきさんブログ | コメントする